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前世編
第79話:痛覚封印
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その後も、エカは創造神の指示するままに爆裂魔法を使い続けた。
爆裂魔法も他の魔法と同じで、使えば使うほど威力や効率が上がるらしい。
魔法を使う対象は、最初は黒い玉で動いたりしなかったけど、やがて対象は様々な形や動きをするものに変わっていった。
動くものは逃げることもあれば、エカに向かってくることもあった。
『痛みを消す支援魔法を使いなさい』
「はい!」
創造神は修行に容赦無くて、攻撃対象から反撃を食らって流血するエカに、痛みを感じなくなる魔法を使うよう指示する。
「痛覚封印!」
学園で学んでいたから、エカはすぐそれを使った。
その支援魔法は、戦闘中に負傷した魔法使いたちが、集中力を途切れさせない為に使うもの。
傷を治すわけではないから流血は続いてるけど、エカは痛みを感じなくなった。
矢のようなものを飛ばしてくる黒い人型を、矢が刺さっても動じなくなったエカが爆散させた。
『本来は生命力を半分ほど消費したところで止め、翌日にまた修行に来るのだが……』
再び生命力を使い切って倒れたエカに、創造神の【声】は聞こえてない。
『……不死鳥の主となれば、短期間で成長出来るのだな』
グッタリしたエカを翼で抱いて蘇生するボクに、創造神が言う。
今回の修行で、ボクは分った事がある。
エカは、自分の死に対する恐怖感が無い。
『それ以上使えば心臓が止まると分かってるのに、どうして魔法を使えるの?』
意識が戻ったエカに、ボクは聞いてみた。
いくら蘇生してもらえると分かってても、こんなに躊躇いなく生命力を使い切れるものかな?
『フラムを信じてるのもあるけど、苦痛が無いからかなぁ』
『爆裂魔法の使い手は、死に対する恐怖感や、死ぬ際の苦痛が無いのだよ』
ボンヤリしながら答えるエカに、創造神がそのワケを告げる。
爆裂魔法は、魔王とそれに従う魔族にのみ使うもの。
使う事を躊躇っていたら、敵を倒す前に倒されたり捕獲されたりしてしまう。
だからエカは、命を削る魔法の使用に躊躇いが無い者として創られたらしい。
『もう1つの爆裂魔法は、今は使わなくてよい。起動言語の設定のみ済ませておきなさい』
創造神の【声】が新たな指示を出す。
使わなくてよいと言われた魔法が何か、エカもボクも知ってる。
エカが設定した起動言語は【存在の完全破壊】。
使用者の肉体が消滅する代わりに、発動する唯一無二の極大魔法。
魔王と呼ばれる者を、破壊する魔法だ。
爆裂魔法も他の魔法と同じで、使えば使うほど威力や効率が上がるらしい。
魔法を使う対象は、最初は黒い玉で動いたりしなかったけど、やがて対象は様々な形や動きをするものに変わっていった。
動くものは逃げることもあれば、エカに向かってくることもあった。
『痛みを消す支援魔法を使いなさい』
「はい!」
創造神は修行に容赦無くて、攻撃対象から反撃を食らって流血するエカに、痛みを感じなくなる魔法を使うよう指示する。
「痛覚封印!」
学園で学んでいたから、エカはすぐそれを使った。
その支援魔法は、戦闘中に負傷した魔法使いたちが、集中力を途切れさせない為に使うもの。
傷を治すわけではないから流血は続いてるけど、エカは痛みを感じなくなった。
矢のようなものを飛ばしてくる黒い人型を、矢が刺さっても動じなくなったエカが爆散させた。
『本来は生命力を半分ほど消費したところで止め、翌日にまた修行に来るのだが……』
再び生命力を使い切って倒れたエカに、創造神の【声】は聞こえてない。
『……不死鳥の主となれば、短期間で成長出来るのだな』
グッタリしたエカを翼で抱いて蘇生するボクに、創造神が言う。
今回の修行で、ボクは分った事がある。
エカは、自分の死に対する恐怖感が無い。
『それ以上使えば心臓が止まると分かってるのに、どうして魔法を使えるの?』
意識が戻ったエカに、ボクは聞いてみた。
いくら蘇生してもらえると分かってても、こんなに躊躇いなく生命力を使い切れるものかな?
『フラムを信じてるのもあるけど、苦痛が無いからかなぁ』
『爆裂魔法の使い手は、死に対する恐怖感や、死ぬ際の苦痛が無いのだよ』
ボンヤリしながら答えるエカに、創造神がそのワケを告げる。
爆裂魔法は、魔王とそれに従う魔族にのみ使うもの。
使う事を躊躇っていたら、敵を倒す前に倒されたり捕獲されたりしてしまう。
だからエカは、命を削る魔法の使用に躊躇いが無い者として創られたらしい。
『もう1つの爆裂魔法は、今は使わなくてよい。起動言語の設定のみ済ませておきなさい』
創造神の【声】が新たな指示を出す。
使わなくてよいと言われた魔法が何か、エカもボクも知ってる。
エカが設定した起動言語は【存在の完全破壊】。
使用者の肉体が消滅する代わりに、発動する唯一無二の極大魔法。
魔王と呼ばれる者を、破壊する魔法だ。
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