69 / 99
第6章:作られた生命
第60話:セラフィの能力
しおりを挟む
僕は移民団に加わった子供たちには、のびのびと趣味に向かってほしいと思っている。
新たに加わったセラフィに対しても同じ気持ちで、彼女がやりたいと思う事をさせてあげたい。
まだ来たばかりで何も分からないセラフィを、アイオが艦内見学に行こうと誘っている。
ドレスでは艦内を歩きづらいだろうと察した侍女たちが、膝より少し下くらいの長さのワンピースを作ってくれた。
なかなか気が利くアンドロイドたちだ。
裾を踏む心配が無くなったセラフィは、楽しそうに艦内見学に出かけているよ。
宇宙船アルビレオ号
艦長トオヤ・ユージアライトの日記より
「アイオは私と同じ人工生命体なの?」
「そうですよ」
「アイオはどんな事が好き?」
「トオヤの傍にいる事が好きですよ」
「私も、同じ。トオヤの傍にいるのが好き」
金色の長い髪の美少女セラフィと、銀色の長い髪の美少年アイオ。
まるで男女の双子のように、背格好が似ている2人。
艦長室まで歩いてくると、そこで日記を書いていたトオヤに呼びかけて左右から抱きついた。
「トオヤ! だ~いすき!」
「トオヤ、愛してます」
「これは、地球の古い言葉で『両手に花』っていうのかな?」
抱きつかれたトオヤは、少し照れつつそんな事を言う。
セラフィの事は娘のように思っているが、アイオの事はパートナーと思っている。
最近ではアイオが恋人のように「愛」を囁くようになっていた。
「トオヤ、私もアルビレオの端末になりたい」
「それって、なれるもの?」
「セラフィのスペックなら、探索用端末として活躍出来ますよ」
王家の愛玩用として作られたセラフィは、いざとなれば主人を護れるような能力を与えられていた。
その能力は護身術の他に情報収集や探知に優れていて、フィリウス殿下はセラフィを隠密として使うつもりだったのだろうと推測された。
「では、セラフィを端末として登録・設定しますね」
「はーい」
アイオはセラフィをリクライニングシートに座らせて、背もたれを倒して横たわらせた。
セラフィは素直に従っていて、目を閉じて大人しくしている。
頭部にケーブルが繋がる環が取り付けられ、アルビレオからのアクセスが始まった。
探索用端末・新規登録
名前:セラフィ
種別:人工生命体
性別:女
年齢:0歳 ※見た目の年齢は15歳前後
能力:情報処理、探知、防衛面に優れる
「登録完了しました」
「よろしくね、アルビレオ」
アイオが完了を告げると、セラフィは目を閉じたままアルビレオに声をかける。
セラフィが端末となった事で、アルビレオの情報収集源はトオヤを含めて3つになった。
新たに加わったセラフィに対しても同じ気持ちで、彼女がやりたいと思う事をさせてあげたい。
まだ来たばかりで何も分からないセラフィを、アイオが艦内見学に行こうと誘っている。
ドレスでは艦内を歩きづらいだろうと察した侍女たちが、膝より少し下くらいの長さのワンピースを作ってくれた。
なかなか気が利くアンドロイドたちだ。
裾を踏む心配が無くなったセラフィは、楽しそうに艦内見学に出かけているよ。
宇宙船アルビレオ号
艦長トオヤ・ユージアライトの日記より
「アイオは私と同じ人工生命体なの?」
「そうですよ」
「アイオはどんな事が好き?」
「トオヤの傍にいる事が好きですよ」
「私も、同じ。トオヤの傍にいるのが好き」
金色の長い髪の美少女セラフィと、銀色の長い髪の美少年アイオ。
まるで男女の双子のように、背格好が似ている2人。
艦長室まで歩いてくると、そこで日記を書いていたトオヤに呼びかけて左右から抱きついた。
「トオヤ! だ~いすき!」
「トオヤ、愛してます」
「これは、地球の古い言葉で『両手に花』っていうのかな?」
抱きつかれたトオヤは、少し照れつつそんな事を言う。
セラフィの事は娘のように思っているが、アイオの事はパートナーと思っている。
最近ではアイオが恋人のように「愛」を囁くようになっていた。
「トオヤ、私もアルビレオの端末になりたい」
「それって、なれるもの?」
「セラフィのスペックなら、探索用端末として活躍出来ますよ」
王家の愛玩用として作られたセラフィは、いざとなれば主人を護れるような能力を与えられていた。
その能力は護身術の他に情報収集や探知に優れていて、フィリウス殿下はセラフィを隠密として使うつもりだったのだろうと推測された。
「では、セラフィを端末として登録・設定しますね」
「はーい」
アイオはセラフィをリクライニングシートに座らせて、背もたれを倒して横たわらせた。
セラフィは素直に従っていて、目を閉じて大人しくしている。
頭部にケーブルが繋がる環が取り付けられ、アルビレオからのアクセスが始まった。
探索用端末・新規登録
名前:セラフィ
種別:人工生命体
性別:女
年齢:0歳 ※見た目の年齢は15歳前後
能力:情報処理、探知、防衛面に優れる
「登録完了しました」
「よろしくね、アルビレオ」
アイオが完了を告げると、セラフィは目を閉じたままアルビレオに声をかける。
セラフィが端末となった事で、アルビレオの情報収集源はトオヤを含めて3つになった。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
MASK 〜黒衣の薬売り〜
天瀬純
キャラ文芸
【薬売り“黒衣 漆黒”による現代ファンタジー】
黒い布マスクに黒いスーツ姿の彼“薬売り”が紹介する奇妙な薬たち…。
いくつもの短編を通して、薬売りとの交流を“あらゆる人物視点”で綴られる現代ファンタジー。
ぜひ、お立ち寄りください。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる