174 / 428
前世編
第52話:探知魔法と精神魔法
しおりを挟む
「王様、お城に図書館みたいなものはある?」
「書庫だニャ。魔法関係ならこの練習場の隣の建物にあるニャン」
「本を借りに行ってもいい?」
「もちろんニャ」
魔法練習を終えた後、エカは王様にお願いした。
ソナの辛い記憶は、まだ全てが消えたわけじゃない。
昨夜の出来事を警戒して、エカはソナを護る魔法を探しに行った。
「来ると思ってたよ」
書庫ではジャミ様が待っていた。
「どれ、ばぁばがこんな時に役立つ魔法を伝授してあげようかね」
そう言うと、ジャミ様は本棚がある方へ手をかざした。
「探知」
起動言語で発動したのは、探し物を見つける初歩の魔法。
手から白い光が伸びて、求める物がある場所まで導いてくれる。
ジャミ様は光が示す方へ歩いてゆくと、本棚から1冊の魔法書を取り出して戻って来た。
「今の魔法はこの本に載ってるよ。他にも罠探知、毒探知、敵探知もあるから、2人で一緒に覚えておきな」
「「はい」」
エカと揃って答えたソナは、早速見た魔法を再現し始める。
「わたし、侍女さんたちが使ってた魔法も覚えたい……探知」
ソナの手から光の筋が伸びる。
それを辿って、ソナは求める魔法書を見つけた。
【制作魔法の基礎と応用】
そんなタイトルが書いてある魔法書には、侍女さんたちが使っていた衣服を作る魔法も載ってる。
「ばぁば、これ借りてもいい?」
「ああいいよ。いろんな物が作れるように勉強しな」
ソナが聞いたら、ジャミ様は快諾してくれた。
ソナが持つ魔法理解のギフトは、実はエカも持ってる。
ジャミ様が使ってみせた魔法は、エカもすぐ使えるようになった。
「探知」
見つけたい物を思い浮かべて、エカが起動言語を言う。
エカは手から伸びた白い光を辿り、1冊の本を棚から取り出した。
【精神魔法の基礎と応用】
そんなタイトルの本の内容は、召喚獣が使う念話と同じ、声を出さずに意志を伝える魔法を基本に、相手の精神に干渉する魔法が多かった。
その中の1つが、まさにエカが求める魔法だ。
「この本、お借りします」
「いいよ、持って行きな」
ジャミ様の許可を得て、エカは本を持ち帰った。
エカが求めるのは、夢や記憶に干渉する魔法だ。
昨夜ボクがしたように、ソナの悪夢に入って助けたいと考えているみたいだよ。
ボクの場合は、ソナが死亡または仮死状態の時のみ干渉出来る。
つまり、昨夜みたいに心臓が止まってからしか助けられない。
エカは、そうなる前にソナを助けたいんだ。
その日の夜も、エカとソナは寄り添ってベッドに入った。
昨夜はソナが懇願しての添い寝だったけど、今夜はエカからの添い寝希望だ。
「ソナが怖い夢を見たらすぐ助けられるように、傍にいるよ」
「ありがとう。エカ、大好き」
エカに腕枕してもらったソナは、安心して眠りに落ちる。
その額に口元を寄せて、エカは魔法を発動した。
『癒しの夢』
音声ではなく、念話で言う起動言語。
エカは、ソナが見始めた夢に自らの魔力を染み込ませた。
「書庫だニャ。魔法関係ならこの練習場の隣の建物にあるニャン」
「本を借りに行ってもいい?」
「もちろんニャ」
魔法練習を終えた後、エカは王様にお願いした。
ソナの辛い記憶は、まだ全てが消えたわけじゃない。
昨夜の出来事を警戒して、エカはソナを護る魔法を探しに行った。
「来ると思ってたよ」
書庫ではジャミ様が待っていた。
「どれ、ばぁばがこんな時に役立つ魔法を伝授してあげようかね」
そう言うと、ジャミ様は本棚がある方へ手をかざした。
「探知」
起動言語で発動したのは、探し物を見つける初歩の魔法。
手から白い光が伸びて、求める物がある場所まで導いてくれる。
ジャミ様は光が示す方へ歩いてゆくと、本棚から1冊の魔法書を取り出して戻って来た。
「今の魔法はこの本に載ってるよ。他にも罠探知、毒探知、敵探知もあるから、2人で一緒に覚えておきな」
「「はい」」
エカと揃って答えたソナは、早速見た魔法を再現し始める。
「わたし、侍女さんたちが使ってた魔法も覚えたい……探知」
ソナの手から光の筋が伸びる。
それを辿って、ソナは求める魔法書を見つけた。
【制作魔法の基礎と応用】
そんなタイトルが書いてある魔法書には、侍女さんたちが使っていた衣服を作る魔法も載ってる。
「ばぁば、これ借りてもいい?」
「ああいいよ。いろんな物が作れるように勉強しな」
ソナが聞いたら、ジャミ様は快諾してくれた。
