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第2章:水の惑星
第20話:弟子入り
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惑星アクウァへの隕石群衝突は阻止した。
ルウカ様を含め、人々の喜びようはかなりのもので、僕たちはアクウァ人流の胴上げを受けた。
イルカに似た人々の胴上げは、鼻先や頭で押し上げて空中に飛ばすというもの。
けっこう力強くて、筋肉質で大柄なベガですら軽々と空中へ放り上げられ、海に落下する。
それはまるで、ロボット水族館のイルカショーのようだったよ。
僕たちは服がびしょ濡れになるのも構わず、アクウァ式胴上げを楽しんだ。
宇宙船アルビレオ号
艦長トオヤ・ユージアライトの日記より
「父上! 僕は移民団の皆さんと一緒に行きたいです!」
「え?!」
胴上げが終わり、海面で皆が笑い合っていた時、第三王子カールがきらきらした笑顔でそんな事を言い出して、ルウカと人々を驚かせた。
「せっかく滅亡を回避して家族と暮らせるのに、何故ボクたちと一緒に?」
「僕は第三王子だから王位を継がなくていい気楽な立場です。だから自分のやりたい事をやってみたいんです」
アイオの問いに、カールはまたきらきらした笑顔で答える。
その言葉には、しっかりした決意が感じられた。
「やりたい事?」
「僕は、ベガ様に弟子入りしたいんです!」
「へ?!」
カールの弟子入り発言に、聞いたアイオだけでなく、アクウァ人たちと順番にバグしていたベガも驚いた。
「おいおい、俺ァ防壁能力以外は大した事無い、普通の宇宙飛行士だぜ?」
と言うベガはもはや精神感応以外でも普段の口調になっている。
「その防壁を覚えたいんです。僕もいつかベガ様のように、誰かを護れる人になりたいです」
カールはベガの前まで泳いでいくと、水色の宝石みたいな瞳で見上げた。
彼は同調増幅を通してベガのサイキックに触れ、憧れを抱いている。
弟子入りしたいという気持ちは強かった。
「トオヤ、ベガ、あらためて我が子カールの移民団入り、弟子入りをお願い出来ますか?」
夢を抱いた息子を応援したい気持ちになったらしく、ルウカ王までそんな事を言い出す。
「本人が希望するなら、僕は構いませんよ」
トオヤは快諾した。
彼は宇宙飛行士に憧れてパウアに弟子入りした経験があるので、カールの気持ちが理解出来る。
「俺ァそんな、弟子入りされるほど大した人間じゃねぇんだけどな……」
「お願いします」
ベガは困惑気味で頬を掻く。
しかし、白い子イルカにキュルルンとしたアクアマリン色の瞳で見つめ続けられ、やがて陥落した。
「……くっ、可愛すぎて勝てん……わ、分った。弟子にしてやるよ」
「ありがとうベガ様!」
大喜びのカールを加え、移民団は次の星系へ向かう事となった。
旅立ちの日。
カールは白い髪に水色の瞳をもつ人間の姿に変身して、ベガに抱っこされていた。
「移民団の皆さんが、健やかで幸福であるよう祈っています」
イルカ姿のまま海面に浮かぶルウカが、目を細めて微笑みながら言う。
「ありがとうございます。アクウァの皆さんも健やかで幸福に過ごせるようお祈りします」
移民団を代表してトオヤが応える。
ルウカは次にカールに目を向けた。
「我が子よ、いつまでもその優しい心を失くさずに、信じる道を進みなさい」
「はい」
少し目を潤ませながらも笑顔で答えた少年カールを連れて、移民団は海面に浮かぶ小型艇に乗り込む。
ゆっくりと浮上して離れてゆく小型艇から見えるように、アクウァの人々が海面から次々にジャンプして見送った。
ルウカ様を含め、人々の喜びようはかなりのもので、僕たちはアクウァ人流の胴上げを受けた。
イルカに似た人々の胴上げは、鼻先や頭で押し上げて空中に飛ばすというもの。
けっこう力強くて、筋肉質で大柄なベガですら軽々と空中へ放り上げられ、海に落下する。
それはまるで、ロボット水族館のイルカショーのようだったよ。
僕たちは服がびしょ濡れになるのも構わず、アクウァ式胴上げを楽しんだ。
宇宙船アルビレオ号
艦長トオヤ・ユージアライトの日記より
「父上! 僕は移民団の皆さんと一緒に行きたいです!」
「え?!」
胴上げが終わり、海面で皆が笑い合っていた時、第三王子カールがきらきらした笑顔でそんな事を言い出して、ルウカと人々を驚かせた。
「せっかく滅亡を回避して家族と暮らせるのに、何故ボクたちと一緒に?」
「僕は第三王子だから王位を継がなくていい気楽な立場です。だから自分のやりたい事をやってみたいんです」
アイオの問いに、カールはまたきらきらした笑顔で答える。
その言葉には、しっかりした決意が感じられた。
「やりたい事?」
「僕は、ベガ様に弟子入りしたいんです!」
「へ?!」
カールの弟子入り発言に、聞いたアイオだけでなく、アクウァ人たちと順番にバグしていたベガも驚いた。
「おいおい、俺ァ防壁能力以外は大した事無い、普通の宇宙飛行士だぜ?」
と言うベガはもはや精神感応以外でも普段の口調になっている。
「その防壁を覚えたいんです。僕もいつかベガ様のように、誰かを護れる人になりたいです」
カールはベガの前まで泳いでいくと、水色の宝石みたいな瞳で見上げた。
彼は同調増幅を通してベガのサイキックに触れ、憧れを抱いている。
弟子入りしたいという気持ちは強かった。
「トオヤ、ベガ、あらためて我が子カールの移民団入り、弟子入りをお願い出来ますか?」
夢を抱いた息子を応援したい気持ちになったらしく、ルウカ王までそんな事を言い出す。
「本人が希望するなら、僕は構いませんよ」
トオヤは快諾した。
彼は宇宙飛行士に憧れてパウアに弟子入りした経験があるので、カールの気持ちが理解出来る。
「俺ァそんな、弟子入りされるほど大した人間じゃねぇんだけどな……」
「お願いします」
ベガは困惑気味で頬を掻く。
しかし、白い子イルカにキュルルンとしたアクアマリン色の瞳で見つめ続けられ、やがて陥落した。
「……くっ、可愛すぎて勝てん……わ、分った。弟子にしてやるよ」
「ありがとうベガ様!」
大喜びのカールを加え、移民団は次の星系へ向かう事となった。
旅立ちの日。
カールは白い髪に水色の瞳をもつ人間の姿に変身して、ベガに抱っこされていた。
「移民団の皆さんが、健やかで幸福であるよう祈っています」
イルカ姿のまま海面に浮かぶルウカが、目を細めて微笑みながら言う。
「ありがとうございます。アクウァの皆さんも健やかで幸福に過ごせるようお祈りします」
移民団を代表してトオヤが応える。
ルウカは次にカールに目を向けた。
「我が子よ、いつまでもその優しい心を失くさずに、信じる道を進みなさい」
「はい」
少し目を潤ませながらも笑顔で答えた少年カールを連れて、移民団は海面に浮かぶ小型艇に乗り込む。
ゆっくりと浮上して離れてゆく小型艇から見えるように、アクウァの人々が海面から次々にジャンプして見送った。
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