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第2章:森の外へ
第10話:アズの幸運
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そして最後は、アズの番だ。
「福音鳥の主人は、自分と周囲に幸運をもたらすと言い伝えられてるニャン」
ニコニコしながらアズの肩をポンと軽く叩き、王様が教えてくれた。
「福音鳥の主人さんが来るのは、100年ぶりくらいですね~」
「そうなの?」
「はい、当協会の記録に残ってますよ」
期待に目を丸くして、耳やヒゲをピーンと張るのは、受付のお姉さん。
アズがガラガラを回すのを、王様とお姉さんが期待に満ちた顔で見つめてる。
そして、出てきたのは…
…光り輝く、虹色の玉!!!
「!!!」
お姉さん、ハッとして今までと違う大きめハンドベルを掴んだ。
ブンブンブンッ!と振られたそれ自体は、音は出ない。
「「「「????」」」」
子供たちが揃って首を傾げた直後…
ガラガラガラガラーッ!!!
…街の中心にある時計台の鐘が、激しく鳴り響いた!
「「「「え?!」」」」
揃って驚く子供たち。
あちこちから猫人たちが駆け付けて来る。
「100年ぶりに、特賞が出ましたぁぁぁ~っ!!!」
お姉さんが絶叫して、集まった人々がおぉ~っ!と歓声を上げた。
…100年ぶりって事は、特賞を出せる運の持ち主は福音鳥の主人くらいかな?
「特賞の賞品は港にあります。このチケットを持って港の事務所へどうぞ!」
「私が案内してあげるニャ、港はこっちニャン」
アズは金色のカードみたいなのを渡されて、困惑しながら王様の後についてゆく。
「特賞って何もらえるのかな?」
「幻のお魚かな?」
「エカの釣り竿より凄い魔道具かも?」
他の3人の子供たちもワクワクしながら後に続いた。
港の事務所は、この街に住む漁師さんたちの漁業組合の管理事務所だった。
「遂にあれを受け取る奴が現れたか!」
アズがチケットを見せると、事務所にいるシマシマの大柄な猫人が、目を輝かせて椅子から立ち上がる。
「よし、ついてこい」
そう言われて、大きなシマシマ猫人について行くアズの後ろに、エカたちもゾロゾロついて行く。
王様までニコニコしながらついてくるよ。
案内されたのは、港の桟橋の先端だ。
「さあここだ。担当者を呼ぶからちょっと待ってろ」
そう言うと、大きいシマシマ猫人は、桟橋の隅に置かれた箱から大きな巻貝を出して、楽器みたいに吹いた。
ブオ~~~ッ! ブオ~~~ッ! ブオ~~~ッ!
巻貝は独特の大きな音を海上に響かせる。
すると、海面がザワザワと波立ち、ピョーンと飛び出したのは白い大きな魚。
魚にしてはウロコが無くて、身体の表面はツヤツヤツルツルしてる。
「おめでとう~! では賞品があるところへご案内しますね」
そう言いながら、白い奇妙な魚が桟橋のアズの近くへ寄って来る。
「…さ、魚が喋った…」
「彼女は魚じゃなくてデルフィナという海の精霊ニャ」
後ろで鼻の穴広げて真顔で呟くエカに、王様が説明してくれた。
「では、私の背中に乗って下さい」
「は、はい」
デルフィナに言われて、アズが恐る恐る桟橋から背中の上へ移動する。
「では、他の方はここでしばらくお待ち下さいね」
そう言うと、デルフィナは滑るように水面近くを泳ぎ出した。
アッという間に遠ざかってゆくデルフィナに乗って、アズは何処かへ連れて行かれてしまった。
デルフィナ、アズをどこへ連れて行くの?
「福音鳥の主人は、自分と周囲に幸運をもたらすと言い伝えられてるニャン」
ニコニコしながらアズの肩をポンと軽く叩き、王様が教えてくれた。
「福音鳥の主人さんが来るのは、100年ぶりくらいですね~」
「そうなの?」
「はい、当協会の記録に残ってますよ」
期待に目を丸くして、耳やヒゲをピーンと張るのは、受付のお姉さん。
アズがガラガラを回すのを、王様とお姉さんが期待に満ちた顔で見つめてる。
そして、出てきたのは…
…光り輝く、虹色の玉!!!
「!!!」
お姉さん、ハッとして今までと違う大きめハンドベルを掴んだ。
ブンブンブンッ!と振られたそれ自体は、音は出ない。
「「「「????」」」」
子供たちが揃って首を傾げた直後…
ガラガラガラガラーッ!!!
…街の中心にある時計台の鐘が、激しく鳴り響いた!
「「「「え?!」」」」
揃って驚く子供たち。
あちこちから猫人たちが駆け付けて来る。
「100年ぶりに、特賞が出ましたぁぁぁ~っ!!!」
お姉さんが絶叫して、集まった人々がおぉ~っ!と歓声を上げた。
…100年ぶりって事は、特賞を出せる運の持ち主は福音鳥の主人くらいかな?
「特賞の賞品は港にあります。このチケットを持って港の事務所へどうぞ!」
「私が案内してあげるニャ、港はこっちニャン」
アズは金色のカードみたいなのを渡されて、困惑しながら王様の後についてゆく。
「特賞って何もらえるのかな?」
「幻のお魚かな?」
「エカの釣り竿より凄い魔道具かも?」
他の3人の子供たちもワクワクしながら後に続いた。
港の事務所は、この街に住む漁師さんたちの漁業組合の管理事務所だった。
「遂にあれを受け取る奴が現れたか!」
アズがチケットを見せると、事務所にいるシマシマの大柄な猫人が、目を輝かせて椅子から立ち上がる。
「よし、ついてこい」
そう言われて、大きなシマシマ猫人について行くアズの後ろに、エカたちもゾロゾロついて行く。
王様までニコニコしながらついてくるよ。
案内されたのは、港の桟橋の先端だ。
「さあここだ。担当者を呼ぶからちょっと待ってろ」
そう言うと、大きいシマシマ猫人は、桟橋の隅に置かれた箱から大きな巻貝を出して、楽器みたいに吹いた。
ブオ~~~ッ! ブオ~~~ッ! ブオ~~~ッ!
巻貝は独特の大きな音を海上に響かせる。
すると、海面がザワザワと波立ち、ピョーンと飛び出したのは白い大きな魚。
魚にしてはウロコが無くて、身体の表面はツヤツヤツルツルしてる。
「おめでとう~! では賞品があるところへご案内しますね」
そう言いながら、白い奇妙な魚が桟橋のアズの近くへ寄って来る。
「…さ、魚が喋った…」
「彼女は魚じゃなくてデルフィナという海の精霊ニャ」
後ろで鼻の穴広げて真顔で呟くエカに、王様が説明してくれた。
「では、私の背中に乗って下さい」
「は、はい」
デルフィナに言われて、アズが恐る恐る桟橋から背中の上へ移動する。
「では、他の方はここでしばらくお待ち下さいね」
そう言うと、デルフィナは滑るように水面近くを泳ぎ出した。
アッという間に遠ざかってゆくデルフィナに乗って、アズは何処かへ連れて行かれてしまった。
デルフィナ、アズをどこへ連れて行くの?
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