【画像あり】転生双子の異世界生活~株式会社SETA異世界派遣部・異世界ナーゴ編~

BIRD

文字の大きさ
上 下
295 / 428
夢の内容を元に書いたイオ視点の話

第38話:火神の激怒

しおりを挟む
 その後もオーク狩りは順調に進んだ。
 各班ごとに狩り数目標を決めてあり、俺たちの班はノルマクリア。
 ノルマに関わらず日没には帰るように先生に言われている。
 まだ早いので、他の班の様子を見回りつつ木の実や果実の採集をして時間潰しだ。

 魔法使いばかりのパーティだけど、全員が転移者なだけあって、みんな難なく狩っている。
 でも多分、効率が一番いいのは敵を集める前衛と、強力な範囲攻撃を持つ魔法使いがいる俺たちの班なんだろうね。
 他の班はノルマ半分まできたところだった。

「こっち終わったから手伝うよ」

 魔法学部トップの火力を誇るモチが入るだけで、狩りペースが倍以上速くなる。
 加勢に入った班はすぐにノルマクリアして、他の班の手伝いに向かう。

 オークはそんなに大群にはならないので、こちらの手数が多くなったら前衛いらなくなった。

 俺めっちゃ暇になったぞ。

 見つけて即倒されてゆくオークの標的になる必要が無く、ブラブラと森を散策しつつ木の実なんか採集したり。

 しばらく歩いていたら、今までのと違うオークと遭遇した。

 肌の色が黒いオーク。
 今まで狩ったのはピンクっぽい普通の豚の肌色だったけど。
 こいつは黒豚みたいに真っ黒だ。

(レア系かな? みんなのところまで釣って行って狩ってもらうか)

 そう思って標的になるように近付いて行って、ふと思いついた。

(身体強化魔法、試してみよう)

 使う前、普段の自分の能力を調べる為に、剣を抜いて攻撃してみた。

「ブヒ?」

 なんだお前? って顔されたよ。

 子供の身体では大した力は無いらしく、斬り付けても黒オークは平然としてる。

「ブヒヒッ」

 獲物がノコノコ近付いてきやがったとか思ってそうな顔された。

 でも、黒オークの攻撃も俺にはダメージにならない。

 ブンッ!

 スカッ☆

 棍棒で殴りつけてきたけど、全く当たらない。

 このままだと、黒オークが去るか俺が逃げるかしないと戦闘は終わらない感じ。

 身体強化魔法でどのくらい変わるのか?

 習得してまだ1回も使ってない魔法の実験だ。

火神の激怒イグニス!」

 魔法発動のキーワードを言ってみた。

 紅蓮の炎で出来た鳥が現れた。

 炎の鳥は俺の周囲をぐるんと周回すると、身体の中に吸い込まれてゆく。
 炎は触れても温かいと感じる程度で、身体に吸い込まれたら内側から温められてる感じがする。

 ふと右手に持つ剣を見たら、熱した鉄みたいに赤く光ってる。

(この魔法、ダメージUPの効果だったよね)

 自分の記憶を確認して、その効果を確かめる為、再度オークに斬りかかってみた。

「!!!」

 攻撃を食らった黒オークが、物凄く驚いたみたいな顔をする。
 最初の攻撃とは次元が違う。
 斬られた黒オークの傷口も赤い光に覆われたと思ったら、白目を剥いてドオッ!と倒れてしまった。

「………」

 倒れた黒オークを前に、俺しばし呆然。

 ………え? 一撃?

 こいつそんなに弱かったの?

 まさか倒せてしまうとは思ってなかったので、かなり困惑しつつ異空間倉庫ストレージに収納。
 回れ右して皆がいるところへ向かう。

 黒オークは強いのか弱いのか?

 初めて自分で倒した魔物なので、その強さのレベルが分からない。
 帰ったらロッサ先生に聞いてみよう。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【完結】蓬莱の鏡〜若返ったおっさんが異世界転移して狐人に救われてから色々とありまして〜

月城 亜希人
ファンタジー
二〇二一年初夏六月末早朝。 蝉の声で目覚めたカガミ・ユーゴは加齢で衰えた体の痛みに苦しみながら瞼を上げる。待っていたのは虚構のような現実。 呼吸をする度にコポコポとまるで水中にいるかのような泡が生じ、天井へと向かっていく。 泡を追って視線を上げた先には水面らしきものがあった。 ユーゴは逡巡しながらも水面に手を伸ばすのだが――。 おっさん若返り異世界ファンタジーです。

のほほん異世界暮らし

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。 それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

