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夢の内容を元に書いたイオ視点の話
第58話:蘇生魔法講習
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説明が足りないメタボ三毛猫人の魔法で飛ばされて、モチと俺は今まで来た事が無い場所に着いた。
「「痛ぇ~!」」
雑な飛ばされ方をしたらしく、ポイッと投げ出される形で尻餅をつく。
「「ここ何処っ?!」」
ハモるのは、2人とも知らない場所って事。
石壁だから、学園本館になってる古城の何処かかもしれない。
「「修行って何するの?」」
互いに知らないと分かりつつ聞いてみる。
その時、尻餅をついたままの尻の下、何かが動いた。
「「!!!」」
慌てて飛び退いたそこには、虫の息になった笹谷先生が倒れてる。
「「だ、大丈夫ですか?!」」
「……問題無い……いつも通りだ……」
心配して聞いてみれば、これが日常だと言う笹谷先生。
「……では……修行を……始めるぞ……」
「「授業じゃなくて修行?!」」
笹谷先生が指導する修行っつったら救命系しか思い浮かばない。
医学部だとAEDの取り扱いとか心肺蘇生法とかで、魔法学部だと聖属性魔法。
モチも俺も、聖魔法系統はまだ何も覚えてない。
「……今日の課題は……モチの召喚獣孵化だ……」
「へ?!」
想定外な課題に、モチがポカンとする。
図書館で召喚獣についての本を読んでた俺は、笹谷先生の課題内容を察した。
モチが育てているのは、赤いタマゴ。
生まれてくるのは、前世と同じ不死鳥だと俺は予想してる。
不死鳥は、老衰死以外なら死者を復活させるという特殊スキルを持つ召喚獣だ。
「……私は今から死ぬから……そこの本で蘇生魔法を覚えて使いまくれ……」
本棚を指で示して、ガクッと力尽きた笹谷先生。
「………」
モチが鼻の穴広げて真顔になった後……
「えええっ?! マジかよ?!」
……慌てて本棚に駆け寄り、本を抜き出すと必死で目を通す。
そして、何か習得した様子。
「死者蘇生!」
モチは起動言語を唱えた。
……が。
「キシャアァァァ~!」
笹谷先生、顔色が土気色で目が白く濁ってる。
蘇生魔法に失敗して、ゾンビになってしまった。
「やばっ!」
焦るモチ。
「もう1回! 死者蘇生! ……ってゾンビ状態だと効かない?!」
もう1回魔法を使おうとして、今は無効と気付いたらしい。
……で、
「上位火魔法!」
火葬しようとした?
しかし火魔法は全然効いてない。
「爆裂魔法!」
モチ、今度は得意の爆裂魔法で。
範囲をゾンビ笹谷先生だけに絞って、威力最大にした魔法で爆散させた。
その後……
「死者蘇生!」
……100回くらい唱えた頃、ようやく笹谷先生の蘇生が成功した。
白い光の粒子が集まって人の形になり、笹谷先生に変わる。
顔色は普段通りに青白いけど、ゾンビ化した時みたいな土気色じゃなくなった。
「モチ、蘇生魔法、何回使った?」
「100回くらいです」
蘇生してすぐ平然とした様子で聞いてくる笹谷先生に、ドッと疲れながら答えるモチ。
「じゃあ、そろそろ孵化しそうだな」
「……ふう……長かった……」
笹谷先生の言葉に、モチがホッと溜息をついた直後……
パキッ!
……何かが割れた音がする。
「?!」
ハッとしてモチが右手を見たら、そこから炎の鳥がフワァッと現れた。
「ピイッ!」
炎の鳥が鳴き声を上げると、その姿はモチの髪と同じ鮮やかな赤色の、孔雀に似た大きな鳥に変わった。
不死鳥の孵化、成功!
