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【猛猫リンネの物語】2024.4.15〜
第5話:好みのゴハンは?
しおりを挟む「あれ? リンネ、ごはん残してるけど具合悪いの?」
「シャーッ!(それいらない)」
「多かったのかな?」
「ウァーオ(美味しくない)」
「え~? グレインフリーだから身体にいいのに」
「ウウウゥ~(もっと美味いもん出せ)」
「好き嫌いはよくないぞ」
「カッ!(黙れ!)」
怒りながら会話が成立(と保護主が勝手に想像)しているリンネ。
パンチは、もはやお約束になっている。
栄養を考えてピュリナワンのグレインフリーを出してみたけど、食べない。
授乳期の母猫なら何でもガツガツ食べると思っていたけど、違うっぽい。
去年の母猫レミは好き嫌い無く何でも食べたのに。
食の面でもリンネはレミと随分違う。
保護開始時からあげていたのは、銀のスプーン系の三ツ星グルメ。
1食分ずつ小袋に分けられているので、携帯にも便利。
カバンに入れて持ち歩き、会社の駐車場でTNR猫の餌やりにも使っている。
銀のスプーン系は嗜好性が高く小粒で食べやすいからか、喜んで食べる猫が多い。
TNRの一時保護用にいつもストックしているが、長期保護の猫にはあげていない。
リンネはTNRの予定で一時保護した猫だったので、保護開始時は三ツ星グルメをあげていた。
好みは分ったけど、できればお肉が主原料のフードを食べてほしい。
三ツ星グルメは穀類(トウモロコシなど)が主原料だ。
猫は肉食なので、穀類は無くてもいいレベルの食べ物。
リンネは母乳を通して仔猫たちに栄養を分け与えているから、肉が主原料のピュリナワンの方がいい。
そこで、ピュリナワンと三ツ星グルメを1:1で混ぜて出してみた。
「シャーッ!(置いたらすぐに去れ)」
威嚇しながら、ノッソリと食器に歩み寄るリンネ。
食器に顔を突っ込むと、ガツガツと食べ始めた。
食べながら、こちらを横目で睨むのも忘れない。
ケージから離れてその様子を確認して、お世話完了。
次に保護部屋を訪れた時には、リンネは2種を混ぜたフードをペロリと完食していた。
よし、この手でいこう。
2回目は三ツ星グルメの比率を4分の1にしてみた。
それでも完食してくれた。
メインのフード(ピュリナワン)の上からパラパラと振りかけるだけで、きれいに食べ切る。
「ウァ~ウゥゥゥ~(どうせ出すなら美味いもんにしろ)」
唸りながら、毎回要求するようになったリンネ。
猫にとっては、栄養価 <<< 越えられない壁 <<< 美味しさ
「はいはい、ほら、これ美味しいよ~」
それでも栄養的に良いものを食べさせようと、小細工する保護主であった。
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