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【猛猫リンネの物語】2024.4.15〜
第13話:シャーパン猫も寝てる時は天使
しおりを挟む(お、寝てる寝てる。コッソリ寝顔を撮っちゃおう)
眠ってる間に寝顔を撮った直後。
カシャッて音に気付いたリンネがブチ切れた。
「シャーッ! (何撮ってんのよ!)」
「ゴメンゴメン、寝顔が可愛くてつい……」
「ウゥゥ~ッ! (勝手に撮んな!)」
「寝てる時は天使なのになぁ」
「カッ! (てめぇコロス!)」
不覚にも寝顔を見られた(撮られた)リンネ、たいそうお怒りの様子。
昨日に続き、回数忘れるくらいパンチを放ってきた。
振り落とされる仔猫たちが、今日もピーピー鳴いている。
御世話タイムが終わるまで寝ててくれればいいのに。
「そんなに怒るなよ、ちゅーるあげるから」
小袋を見せたら、静かになったリンネが歩み寄ってくる。
荒ぶる野生のお嬢様を鎮める最強アイテム「ちゅーる」だ。
ちゅーるが繋ぐ交流タイム。
このときだけは、辛うじて平和。
でも下手に何かすればパンチが飛びそうで、表には出さないけど内心ドキドキだったりする。
「リンネが懐いてくれるといいんだけどなぁ」
「ウ~ッ! シャーッ! (人間はみんな敵だ!)」
「家の中なら雨に濡れたりしないし、子供たちが交通事故に遭うこともないんだよ?」
「ウアーオ、シャーッ! (でも人間は嫌い!)」
話しかけても、全部威嚇で返される。
相変わらず、野生の熊と同じで、猛猫が懐く気配は皆無だ。
実は我が家にはリンネ以外にも、これまで人に飼われた経験が無かった動物がいる。
元野犬「スバル」。
血縁と思われる犬と一緒にイノシシ罠の檻に入っていて、保健所に収容された犬。
2020年12月21日に収容された、体重13kgの茶色い中型犬。
左目が潰れていて、視力は失われていた。
2021年3月3日に飼い犬として保健所から引き取り、スバルと名付けて今年で3年が経ったけれど、未だに誰にも懐かず、狂犬病ワクチン接種時は2人がかりで取り押さえて注射している。
スバルはオヤツを差し出せば寄ってくるが、首を伸ばしてひったくるようにオヤツを取ると逃げ去ってしまう。
一緒にイノシシ罠にかかっていた犬は、ボランティア仲間に引き取られた後、脱走して現在も消息を絶っている。
リンネもスバルやその仲間と同じで何年経っても心を開いてはくれないのだろうか?
しかし、スバルの以前に保健所から引き取った野犬は懐いてくれた。
元野犬「ルーク」。
2018年2月13日に収容された、体重9kgの小柄な黒い犬。
同年4月20日、保健所から引き取ってルークと名付け、石垣島で最も長く犬の保護ボランティアを続けていた「わんわんclub」さんの助けを借りて、人慣れの基礎トレーニングを経て我が家に来た。
ルークは1年後、初めて大人しく撫でさせてくれて、そこから一気に人懐っこい犬へと変わっていった。
今は亡き愛犬ルークのように、リンネも心を開いてくれたらいいのにと思う。
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