【画像あり】転生双子の異世界生活~株式会社SETA異世界派遣部・異世界ナーゴ編~

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前世編

第45話:幸せを探すソナ

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「私に名前を付けてくれて、ありがとう」

 幸福という意味の名前を貰った女の子、ソナは嬉しそうに微笑んで言った。

「楽しい事、いっぱい見つけよう。今度の休みに街を案内しようか?」
「うん! 異世界の街ってどんなところか見てみたい!」

 すっかり仲良しな2人を、王様や医務室の先生、パーティメンバーが微笑ましく思いつつ眺めている。

「ソナも学園に入学するかニャ?」
「わたし、エカと同じクラスに入りたい」
「エカは魔法学部の高等部、攻撃魔法科だニャン。中位攻撃魔法を覚えないといけないニャ」

 それを聞くと、ソナはションボリしてしまった。

「…魔法…わかんない…」
「エカに教えてもらえばいいニャン」
「そっか! エカ、わたしに魔法を教えて!」
「いいよ」

 王様の提案で、ソナは再び笑顔になってエカにお願いした。
 エカはもちろん快諾だ。

「ではエカにお城へのフリーパスを渡すニャン。ソナの家庭教師をしに来てあげてニャ」
「はい」

 フリーパスはブレスレット型で、心の中で願うだけで転送される魔道具だった。

「ソナは学園入学前は、私の娘としてお城に住むニャン」
「…エカも、一緒がいい…」

 お城暮らしと言われたソナは、エカをギューッと抱き締めて言う。
 今の彼女は、エカから離れるのが不安みたいだ。

「じゃあ、エカも一緒に来るニャ」
「へ?!」

 あっさり言う王様に、エカは鼻の穴広げて真顔になる。

「お~行ってこい」
「卒検は受かったから明日から自由登校だぜ」

 廊下でずっと見守っていた、ダイキチさんとチャデが笑って言った。
 巨大タワバを討伐成功したエカたちは、卒業検定合格。
 授業を受けるか否かは自由となっていた。

「ソナはこの世界に来たばかりで不安な筈よ。傍に居てあげて」
「いってらっしゃ~い」

 クロエとマリンも微笑んで言う。
 これはもう行くしかないんだろうね。

「分った、ソナについて行くよ」

 エカは抱きついてるソナをシッポで撫でて言った。

「ありがとう! 大好き!」

 ソナは嬉しそうに言って、エカの頬にキスしたよ。
 ニホン人はそういう事は滅多にしない民族って聞いてたけど、違うのかな?
 多分エカが猫人の姿だから、異性としてそんなに意識しないのかもしれない。
 エカも少し照れてはいたけど、大人みたいに異性を意識し過ぎる事は無かった。


「では3人一緒に移動ニャ」

 王様が転送陣を展開して手招きする。
 エカとソナは手を繋いでその中に入った。

 エカ、まさかのお城生活開始。
 寮にはいつでも来れるから、そのまま手ぶらで向かった。

『ベノワ~、エカはしばらくお城にお泊りするから、アズに伝えてね』
『え?!』

 唐突に念話を送ったら、ベノワがビックリしてた。
 アズも今頃ビックリしてるのかな?
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