279 / 428
夢の内容を元に書いたイオ視点の話
第22話:魔法はノリと勢いで発動する
しおりを挟む
「よ~し授業始めるぞ~」
先生が入って来た。
って、ここのクラス担任、松本係長なのか。
体育学部で審判してたから、あっちの担任かと思ってたら、違った。
担任は魔法学部のクラスで、体育学部には格闘技系の審判と指導に入ってるらしい。
「今日はモチとイオが初授業だから、とりあえずみんな自分が覚えた魔法を使って見せてやれ」
…お? みんなの魔法が見れる?
でも普通は自己紹介からなんでは?
って思ってたら…
「ここのクラス、我が社の人間ばかりだから自己紹介は省略で」
…省略されちゃったよ。
まあ、既に知ってる人に自己紹介しなくていいよね。
異世界転移して目を覚ましたのはモチと俺が最後で、他のメンバーは魔法が使えるところまで進んでる。
みんな順番に、覚えた魔法を使って見せてくれた。
魔法の練習は屋外で。
「ファイヤボール!」
野球ボールくらいの火球を飛ばす子。
「アイスニードル!」
鋭く尖った氷の刃を複数飛ばす子。
「ストーンブラスト!」
鉄砲玉みたいに小石を複数飛ばす子。
「ストーム!」
突風を起こして的を吹き飛ばしちゃう子。
…うん、ゲームやアニメでお馴染みの属性魔法だね。
ちなみに、江原が使う蘇生魔法はみんなの予想通り聖属性だ。
「係長!俺も魔法使ってみていいスか?」
モチ、みんなを見てたら魔法発動のコツが掴めた様子。
「爆裂系って攻撃魔法か? 試していいぞ。 あと、ここでは係長じゃなくて先生と呼べ」
「はーい!」
後半にツッコミを含みつつ許可する松本係長あらため松本先生。
わくわくしながら練習用の広場に入るモチ。
「そうだ、ついでにイオの完全回避とかいうのも見せてみろ」
「え?」
いきなり思いついたみたいに言われたんだけど。
「あそこの的の隣に立ってろ」
「…マジっすか」
「心配無い、我がクラスには優秀な蘇生魔法使いがいる」
「それって死なないと使えないんじゃ…」
「大丈夫、もしも死にかけだったらトドメさしてやる」
松本先生、俺の扱い雑じゃない?
軽く困惑しつつ俺も広場へ。
「モチ、魔法はイメージ、発動はノリと勢いだ。やってみろ」
「いっきまぁす!」
ノリノリなモチが、発動させた魔法は…
「自爆!」
…ちゅど~んっっ!!!
爆発音が響いた。
…が。
「………へ?!」
的の隣に立ってる俺、ポカーン。
えーと…
俺、無傷。
隣にある的も、無傷。
「モチどこいった?!」
魔法を使ったモチが消えた。
他の生徒たちも、困惑しながらキョロキョロと辺りを見回してる。
フーッと溜息ついたのは、松本先生。
「……江原、モチに蘇生魔法かけてやれ」
「はい」
松本先生に言われ、江原が蘇生魔法を起動した。
「死者蘇生!」
聖属性のトップクラスの魔法なだけあって、その魔法の発動は神々しかった。
江原の周囲に金色の光の粒子が舞って、それが集まり人の形になったと思ったら、モチに変わった。
「……………」
動揺してるらしく、鼻の穴広げて真顔で固まってるモチ。
「モチ、お前さっき何した?」
俺は聞いてみた。
モチはしばらく考えて、思い出して、答えた。
「爆発する魔法をイメージしたら、浮かんだのがあの魔法だった…」
「………アホか。自爆してどうする」
ツッコミを入れたのは、松本先生。
その日、モチは禁断の魔法【自爆】を覚えた。
先生が入って来た。
って、ここのクラス担任、松本係長なのか。
体育学部で審判してたから、あっちの担任かと思ってたら、違った。
担任は魔法学部のクラスで、体育学部には格闘技系の審判と指導に入ってるらしい。
「今日はモチとイオが初授業だから、とりあえずみんな自分が覚えた魔法を使って見せてやれ」
…お? みんなの魔法が見れる?
でも普通は自己紹介からなんでは?
って思ってたら…
「ここのクラス、我が社の人間ばかりだから自己紹介は省略で」
…省略されちゃったよ。
まあ、既に知ってる人に自己紹介しなくていいよね。
異世界転移して目を覚ましたのはモチと俺が最後で、他のメンバーは魔法が使えるところまで進んでる。
みんな順番に、覚えた魔法を使って見せてくれた。
魔法の練習は屋外で。
「ファイヤボール!」
野球ボールくらいの火球を飛ばす子。
「アイスニードル!」
鋭く尖った氷の刃を複数飛ばす子。
「ストーンブラスト!」
鉄砲玉みたいに小石を複数飛ばす子。
「ストーム!」
突風を起こして的を吹き飛ばしちゃう子。
…うん、ゲームやアニメでお馴染みの属性魔法だね。
ちなみに、江原が使う蘇生魔法はみんなの予想通り聖属性だ。
「係長!俺も魔法使ってみていいスか?」
モチ、みんなを見てたら魔法発動のコツが掴めた様子。
「爆裂系って攻撃魔法か? 試していいぞ。 あと、ここでは係長じゃなくて先生と呼べ」
「はーい!」
後半にツッコミを含みつつ許可する松本係長あらため松本先生。
わくわくしながら練習用の広場に入るモチ。
「そうだ、ついでにイオの完全回避とかいうのも見せてみろ」
「え?」
いきなり思いついたみたいに言われたんだけど。
「あそこの的の隣に立ってろ」
「…マジっすか」
「心配無い、我がクラスには優秀な蘇生魔法使いがいる」
「それって死なないと使えないんじゃ…」
「大丈夫、もしも死にかけだったらトドメさしてやる」
松本先生、俺の扱い雑じゃない?