モチは、その主人になった。
「ここでの修行は終わりだ。イオにはこれをあげるから、自習で蘇生魔法を覚えなさい」
と言って俺に蘇生魔法の本を手渡した後。
笹谷先生が片手を真横に振ったら、モチと俺の足元に小さい魔法陣が現れる。
……これって、もしかして……
「では、次へ行きなさい」
あ、やっぱり。
モチと俺は、また何処かへ飛ばされた。
「「痛ぇ~!」」
雑な飛ばされ方をしたらしく、ポイッと投げ出される形で尻餅をつく。
「「ここ何処っ?!」」
ハモるのは、2人とも知らない場所って事。
石壁だから、学園本館になってる古城の何処かかもしれない。
「「修行って何するの?」」
互いに知らないと分かりつつ聞いてみる。
その時、尻餅をついたままの尻の下、何かが動いた。
「「!!!」」
慌てて飛び退いたそこには、虫の息になった笹谷先生が倒れてる。
「「だ、大丈夫ですか?!」」
「……問題無い……いつも通りだ……」
心配して聞いてみれば、これが日常だと言う笹谷先生。
「……では……修行を……始めるぞ……」
「「授業じゃなくて修行?!」」
笹谷先生が指導する修行っつったら救命系しか思い浮かばない。
医学部だとAEDの取り扱いとか心肺蘇生法とかで、魔法学部だと聖属性魔法。
モチも俺も、聖魔法系統はまだ何も覚えてない。
「……今日の課題は……モチの召喚獣孵化だ……」
「へ?!」
想定外な課題に、モチがポカンとする。
図書館で召喚獣についての本を読んでた俺は、笹谷先生の課題内容を察した。
モチが育てているのは、赤いタマゴ。
生まれてくるのは、前世と同じ不死鳥だと俺は予想してる。
不死鳥は、老衰死以外なら死者を復活させるという特殊スキルを持つ召喚獣だ。
「……私は今から死ぬから……そこの本で蘇生魔法を覚えて使いまくれ……」
本棚を指で示して、ガクッと力尽きた笹谷先生。
「………」
モチが鼻の穴広げて真顔になった後……
「えええっ?! マジかよ?!」
……慌てて本棚に駆け寄り、本を抜き出すと必死で目を通す。
そして、何か習得した様子。
「死者蘇生!」
モチは起動言語を唱えた。
……が。
「キシャアァァァ~!」
笹谷先生、顔色が土気色で目が白く濁ってる。
蘇生魔法に失敗して、ゾンビになってしまった。
「やばっ!」
焦るモチ。
「もう1回! 死者蘇生! ……ってゾンビ状態だと効かない?!」
もう1回魔法を使おうとして、今は無効と気付いたらしい。
……で、
「上位火魔法!」
火葬しようとした?
しかし火魔法は全然効いてない。
「爆裂魔法!」
モチ、今度は得意の爆裂魔法で。
範囲をゾンビ笹谷先生だけに絞って、威力最大にした魔法で爆散させた。
その後……
「死者蘇生!」
……100回くらい唱えた頃、ようやく笹谷先生の蘇生が成功した。
白い光の粒子が集まって人の形になり、笹谷先生に変わる。
顔色は普段通りに青白いけど、ゾンビ化した時みたいな土気色じゃなくなった。
「モチ、蘇生魔法、何回使った?」
「100回くらいです」
蘇生してすぐ平然とした様子で聞いてくる笹谷先生に、ドッと疲れながら答えるモチ。
「じゃあ、そろそろ孵化しそうだな」
「……ふう……長かった……」
笹谷先生の言葉に、モチがホッと溜息をついた直後……
パキッ!
……何かが割れた音がする。
「?!」
ハッとしてモチが右手を見たら、そこから炎の鳥がフワァッと現れた。
「ピイッ!」
炎の鳥が鳴き声を上げると、その姿はモチの髪と同じ鮮やかな赤色の、孔雀に似た大きな鳥に変わった。
不死鳥の孵化、成功!
モチは、その主人になった。
「ここでの修行は終わりだ。イオにはこれをあげるから、自習で蘇生魔法を覚えなさい」
と言って俺に蘇生魔法の本を手渡した後。
笹谷先生が片手を真横に振ったら、モチと俺の足元に小さい魔法陣が現れる。
……これって、もしかして……
「では、次へ行きなさい」
あ、やっぱり。
モチと俺は、また何処かへ飛ばされた。
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