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第7章:双子星
第62話:フラテルの小型艇
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僕たちは水遊びを楽しみながら、惑星ソロルに滞在した。
子供たちの泳ぎの上達が早い。
僅か3日で全員自在に泳げるようになったよ。
コロニーで水中訓練を受けた大人たちより、泳ぎが上手くなるとはビックリだ。
勿論、泳ぎでは誰もカールに勝てないけどね。
そんなカールはソロル人たちに大人気だ。
この星では速く泳げる人がモテるらしい。
宇宙船アルビレオ号
艦長トオヤ・ユージアライトの日記より
「きゃ~! カール様、素敵!」
「あんなに速く泳げるなんて、さすが水の御子様ね」
ソロルの女性陣が盛り上がっている。
カールは今日も元気いっぱい泳いでいた。
イルカ姿のカールが泳ぐと、トップスピードは時速50kmに達する。
その勢いで空中へ飛び上がると、水飛沫がキラキラと輝いて美しい。
それはソロル人でなくても、魅力的に見えた。
「カール、今最高のモテ期ですね」
楽しそうに言うアイオに笑って相槌を打とうとした時、トオヤが持つ危険感知能力が発動した。
炎を上げながら落下してくる小型艇。
トオヤは念動力を使い、それを空中で停止させた。
気付いた人々から悲鳴が上がる。
「あの島に着陸させてもいいですか?」
「はい!」
近くにいたソロル人の女性に確認すると、トオヤは小型艇を空中に浮かべたまま無人島へと移動させた。
その意図を理解したアイオとセラフィが、アルビレオ艦内にある消火器を運んでくる。
アエテルヌムの消火器はゴルフボールサイズの小型軽量タイプ、熱を感知すると自動的に作動するスプリンクラーのような機能を持つ。
アイオとセラフィがそれを炎の中へ投げ込むと、噴水のように消火剤を散布し始める。
小型艇は複数箇所から出火しており、消火ボールを5~6コ投げ込んで鎮火した。
消火を終えると、トオヤとベガが小型艇に駆け寄る。
トオヤが昇降口のドアロックをサイキックで強制解除して、2人は船内へ突入した。
1~2人乗りと思われる小型艇の中、運転席から1人の青年が見つかった。
「生きてるか?」
「まだ息はあるよ」
「マヤたちとは違うタイプの獣人だな」
「多分、フラテル星人だと思う」
ベガの問いに答えつつ、トオヤは治癒能力を発動する。
意識を失っている青年は半人半獣で、腹部から足先にかけて茶色の毛皮で覆われており、狐のような尻尾があり、衣服は着ていない。
素肌が見えている胸には銃で撃たれたような傷があり、鮮血が流れ続けていた。
「これは墜落事故の怪我じゃないな」
「撃たれて逃げて来たってところか」
「意識が戻るまで保護して事情を聞こう。僕はこの船を調べるから、ベガは彼を医務室へ運んでくれる?」
「おう」
傷の治療を終えると、ベガが青年を抱き上げて、船外へ運び出す。
トオヤは小型艇のコンピューターにアクセスして、そこに残るカメラの映像をアルビレオに送った。
子供たちの泳ぎの上達が早い。
僅か3日で全員自在に泳げるようになったよ。
コロニーで水中訓練を受けた大人たちより、泳ぎが上手くなるとはビックリだ。
勿論、泳ぎでは誰もカールに勝てないけどね。
そんなカールはソロル人たちに大人気だ。
この星では速く泳げる人がモテるらしい。
宇宙船アルビレオ号
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「きゃ~! カール様、素敵!」
「あんなに速く泳げるなんて、さすが水の御子様ね」
ソロルの女性陣が盛り上がっている。
カールは今日も元気いっぱい泳いでいた。
イルカ姿のカールが泳ぐと、トップスピードは時速50kmに達する。
その勢いで空中へ飛び上がると、水飛沫がキラキラと輝いて美しい。
それはソロル人でなくても、魅力的に見えた。
「カール、今最高のモテ期ですね」
楽しそうに言うアイオに笑って相槌を打とうとした時、トオヤが持つ危険感知能力が発動した。
炎を上げながら落下してくる小型艇。
トオヤは念動力を使い、それを空中で停止させた。
気付いた人々から悲鳴が上がる。
「あの島に着陸させてもいいですか?」
「はい!」
近くにいたソロル人の女性に確認すると、トオヤは小型艇を空中に浮かべたまま無人島へと移動させた。
その意図を理解したアイオとセラフィが、アルビレオ艦内にある消火器を運んでくる。
アエテルヌムの消火器はゴルフボールサイズの小型軽量タイプ、熱を感知すると自動的に作動するスプリンクラーのような機能を持つ。
アイオとセラフィがそれを炎の中へ投げ込むと、噴水のように消火剤を散布し始める。
小型艇は複数箇所から出火しており、消火ボールを5~6コ投げ込んで鎮火した。
消火を終えると、トオヤとベガが小型艇に駆け寄る。
トオヤが昇降口のドアロックをサイキックで強制解除して、2人は船内へ突入した。
1~2人乗りと思われる小型艇の中、運転席から1人の青年が見つかった。
「生きてるか?」
「まだ息はあるよ」
「マヤたちとは違うタイプの獣人だな」
「多分、フラテル星人だと思う」
ベガの問いに答えつつ、トオヤは治癒能力を発動する。
意識を失っている青年は半人半獣で、腹部から足先にかけて茶色の毛皮で覆われており、狐のような尻尾があり、衣服は着ていない。
素肌が見えている胸には銃で撃たれたような傷があり、鮮血が流れ続けていた。
「これは墜落事故の怪我じゃないな」
「撃たれて逃げて来たってところか」
「意識が戻るまで保護して事情を聞こう。僕はこの船を調べるから、ベガは彼を医務室へ運んでくれる?」
「おう」
傷の治療を終えると、ベガが青年を抱き上げて、船外へ運び出す。
トオヤは小型艇のコンピューターにアクセスして、そこに残るカメラの映像をアルビレオに送った。
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