ソナが持つ魔法理解のギフトは、実はエカも持ってる。
ジャミ様が使ってみせた魔法は、エカもすぐ使えるようになった。
「探知」
見つけたい物を思い浮かべて、エカが起動言語を言う。
エカは手から伸びた白い光を辿り、1冊の本を棚から取り出した。
【精神魔法の基礎と応用】
そんなタイトルの本の内容は、召喚獣が使う念話と同じ、声を出さずに意志を伝える魔法を基本に、相手の精神に干渉する魔法が多かった。
その中の1つが、まさにエカが求める魔法だ。
「この本、お借りします」
「いいよ、持って行きな」
ジャミ様の許可を得て、エカは本を持ち帰った。
エカが求めるのは、夢や記憶に干渉する魔法だ。
昨夜ボクがしたように、ソナの悪夢に入って助けたいと考えているみたいだよ。
ボクの場合は、ソナが死亡または仮死状態の時のみ干渉出来る。
つまり、昨夜みたいに心臓が止まってからしか助けられない。
エカは、そうなる前にソナを助けたいんだ。
その日の夜も、エカとソナは寄り添ってベッドに入った。
昨夜はソナが懇願しての添い寝だったけど、今夜はエカからの添い寝希望だ。
「ソナが怖い夢を見たらすぐ助けられるように、傍にいるよ」
「ありがとう。エカ、大好き」
エカに腕枕してもらったソナは、安心して眠りに落ちる。
その額に口元を寄せて、エカは魔法を発動した。
『癒しの夢』
音声ではなく、念話で言う起動言語。
エカは、ソナが見始めた夢に自らの魔力を染み込ませた。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
トレジャーキッズ
著:剣 恵真/絵・編集:猫宮 りぃ
ファンタジー
だらだらと自堕落な生活から抜け出すきっかけをどこかで望んでいた。
ただ、それだけだったのに……
自分の存在は何のため?
何のために生きているのか?
世界はどうしてこんなにも理不尽にあふれているのか?
苦悩する子どもと親の物語です。
非日常を体験した、命のやり取りをした、乗り越える困難の中で築かれてゆくのは友情と絆。
まだ見えない『何か』が大切なものだと気づけた。
※更新は週一・日曜日公開を目標
何かございましたら、Twitterにて問い合わせください。
【1】のみ自費出版販売をしております。
追加で修正しているため、全く同じではありません。
できるだけ剣恵真さんの原文と世界観を崩さないように直しておりますが、もう少しうまいやり方があるようでしたら教えていただけるとありがたいです。(担当:猫宮りぃ)

魔神として転生した~身にかかる火の粉は容赦なく叩き潰す~
あめり
ファンタジー
ある日、相沢智司(アイザワサトシ)は自らに秘められていた力を開放し、魔神として異世界へ転生を果たすことになった。強大な力で大抵の願望は成就させることが可能だ。
彼が望んだものは……順風満帆な学園生活を送りたいというもの。15歳であり、これから高校に入る予定であった彼にとっては至極自然な願望だった。平凡過ぎるが。
だが、彼の考えとは裏腹に異世界の各組織は魔神討伐としての牙を剥き出しにしていた。身にかかる火の粉は、自分自身で払わなければならない。智司の望む、楽しい学園生活を脅かす存在はどんな者であろうと容赦はしない!
強大過ぎる力の使い方をある意味で間違えている転生魔神、相沢智司。その能力に魅了された女性陣や仲間たちとの交流を大切にし、また、住処を襲う輩は排除しつつ、人間世界へ繰り出します!
※番外編の「地球帰還の魔神~地球へと帰った智司くんはそこでも自由に楽しみます~」というのも書いています。よろしければそちらもお楽しみください。本編60話くらいまでのネタバレがあるかも。

領地育成ゲームの弱小貴族 ~底辺から前世の知識で国強くしてたらハーレムできてた~
黒おーじ
ファンタジー
16歳で弱小領地を継いだ俺には前世の記憶があった。ここは剣と魔法の領地育成系シュミレーションゲームに似た世界。700人の領民へ『ジョブ』を与え、掘削や建設の指令を出し、魔境や隣の領土を攻めたり、王都警護の女騎士やエルフの長を妻にしたりと領地繁栄に努めた。成長していく産業、兵力、魔法、資源……やがて弱小とバカにされていた辺境ダダリは王国の一大勢力へと上り詰めていく。
※ハーレム要素は無自覚とかヌルいことせずにガチ。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる