199 / 428
前世編
第77話:アズの身体強化魔法
しおりを挟む
「魔王に正体を知られたのはアズだけだニャ?」
「はい」
王様との状況確認。
森で魔王の分身と会った時、エカとソナは離れて様子を見ていただけで、魔法は使ってない。
ローズとエアは学園内にいて、普通の生徒として授業を受けていた。
アズだけが至近距離の魔法を回避したり瞬時に移動したりするなど、普通の猫人には無い戦闘能力を見られている。
「そういえば、アズが瞬間移動したあれは何?」
エカは森での事を思い出して聞いた。
完全回避ならよく知ってる。
でもあの時、アズは瞬時に移動するという、今まで見た事がない動きをしていた。
「【風神の息吹】。身体強化魔法だよ」
「水神の必中と同じ、神様が稀に1人だけに授ける古代魔法だニャ」
アズの答えに、王様が説明を加えてくれた。
古代魔法なんて、アズはいつどこで習得したんだろう?
「もしかして、アズはあと2つも習得しているのかニャ?」
「はい」
何か知ってるらしい王様の問いに、アズが頷く。
あと2つって何だろう?
「【火神の激怒】と【地神の慈悲】も習得済みです」
アズが告げる魔法は、エカが知らないものばかりだ。
エカは攻撃魔法だけじゃなく、様々な支援系魔法も授業を受けたり図書館で調べたりして習得してる。
でもアズが今言った支援魔法は見かけた事が無かった。
水の神様が【水神の必中】を授けたように、アズは他の神様に会って授かったのかな?
「つまり、アズは四柱の属性神様たち、全員に会ったんだニャ?」
「はい。タマが会わせてくれました」
……タマって誰?
エカが鼻の穴広げて真顔になる。
ソナも話についていけなくてキョトンとしていた。
エカもボクも、学園に来てからのアズをほとんど知らない。
分ってるのは図書館に通ってる事と、夜間訓練をしてる事だけだ。
「なるほどニャ……強化合宿の生徒だけでドラゴンを倒せたのは、その魔法を使ったからだニャ?」
「はい。使うなとは言われなかったので」
ニヤッと悪い顔をする王様に、平然とした顔でアズが答える。
補習が必要な生徒たちがドラゴンを倒すなんて、支援効果が飛び抜けてる気がするよ?
「四柱の神々の強化魔法を得たのなら、アズはそろそろ動く時だニャ」
王様の意味深な言葉に、エカたちはもちろん、アズ本人も首を傾げる。
「アズールに命じる。風神の息吹を使い、この地図の場所を全て偵察してくるのニャ」
そう命じられて手渡される地図を、アズがじっと見つめる。
強化合宿で学園の外に出た経験があるからか、完全回避があるからか、不安は感じてないみたいだ。
「わかりました。ルル、仔犬に戻って」
「ワンッ」
アズは落ち着いていて、白いワンピース姿で寄り添う子供ルルに声をかける。
ルルは素直に従い、仔犬に変身して答えた。
脱げたワンピースを収納する異空間倉庫は、ドラゴン討伐のご褒美にアズが貰ったものだ。
「何か見つけたら、念話でエカたちに報せてニャ」
「はい」
答えた直後、仔犬ルルを懐に入れたアズはその場から消える。
起動言語を発声せずに風神の息吹を使えると知ったのは、もう少し後の事だった。
「王様、俺は?!」
アズだけが任務を与えられる事に疑問を感じて、エカは聞いた。
エカもアズも、魔王に対抗するために生まれた事は里に居た頃から聞かされている。
「エカには、アズが魔王の注意を引き付けている間にやってほしい事があるニャン」
そう言うと、王様はエカにも指示を出した。
「はい」
王様との状況確認。
森で魔王の分身と会った時、エカとソナは離れて様子を見ていただけで、魔法は使ってない。
ローズとエアは学園内にいて、普通の生徒として授業を受けていた。
アズだけが至近距離の魔法を回避したり瞬時に移動したりするなど、普通の猫人には無い戦闘能力を見られている。
「そういえば、アズが瞬間移動したあれは何?」
エカは森での事を思い出して聞いた。
完全回避ならよく知ってる。
でもあの時、アズは瞬時に移動するという、今まで見た事がない動きをしていた。
「【風神の息吹】。身体強化魔法だよ」
「水神の必中と同じ、神様が稀に1人だけに授ける古代魔法だニャ」
アズの答えに、王様が説明を加えてくれた。
古代魔法なんて、アズはいつどこで習得したんだろう?
「もしかして、アズはあと2つも習得しているのかニャ?」
「はい」
何か知ってるらしい王様の問いに、アズが頷く。
あと2つって何だろう?
「【火神の激怒】と【地神の慈悲】も習得済みです」
アズが告げる魔法は、エカが知らないものばかりだ。
エカは攻撃魔法だけじゃなく、様々な支援系魔法も授業を受けたり図書館で調べたりして習得してる。
でもアズが今言った支援魔法は見かけた事が無かった。
水の神様が【水神の必中】を授けたように、アズは他の神様に会って授かったのかな?
「つまり、アズは四柱の属性神様たち、全員に会ったんだニャ?」
「はい。タマが会わせてくれました」
……タマって誰?
エカが鼻の穴広げて真顔になる。
ソナも話についていけなくてキョトンとしていた。
エカもボクも、学園に来てからのアズをほとんど知らない。
分ってるのは図書館に通ってる事と、夜間訓練をしてる事だけだ。
「なるほどニャ……強化合宿の生徒だけでドラゴンを倒せたのは、その魔法を使ったからだニャ?」
「はい。使うなとは言われなかったので」
ニヤッと悪い顔をする王様に、平然とした顔でアズが答える。
補習が必要な生徒たちがドラゴンを倒すなんて、支援効果が飛び抜けてる気がするよ?
「四柱の神々の強化魔法を得たのなら、アズはそろそろ動く時だニャ」
王様の意味深な言葉に、エカたちはもちろん、アズ本人も首を傾げる。
「アズールに命じる。風神の息吹を使い、この地図の場所を全て偵察してくるのニャ」
そう命じられて手渡される地図を、アズがじっと見つめる。
強化合宿で学園の外に出た経験があるからか、完全回避があるからか、不安は感じてないみたいだ。
「わかりました。ルル、仔犬に戻って」
「ワンッ」
アズは落ち着いていて、白いワンピース姿で寄り添う子供ルルに声をかける。
ルルは素直に従い、仔犬に変身して答えた。
脱げたワンピースを収納する異空間倉庫は、ドラゴン討伐のご褒美にアズが貰ったものだ。
「何か見つけたら、念話でエカたちに報せてニャ」
「はい」
答えた直後、仔犬ルルを懐に入れたアズはその場から消える。
起動言語を発声せずに風神の息吹を使えると知ったのは、もう少し後の事だった。
「王様、俺は?!」
アズだけが任務を与えられる事に疑問を感じて、エカは聞いた。
エカもアズも、魔王に対抗するために生まれた事は里に居た頃から聞かされている。
「エカには、アズが魔王の注意を引き付けている間にやってほしい事があるニャン」
そう言うと、王様はエカにも指示を出した。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説

