【猫画像あり】島猫たちのエピソード

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【猛猫リンネの物語】2024.4.15〜

第16話:絶対シャーパン領域

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 リンネ、S.P.フィールド展開中。
 目の前のケージの格子に触れたら、猛烈パンチが飛んでくる。
 S.P.フィールドとは、何人にも侵されざる猛猫の領域ともいう。

「シャーッ! ウゥゥ~ッ (解説はいいから早くメシよこせ!)」
「はいはい、でも先にトイレ掃除させてね」
「ギャーオ! カッ! (近づくな! ブッ飛ばすぞ!)」
「はいはい、もうブッ飛ばしてるね」

 ケージの中からトイレ容器を出し入れするたびに、2~3発のパンチが飛んでくる。
 先週までは1発だったのに。
 仔猫たちがずっとくっついてる状態ではなくなったから、動きやすくなったリンネのパンチが増えたのかもしれない。
 どうにか避けたり防いだりしているけれど、トイレ容器に手を突っ込むようなパンチはやめてほしい。
 引っ張られて取り出しづらいじゃないか。
 リンネは落ち着くどころか、日に日に荒々しさが増している気がする。

 仔猫たちはといえば、母親と人間の攻防を他人事のように傍観中。
 君たちは母さんのような猛猫にならないでね。
 生後半月経ったけど、未だに仔猫には触れていない。
 なので5匹の性別は不明のまま、サビは三毛と同じで基本メスだけなので、辛うじて性別が分かる感じ。

「はいお待たせ、ゴハンだよ~って、それ噛まないで~」
「シャーッ! (早く!)」
「注いでる途中で顔突っ込んだら、注ぎづらいんだけど」
「ウアーウ、アウアウア (うるさい、腹減ってんだよ)」

 カリカリ(ドライフード)を食器に注ぎ入れようとしたら、サランラップの芯をリンネがガブリと噛む。
 攻撃というより、催促しているっぽい。
 幸いすぐに放してくれたので、ザラザラーッとカリカリを注ぎ入れかけたら、今度は注いでる途中で食器に顔を突っ込んで食べ始めた。
 食器にカリカリを注いでいる最中に顔を突っ込んでくるのは今日が初めて。

 まだ、ふりかけをかけてないよ?

 リンネはガツガツ食べている。
 今までピュリナワングレインフリー単品だと食べなかったのに。
 今日はふりかけ(三ツ星グルメ)無しで完食した。
 子供たちの成長と共に母乳を飲む量が増えて、先週よりも栄養を取られているのかな。
 あとでカリカリを追加してあげよう。
 グレインフリー単品で食べるようになってくれて良かった。
 そう思いつつ食べている途中でちゅーるを差し出すと、迷わずそちらにも口を付ける。
 ちゅーるを数秒で食べ切ると、またカリカリをむさぼるように食べ始めた。
 なんか唸りながら食べている。

「お嬢、怒りながら食べるのは胃によくないよ~」
「シャーッ! (うるさい!)」

 声をかけたら、怒られた。
 野生のお嬢様は、今日もデレることはないらしい。
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