軽く困惑しつつ俺も広場へ。
「モチ、魔法はイメージ、発動はノリと勢いだ。やってみろ」
「いっきまぁす!」
ノリノリなモチが、発動させた魔法は…
「自爆!」
…ちゅど~んっっ!!!
爆発音が響いた。
…が。
「………へ?!」
的の隣に立ってる俺、ポカーン。
えーと…
俺、無傷。
隣にある的も、無傷。
「モチどこいった?!」
魔法を使ったモチが消えた。
他の生徒たちも、困惑しながらキョロキョロと辺りを見回してる。
フーッと溜息ついたのは、松本先生。
「……江原、モチに蘇生魔法かけてやれ」
「はい」
松本先生に言われ、江原が蘇生魔法を起動した。
「死者蘇生!」
聖属性のトップクラスの魔法なだけあって、その魔法の発動は神々しかった。
江原の周囲に金色の光の粒子が舞って、それが集まり人の形になったと思ったら、モチに変わった。
「……………」
動揺してるらしく、鼻の穴広げて真顔で固まってるモチ。
「モチ、お前さっき何した?」
俺は聞いてみた。
モチはしばらく考えて、思い出して、答えた。
「爆発する魔法をイメージしたら、浮かんだのがあの魔法だった…」
「………アホか。自爆してどうする」
ツッコミを入れたのは、松本先生。
その日、モチは禁断の魔法【自爆】を覚えた。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
幽子さんの謎解きレポート~しんいち君と霊感少女幽子さんの実話を元にした本格心霊ミステリー~
しんいち
キャラ文芸
オカルト好きの少年、「しんいち」は、小学生の時、彼が通う合気道の道場でお婆さんにつれられてきた不思議な少女と出会う。
のちに「幽子」と呼ばれる事になる少女との始めての出会いだった。
彼女には「霊感」と言われる、人の目には見えない物を感じ取る能力を秘めていた。しんいちはそんな彼女と友達になることを決意する。
そして高校生になった二人は、様々な怪奇でミステリアスな事件に関わっていくことになる。 事件を通じて出会う人々や経験は、彼らの成長を促し、友情を深めていく。
しかし、幽子にはしんいちにも秘密にしている一つの「想い」があった。
その想いとは一体何なのか?物語が進むにつれて、彼女の心の奥に秘められた真実が明らかになっていく。
友情と成長、そして幽子の隠された想いが交錯するミステリアスな物語。あなたも、しんいちと幽子の冒険に心を躍らせてみませんか?
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
Duo in Uno(デュオ・イン・ウノ)〜2人で1人の勇者の冒険〜
とろろ
ファンタジー
滅びゆく世界で、人々の感情を取り戻すために戦う者達がいた....。
主人公アストリアは、感情を象徴する「魂」を回収し世界を救う使命を背負う若き戦士。彼の体には、自分とは別人格の弟"セラフィス"が宿っている。強力なスキャニング能力を発揮して彼をサポートする特殊な存在だ。(第二部から2人は分離します)
人間味溢れるリーダーのアストリア、心優しく冷静沈着なセラフィス、いつも陽気でムードメーカーのドワーフのローハン、情に厚く仲間想いな女盗賊のマチルダ、それに頼れる魔法使いのおじさんのギルバート....
性格も能力も異なる仲間達は、時に対立しながらも、ミノタウロスの魔王、ゾグナス等の強敵や困難に立ち向かっていく。
これは、過去の傷に囚われながらも新たな絆を築き、心の闇を乗り越えていく仲間達の成長の物語です。冒険と戦いの中で「人間らしさ」を問い直していきます。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)
荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」
俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」
ハーデス 「では……」
俺 「だが断る!」
ハーデス 「むっ、今何と?」
俺 「断ると言ったんだ」
ハーデス 「なぜだ?」
俺 「……俺のレベルだ」
ハーデス 「……は?」
俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」
ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」
俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」
ハーデス 「……正気……なのか?」
俺 「もちろん」
異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。
たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!
前世の記憶で異世界を発展させます!~のんびり開発で世界最強~
櫻木零
ファンタジー
20XX年。特にこれといった長所もない主人公『朝比奈陽翔』は二人の幼なじみと充実した毎日をおくっていた。しかしある日、朝起きてみるとそこは異世界だった!?異世界アリストタパスでは陽翔はグランと名付けられ、生活をおくっていた。陽翔として住んでいた日本より生活水準が低く、人々は充実した生活をおくっていたが元の日本の暮らしを知っている陽翔は耐えられなかった。「生活水準が低いなら前世の知識で発展させよう!」グランは異世界にはなかったものをチートともいえる能力をつかい世に送り出していく。そんなこの物語はまあまあ地頭のいい少年グランの異世界建国?冒険譚である。小説家になろう様、カクヨム様、ノベマ様、ツギクル様でも掲載させていただいております。そちらもよろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる