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前世編
第67話:埋め込む魔道具
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動植物学部、飼育棟。
気絶した仔犬を連れて戻ると、白衣姿の生徒たちが駆け寄り、魔道具で仔犬の状態をチェックした。
「ああ良かった。身体に異常は無いね」
「見つけてくれてありがとう。発見が遅かったらこの子は死んでた筈よ」
診察台に寝かされた仔犬はグッタリして動かないけど、一時的に意識を失っただけで怪我は無いみたい。
「間に合って良かった」
アズが、ホッとした表情で仔犬を撫でた。
ここへ連れて来た者として、アズは仔犬に対して保護者みたいな気持ちがあるらしい。
「さっきのあれは魔物?」
「あれは魔族対策に国から依頼されて研究している生物だよ」
エカが聞いたらモモンが教えてくれた。
仔犬を絞め殺そうとしていた動く蔓は、魔族用なのか。
「魔族はダメージを受けると脱皮して回復するものが多いから、それを阻止する為に研究してるの」
「首に近付けると反応して締め付けが始まるから、あれを首に巻いたりしないでね」
「多分、誰も首に巻こうとは思わないかも……」
白衣の生徒たちに説明されて、エカたちは苦笑した。
ウネウネ動く怪しさ溢れる蔓を首に巻こうなんて変人は、多分いないよね?
って思ってたら……
「チャデ、巻いちゃダメだからね?」
「お、おう」
ハッとして言うクロエに、チャデがギクッとしたように答える。
……首に巻いてみようと考える変人が、そこにいた。
チャデは、危ないと言われると試してみたくなるタイプなのかな?
「仔犬だけじゃなく、チャデもあの蔓に近付かないように見張りがいるかもね」
マリンが苦笑して言った。
一方、診察台の上に寝かせている仔犬を診ていた人たちは……
「そうだ、あれを着けるなら今のうちよ」
「うん、気絶してる今がちょうどいいね」
……何か思いついたらしい。
白衣の生徒たちは棚から細い筒状の魔道具を出して来て、仔犬の背中にその筒先を当てる。
パシュッという何か吹き出たような音がして、仔犬の身体が一瞬ピクッと反応したけど、目を覚ます様子は無かった。
「今のは?」
「飼育棟の子たちが着けてる、居場所を知らせる超小型魔道具だよ」
「異世界人が開発した便利アイテムなの」
興味深そうに覗き込むエカたちに、白衣の生徒の1人が教えてくれた。
それを着けていれば、脱走してもすぐ見つけられるらしい。
「これでどこにいてもすぐ見つけられるわ」
「ガウガウしてなかなか着けさせてくれなかったから、アズに頼もうかと思ってたのよ」
「呼んでくれたらいつでも手伝いに行くよ」
仔犬をケージの中に寝かせながら、白衣の生徒たちはホッとしたように話す。
アズはお手伝いする事になりそうだ。
「また様子を見に来るね」
「食べさせる肉が必要なら、獲ってくるよ」
仔犬のお世話は彼女たちにお任せして、エカたちは飼育棟を出た。
ガウガウ仔犬、懐いてくれるといいね。
気絶した仔犬を連れて戻ると、白衣姿の生徒たちが駆け寄り、魔道具で仔犬の状態をチェックした。
「ああ良かった。身体に異常は無いね」
「見つけてくれてありがとう。発見が遅かったらこの子は死んでた筈よ」
診察台に寝かされた仔犬はグッタリして動かないけど、一時的に意識を失っただけで怪我は無いみたい。
「間に合って良かった」
アズが、ホッとした表情で仔犬を撫でた。
ここへ連れて来た者として、アズは仔犬に対して保護者みたいな気持ちがあるらしい。
「さっきのあれは魔物?」
「あれは魔族対策に国から依頼されて研究している生物だよ」
エカが聞いたらモモンが教えてくれた。
仔犬を絞め殺そうとしていた動く蔓は、魔族用なのか。
「魔族はダメージを受けると脱皮して回復するものが多いから、それを阻止する為に研究してるの」
「首に近付けると反応して締め付けが始まるから、あれを首に巻いたりしないでね」
「多分、誰も首に巻こうとは思わないかも……」
白衣の生徒たちに説明されて、エカたちは苦笑した。
ウネウネ動く怪しさ溢れる蔓を首に巻こうなんて変人は、多分いないよね?
って思ってたら……
「チャデ、巻いちゃダメだからね?」
「お、おう」
ハッとして言うクロエに、チャデがギクッとしたように答える。
……首に巻いてみようと考える変人が、そこにいた。
チャデは、危ないと言われると試してみたくなるタイプなのかな?
「仔犬だけじゃなく、チャデもあの蔓に近付かないように見張りがいるかもね」
マリンが苦笑して言った。
一方、診察台の上に寝かせている仔犬を診ていた人たちは……
「そうだ、あれを着けるなら今のうちよ」
「うん、気絶してる今がちょうどいいね」
……何か思いついたらしい。
白衣の生徒たちは棚から細い筒状の魔道具を出して来て、仔犬の背中にその筒先を当てる。
パシュッという何か吹き出たような音がして、仔犬の身体が一瞬ピクッと反応したけど、目を覚ます様子は無かった。
「今のは?」
「飼育棟の子たちが着けてる、居場所を知らせる超小型魔道具だよ」
「異世界人が開発した便利アイテムなの」
興味深そうに覗き込むエカたちに、白衣の生徒の1人が教えてくれた。
それを着けていれば、脱走してもすぐ見つけられるらしい。
「これでどこにいてもすぐ見つけられるわ」
「ガウガウしてなかなか着けさせてくれなかったから、アズに頼もうかと思ってたのよ」
「呼んでくれたらいつでも手伝いに行くよ」
仔犬をケージの中に寝かせながら、白衣の生徒たちはホッとしたように話す。
アズはお手伝いする事になりそうだ。
「また様子を見に来るね」
「食べさせる肉が必要なら、獲ってくるよ」
仔犬のお世話は彼女たちにお任せして、エカたちは飼育棟を出た。
ガウガウ仔犬、懐いてくれるといいね。
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