【画像あり】転生双子の異世界生活~株式会社SETA異世界派遣部・異世界ナーゴ編~

BIRD

文字の大きさ
上 下
313 / 428
夢の内容を元に書いたイオ視点の話

第56話:水神の必中と弓兵の皆さん

しおりを挟む
「そしてもう1つ、イオが持つという身体強化魔法を見せてもらえるかニャ?」

 でっぷり太った三毛猫王様が、俺に視線を向けて言う。

「はい」

 くるだろうなとは思ってたので、俺は特に困惑はせずに即答した。

 歴史上初の夢幻種捕獲に役立った魔法だものね。
 どんなものか見たいという気持ちは分る。

「では、魔法演習場に向かうのニャ」
「分かりました」

 王様と共にみんなゾロゾロ歩いて、お城の敷地の一角にある広場へ移動する。
 あらかじめ命じられてたのか、ズラリと並んだ的と弓兵が待機していた。

「100人に魔法をかけて、どのくらい当たるか見せてほしいニャン」
「よろしくお願いします!」
「しまーす!」

 王様が言った後に続いて、弓兵100人の皆さんが敬礼する。

 あれ?

 なんか1人チビッコ混じってるぞ。

「あの子はうちの末っ子ニャ。今まで的に当てた事が無い子でも当たるか、試してもらう為に呼んだのニャン」

 チビッコを見てたら、王様が説明してくれた。

 末っ子王子も三毛猫人だけど、まだ太ってなくて普通の猫人の子供サイズだ。
 歳はよく分からないけど、雰囲気や身体の大きさから見て、人間でいうと幼稚園児くらいかな?

「では、そちらの準備が良ければ始めてOKニャ」

 って王様に言われたので、俺は魔法をかける為に弓兵さんたちの後方へ歩いてゆく。

「「頑張って~」」

 観客と化したカジュちゃんとリユが、楽しみにしてる様子で応援してる。
 男性陣は狩りで見た事があるから、まあ頑張れよくらいのテンションだ。

「ではいきます~、水神の必中ティアマト!」

 起動言語キーワードに応じて、水の龍が現れる。
 今までの大きさとは比較にならないデカさだ。
 アニメとかに出てくる龍神っぽい。
 まあ100人分ならこんなもんかな?

「「「………デカっ!!!」」」

 声を上げたのは、これまでのサイズを見た事がある3人。
 他の人は圧倒されたのか言葉も出ない。

 水の龍は、弓兵たちと末っ子王子の周りを旋回すると、100の水の玉と化して彼等の身体に吸い込まれた。
 100人全員、水色の淡い光に包まれて、しばし呆然としてる。

「魔法、全員かかりましたよ」

 俺が声をかけたら、彼等はハッと我に返って弓を構えた。

「一斉に、放て!」

 弓兵隊の隊長っぽい猫人が命じて、一斉に矢が放たれた。

 ドドドッ!

 100の矢が、100の的のド真ん中に突き立つ。
 末っ子王子の矢も的中だ。

「わあっ! 凄い、当たったぁ~!」

 真っ先に反応したのは末っ子王子。
 かなり嬉しかったらしく、飛び上がって喜んでる。

 他の弓兵たちは、少し放心したような感じでそれぞれの矢が刺さった的を眺めていた。

「こんな感じで、狙えば当たるっぽいです」

 同じく放心気味の三毛猫国王に、俺は効果を伝えたんだけど……

「……というか、100人まとめて支援魔法がかけられる事に驚きニャ」

 ……王様、違う方向で驚いてたよ。

「え? 100人に身体強化魔法をかけて、結果を見るんでしたよね?」
「何人かに分けてかけると思ってたニャ。一気に100人出来るとは想定外ニャン」

 どうやら、王様と俺のイメージしてた事がズレてたらしい。

 ま、100人結果見れたし、いいよね?
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

悪役令嬢の追放エンド………修道院が無いじゃない!(はっ!?ここを楽園にしましょう♪

naturalsoft
ファンタジー
シオン・アクエリアス公爵令嬢は転生者であった。そして、同じく転生者であるヒロインに負けて、北方にある辺境の国内で1番厳しいと呼ばれる修道院へ送られる事となった。 「きぃーーーー!!!!!私は負けておりませんわ!イベントの強制力に負けたのですわ!覚えてらっしゃいーーーー!!!!!」 そして、目的地まで運ばれて着いてみると……… 「はて?修道院がありませんわ?」 why!? えっ、領主が修道院や孤児院が無いのにあると言って、不正に補助金を着服しているって? どこの現代社会でもある不正をしてんのよーーーーー!!!!!! ※ジャンルをファンタジーに変更しました。

スライム退治専門のさえないおっさんの冒険

守 秀斗
ファンタジー
俺と相棒二人だけの冴えない冒険者パーティー。普段はスライム退治が専門だ。その冴えない日常を語る。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが…… アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。 そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。  実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。  剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。  アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。

死んで全ての凶運を使い果たした俺は異世界では強運しか残ってなかったみたいです。〜最強スキルと強運で異世界を無双します!〜

猫パンチ
ファンタジー
主人公、音峰 蓮(おとみね れん)はとてつもなく不幸な男だった。 ある日、とんでもない死に方をしたレンは気づくと神の世界にいた。 そこには創造神がいて、レンの余りの不運な死に方に同情し、異世界転生を提案する。 それを大いに喜び、快諾したレンは創造神にスキルをもらうことになる。 ただし、スキルは選べず運のみが頼り。 しかし、死んだ時に凶運を使い果たしたレンは強運の力で次々と最強スキルを引いてしまう。 それは創造神ですら引くほどのスキルだらけで・・・ そして、レンは最強スキルと強運で異世界を無双してゆく・・・。

知識スキルで異世界らいふ

チョッキリ
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

処理中です...