調子に乗りすぎて処刑されてしまった悪役貴族のやり直し自制生活 〜ただし自制できるとは言っていない〜

EAT
ファンタジー
「どうしてこうなった?」 優れた血統、高貴な家柄、天賦の才能────生まれときから勝ち組の人生により調子に乗りまくっていた侯爵家嫡男クレイム・ブラッドレイは殺された。 傍から見ればそれは当然の報いであり、殺されて当然な悪逆非道の限りを彼は尽くしてきた。しかし、彼はなぜ自分が殺されなければならないのか理解できなかった。そして、死ぬ間際にてその答えにたどり着く。簡単な話だ………信頼し、友と思っていた人間に騙されていたのである。 そうして誰もにも助けてもらえずに彼は一生を終えた。意識が薄れゆく最中でクレイムは思う。「願うことならば今度の人生は平穏に過ごしたい」と「決して調子に乗らず、謙虚に慎ましく穏やかな自制生活を送ろう」と。 次に目が覚めればまた新しい人生が始まると思っていたクレイムであったが、目覚めてみればそれは10年前の少年時代であった。 最初はどういうことか理解が追いつかなかったが、また同じ未来を繰り返すのかと絶望さえしたが、同時にそれはクレイムにとって悪い話ではなかった。「同じ轍は踏まない。今度は全てを投げ出して平穏なスローライフを送るんだ!」と目標を定め、もう一度人生をやり直すことを決意する。 しかし、運命がそれを許さない。 一度目の人生では考えられないほどの苦難と試練が真人間へと更生したクレイムに次々と降りかかる。果たしてクレイムは本当にのんびり平穏なスローライフを遅れるのだろうか? ※他サイトにも掲載中

冒険者学園の落ちこぼれ、異世界人に憑依されて無双する

BIRD
ファンタジー
クラスメイトからいじめられる日々を送る少年アルキオネ。 いじめっ子たちはダンジョン研修の際に、アルキオネに謎の魔法陣の上に立つことを強要する。 それはランダムで変な呪いを付与する魔法陣として知られるものだった。 嫌がるアルキオネがいじめっ子たちに突き飛ばされて魔法陣の上に倒れたとき、魔法陣は輝き、何かが体内に入り込んだ。 『え? ここ何処? まさか異世界転生か?!』 知らない何者かの声が脳内に響く。 同時に、知らない世界の記憶が流れ込んできた。 アルキオネに憑依したのは星野昴流という異世界人で、トラックに轢かれて転生したらしい。 昴流が入り込んで以来、アルキオネは身体の支配権を奪われ、自分の意思とは無関係に行動し、思ってもいないことを喋り、いじめっ子たちを返り討ちにするほど飛び抜けた身体能力や魔法の才能を得ていく。 異世界転生で知らない人の身体に入っちゃった転生者と、それを見守る本来の身体の持ち主。 ダブル視点でお送りします。 ※第5回次世代ファンタジーカップにエントリー予定です。 2025.3.1 登場人物紹介とPROLOGUEを公開

とあるおっさんのVRMMO活動記

椎名ほわほわ
ファンタジー
VRMMORPGが普及した世界。 念のため申し上げますが戦闘も生産もあります。 戦闘は生々しい表現も含みます。 のんびりする時もあるし、えぐい戦闘もあります。 また一話一話が3000文字ぐらいの日記帳ぐらいの分量であり 一人の冒険者の一日の活動記録を覗く、ぐらいの感覚が お好みではない場合は読まれないほうがよろしいと思われます。 また、このお話の舞台となっているVRMMOはクリアする事や 無双する事が目的ではなく、冒険し生きていくもう1つの人生が テーマとなっているVRMMOですので、極端に戦闘続きという 事もございません。 また、転生物やデスゲームなどに変化することもございませんので、そのようなお話がお好みの方は読まれないほうが良いと思われます。

俺だけが持つユニークスキル《完全記憶能力》で無双する

シア07
ファンタジー
主人公、レン・クロニクスと幼馴染である、サクヤが一緒に買い物へ行っている時だった。 『ユニークスキル《完全記憶能力》の封印が解除されました』 という機械のような声が聞こえ、突如頭が痛みだす。 その後すぐ周りが急に暗くなり、頭の中に数々の映像が見せられた。 男女の怪しげな会話。 サクヤとの子供時代の会話。 つい最近出来事など様々だった。 そしてレンはそれをみて気づく。 ――これがレン自身の記憶であることを。 さらにその記憶は。 「なんで、全部覚えてるんだ……」 忘れることがなかった。 ずっと覚えている。 行動も時間もなにもかもすべて。 これがレンだけが持つ、最強のユニークスキル《完全記憶能力》の能力だった。 ※他サイトでも連載しています

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...