調子に乗りすぎて処刑されてしまった悪役貴族のやり直し自制生活 〜ただし自制できるとは言っていない〜
EAT
ファンタジー
「どうしてこうなった?」
優れた血統、高貴な家柄、天賦の才能────生まれときから勝ち組の人生により調子に乗りまくっていた侯爵家嫡男クレイム・ブラッドレイは殺された。
傍から見ればそれは当然の報いであり、殺されて当然な悪逆非道の限りを彼は尽くしてきた。しかし、彼はなぜ自分が殺されなければならないのか理解できなかった。そして、死ぬ間際にてその答えにたどり着く。簡単な話だ………信頼し、友と思っていた人間に騙されていたのである。
そうして誰もにも助けてもらえずに彼は一生を終えた。意識が薄れゆく最中でクレイムは思う。「願うことならば今度の人生は平穏に過ごしたい」と「決して調子に乗らず、謙虚に慎ましく穏やかな自制生活を送ろう」と。
次に目が覚めればまた新しい人生が始まると思っていたクレイムであったが、目覚めてみればそれは10年前の少年時代であった。
最初はどういうことか理解が追いつかなかったが、また同じ未来を繰り返すのかと絶望さえしたが、同時にそれはクレイムにとって悪い話ではなかった。「同じ轍は踏まない。今度は全てを投げ出して平穏なスローライフを送るんだ!」と目標を定め、もう一度人生をやり直すことを決意する。
しかし、運命がそれを許さない。
一度目の人生では考えられないほどの苦難と試練が真人間へと更生したクレイムに次々と降りかかる。果たしてクレイムは本当にのんびり平穏なスローライフを遅れるのだろうか?
※他サイトにも掲載中

のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する
美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」
御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。
ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。
✳︎不定期更新です。
21/12/17 1巻発売!
22/05/25 2巻発売!
コミカライズ決定!
20/11/19 HOTランキング1位
ありがとうございます!
とあるおっさんのVRMMO活動記
椎名ほわほわ
ファンタジー
VRMMORPGが普及した世界。
念のため申し上げますが戦闘も生産もあります。
戦闘は生々しい表現も含みます。
のんびりする時もあるし、えぐい戦闘もあります。
また一話一話が3000文字ぐらいの日記帳ぐらいの分量であり
一人の冒険者の一日の活動記録を覗く、ぐらいの感覚が
お好みではない場合は読まれないほうがよろしいと思われます。
また、このお話の舞台となっているVRMMOはクリアする事や
無双する事が目的ではなく、冒険し生きていくもう1つの人生が
テーマとなっているVRMMOですので、極端に戦闘続きという
事もございません。
また、転生物やデスゲームなどに変化することもございませんので、そのようなお話がお好みの方は読まれないほうが良いと思われます。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
世界中にダンジョンが出来た。何故か俺の部屋にも出来た。
阿吽
ファンタジー
クリスマスの夜……それは突然出現した。世界中あらゆる観光地に『扉』が現れる。それは荘厳で魅惑的で威圧的で……様々な恩恵を齎したそれは、かのファンタジー要素に欠かせない【ダンジョン】であった!
※カクヨムにて先行投稿中

俺だけが持つユニークスキル《完全記憶能力》で無双する
シア07
ファンタジー
主人公、レン・クロニクスと幼馴染である、サクヤが一緒に買い物へ行っている時だった。
『ユニークスキル《完全記憶能力》の封印が解除されました』
という機械のような声が聞こえ、突如頭が痛みだす。
その後すぐ周りが急に暗くなり、頭の中に数々の映像が見せられた。
男女の怪しげな会話。
サクヤとの子供時代の会話。
つい最近出来事など様々だった。
そしてレンはそれをみて気づく。
――これがレン自身の記憶であることを。
さらにその記憶は。
「なんで、全部覚えてるんだ……」
忘れることがなかった。
ずっと覚えている。
行動も時間もなにもかもすべて。
これがレンだけが持つ、最強のユニークスキル《完全記憶能力》の能力だった。
※他サイトでも連載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる