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第4章:星の絆
第38話:サイキックの軍事利用
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残留思念感知で得た情報から、アニムスは生まれた村とその付近の森しか知らないと分った僕たちは、手分けして捜索を始めた。
瞬間移動で移動出来るのは、何らかの情報がある場所だけ。
アニムスが自力で行けるのは、村と森の中くらいだ。
村はクレーターと化していて何も無い。
残留思念のアニムスは、そこから逃げ出して森に入っていた。
僕はクレーターと森全体に範囲を拡げてアニムスの思念波を探したけど、感知出来なかった。
もしもアニムスがまた心を閉ざしていたり、意識を失ったりしていたら感知は難しい。
アルビレオ乗組員は、2人1組で森の捜索を続ける。
僕は何か手がかりになるものがないか、アニムスの力が作り上げた陥没の土を調べてみる事にした。
宇宙船アルビレオ号
トオヤ・ユージアライトの日記より
クレーターの中心で屈むと、トオヤは地面に手をかざして残留思念感知を発動する。
アニムスが衣服に残した記憶以外に何か残っていないかと探ってみると、当たりを引く結果となった。
この場所で両親の仇と同じ軍服を着た男たちと遭遇、強い怒りと共に使おうとした力を封じられ、少年は撃たれていた。
残っていた情報はそこまでなので、アニムスの生死は分からない。
けれど、その力を利用しようとする軍人たちが、アニムスを殺すという選択肢は無いだろう。
少年は意識を奪われただけで生きている。
そう予想したトオヤは、アルビレオにアクセスして惑星ミカルドの軍事施設の位置を調べさせた。
軍服のデザインから、兵士たちの所属はアニムスがいた村がある国ではなく、森に隣接する敵対国と判明した。
一方、麻酔銃で撃たれて気を失ったアニムスは、ミカルド星の中でも特にサイキック開発が盛んな軍事研究所に運ばれていた。
「この能力者の思念力は強い。思考調整リングではなく完全支配コネクタを使え」
白衣を着た初老の男性が指示する。
部下と思われる白衣姿の若い男が、短銃に似た形状の器具をアニムスの眉間に当てると、トリガーを引いた。
空気が噴射されたような音と同時に、手術台に横たわる少年の身体が一瞬跳ね上がる。
それは反射的なもので、意識の無いアニムスはすぐに脱力してまた動かなくなった。
「施術完了しました。テストお願いします」
若い男がそう告げて離れると、別の助手が入れ替わりに近付いてアニムスの額に指で触れた。
「起きろ」
命じられた直後、アニムスは目を開けて起き上がる。
その脳と身体は、命令者に支配されていた。
「ついて来い」
歩き出す男の後を、少年は無表情でついて歩き出す。
向かった先はサイキックのトレーニングルー厶だった。
「これを砕いてみろ」
練習用の岩石を指さして、男が命じる。
アニムスの脳は本人の意志とは無関係にサイキックを発動する。
指示された岩石は、粉末に変わるほど正に粉々に砕かれた。
「Aランクだな。すぐ実戦投入可能なレベルだ」
研究チー厶のリーダー、初老の男が満足そうに判定を告げた。
瞬間移動で移動出来るのは、何らかの情報がある場所だけ。
アニムスが自力で行けるのは、村と森の中くらいだ。
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僕はクレーターと森全体に範囲を拡げてアニムスの思念波を探したけど、感知出来なかった。
もしもアニムスがまた心を閉ざしていたり、意識を失ったりしていたら感知は難しい。
アルビレオ乗組員は、2人1組で森の捜索を続ける。
僕は何か手がかりになるものがないか、アニムスの力が作り上げた陥没の土を調べてみる事にした。
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アニムスが衣服に残した記憶以外に何か残っていないかと探ってみると、当たりを引く結果となった。
この場所で両親の仇と同じ軍服を着た男たちと遭遇、強い怒りと共に使おうとした力を封じられ、少年は撃たれていた。
残っていた情報はそこまでなので、アニムスの生死は分からない。
けれど、その力を利用しようとする軍人たちが、アニムスを殺すという選択肢は無いだろう。
少年は意識を奪われただけで生きている。
そう予想したトオヤは、アルビレオにアクセスして惑星ミカルドの軍事施設の位置を調べさせた。
軍服のデザインから、兵士たちの所属はアニムスがいた村がある国ではなく、森に隣接する敵対国と判明した。
一方、麻酔銃で撃たれて気を失ったアニムスは、ミカルド星の中でも特にサイキック開発が盛んな軍事研究所に運ばれていた。
「この能力者の思念力は強い。思考調整リングではなく完全支配コネクタを使え」
白衣を着た初老の男性が指示する。
部下と思われる白衣姿の若い男が、短銃に似た形状の器具をアニムスの眉間に当てると、トリガーを引いた。
空気が噴射されたような音と同時に、手術台に横たわる少年の身体が一瞬跳ね上がる。
それは反射的なもので、意識の無いアニムスはすぐに脱力してまた動かなくなった。
「施術完了しました。テストお願いします」
若い男がそう告げて離れると、別の助手が入れ替わりに近付いてアニムスの額に指で触れた。
「起きろ」
命じられた直後、アニムスは目を開けて起き上がる。
その脳と身体は、命令者に支配されていた。
「ついて来い」
歩き出す男の後を、少年は無表情でついて歩き出す。
向かった先はサイキックのトレーニングルー厶だった。
「これを砕いてみろ」
練習用の岩石を指さして、男が命じる。
アニムスの脳は本人の意志とは無関係にサイキックを発動する。
指示された岩石は、粉末に変わるほど正に粉々に砕かれた。
「Aランクだな。すぐ実戦投入可能なレベルだ」
研究チー厶のリーダー、初老の男が満足そうに判定を告げた。
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