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転生者モチ編
第26話:ミッション前のレッスン(画像あり)
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学園内に潜む魔王の部下を見つけ出して捕獲。
そんな国家任務を引き受ける事になった俺たち。
「おかえり~パパと話せたかニャ?」
「「王様と謁見なんて聞いてないけど?」」
転送陣で戻って来た俺たちを呑気に出迎える三毛猫学園長。
気品とか高貴な感じとか全然無いけど、この猫人って王族なのか。
「あれ? 言ってなかったかニャ? テヘッ☆」
「お肉のダルマさんがテヘッて言っても全然可愛くないから」
テヘペロでごまかそうとする学園長に、カジュちゃんが言う。
その台詞、ストレートに肉ダルマと言ってるようなもんだよな。
「……カジュは時々言う事が辛辣ニャ……」
「でも嘘は言ってないと思います」
猫耳を真横に向けて、学園長で王子なメタボ三毛猫人が半目になる。
そこへ追い打ちをかけるのが妹ちゃんだ。
学園長は半目を通り越し、糸目になってイジケてしまった。
「で、王様から魔王の部下を捕まえてほしいって言われたんですけど」
「うん、その話は聞いてるニャン」
イジケる学園長にお構いなしに本題に戻す江原。
学園長は開き直って本題に入った。
「そいつが学園の何処に潜んでいるのか、ジャミが水晶玉で探ってるところニャ」
「居場所が分かったら、捕まえに行けばいいんですね」
「でも、勇者たちがまだ未完成だから、まずは修行してもらうニャン」
「「…へ?!」」
学園長の言葉に驚いてハモる、俺とイオ。
……修行って何するの?
って思ってたら、足元に小さめの魔法陣が現れた。
「先生方のスタンバイOKみたいだニャ」
「「って、どこへ飛ばす気?!」」
「行けば分るニャン」
足元の魔法陣の光が強まる。
慌てる俺たちに、お構いなしな学園長。
「では、行くがいいニャン!」
「「詳しい説明は無いんかーいっ!」」
学園長が片手を振ると、俺とイオは何処かへ飛ばされた。
◇◆◇◆◇
説明が足りない学園長の魔法で飛ばされて、俺たちは知らない部屋の中に来た。
雑な飛ばされ方をしたらしく、ポイッと投げ出される形で尻餅をつく俺。
イオは完全回避効果が働いて、軽やかに着地した。
「「ここ何処っ?!」」
ハモりつつ、2人で辺りを見回す。
石壁だから、学園本館になってる古城の何処かかもしれない。
「「修行って何するの?」」
互いに知らないと分かりつつ聞いてみる。
その時、尻餅をついたままの俺の尻の下で、何かが動いた。
慌てて飛び退いたそこには、虫の息になった笹谷先生が倒れている。
「「だ、大丈夫ですか?!」」
「……問題無い……いつも通りだ……」
心配して聞いてみれば、これが日常だと言う笹谷先生。
虚弱の極みなんてパッシブスキルのせいで、日本にいた頃よりも身体が弱くなった人だ。
「……では……修行を……始めるぞ……」
「「授業じゃなくて修行?!」」
「……今日の課題は……モチの召喚獣孵化だ……」
「へ?!」
想定外な課題に、俺はポカンとした。
俺が魔力を注いで温めている、赤いタマゴを孵化させるの?
イツキとホムラは、生まれてくるのは不死鳥だろうと言っていた。
不死鳥は、老衰死以外なら死者を復活させるという特殊スキルを持つ召喚獣だ。
「……私は今から死ぬから……そこの本で蘇生魔法を覚えて使いまくれ……」
本棚を指で示した後、パタッとその手が床に落ちて、笹谷先生は動かなくなった。
……え?
蘇生魔法?
「えええっ?! マジかよ?!」
俺は慌てて本棚に駆け寄り、笹谷先生が指差した棚から【蘇生魔法書】を抜き出すと必死で目を通す。
江原が使ってるやつの下位タイプだ。
「死者蘇生!」
俺は起動言語を唱えた。
……が。
「キシャアァァァ~!」
笹谷先生は、顔色が土気色で目が白く濁った状態で起き上がった。
蘇生魔法失敗?!
ゾンビ化?!
「もう1回! 死者蘇生! ……ってゾンビ状態だと効かない?!」
もう1回蘇生魔法を使おうとしたんだけど、ゾンビ状態だと無効らしい。
どうしよう? 火葬してから使う?
「上位火魔法!」
しかし火魔法は全然効いてない。
だめか。
じゃあ、爆破しよう。
「爆裂魔法!」
範囲をゾンビ笹谷先生だけに絞って、爆裂魔法で爆散させる。
これは効果あり、蘇生魔法が有効になった。
その後……
「死者蘇生!」
……100回くらい唱えた頃、ようやく笹谷先生の蘇生が成功した。
白い光の粒子が集まって人の形になり、笹谷先生に変わる。
顔色は普段通りに青白いけど、ゾンビ化した時みたいな土気色じゃなくなった。
「モチ、蘇生魔法、何回使った?」
「100回くらいです」
蘇生してすぐ平然とした様子で聞いてくる笹谷先生。
俺は、疲労困憊で答えた。
「じゃあ、そろそろ孵化しそうだな」
笹谷先生の言葉に、ホッと溜息をついた直後……
パキッ!
……右手の方から何かが割れた音がする。
ハッとして右手を見たら、そこから炎の鳥がフワァッと現れた。
『転生者、ボクを目覚めさせてくれてありがとう!』
頭の中に声が響いた。
炎の鳥は、ホムラと同じ不死鳥の姿に変わった。
『ボクの名はフラム。前世の君に仕えていた不死鳥だよ』
俺の髪や瞳と同じ、赤色をもつ召喚獣。
その名を聞いた時、俺は心の奥底で懐かしさを感じた。
「ここでの修行は終わりだ」
と言いながら笹谷先生が片手を真横に振った。
俺たちの足元に小さい魔法陣が現れる。
「では、次へ行きなさい」
俺たちは、また何処かへ飛ばされた。
そんな国家任務を引き受ける事になった俺たち。
「おかえり~パパと話せたかニャ?」
「「王様と謁見なんて聞いてないけど?」」
転送陣で戻って来た俺たちを呑気に出迎える三毛猫学園長。
気品とか高貴な感じとか全然無いけど、この猫人って王族なのか。
「あれ? 言ってなかったかニャ? テヘッ☆」
「お肉のダルマさんがテヘッて言っても全然可愛くないから」
テヘペロでごまかそうとする学園長に、カジュちゃんが言う。
その台詞、ストレートに肉ダルマと言ってるようなもんだよな。
「……カジュは時々言う事が辛辣ニャ……」
「でも嘘は言ってないと思います」
猫耳を真横に向けて、学園長で王子なメタボ三毛猫人が半目になる。
そこへ追い打ちをかけるのが妹ちゃんだ。
学園長は半目を通り越し、糸目になってイジケてしまった。
「で、王様から魔王の部下を捕まえてほしいって言われたんですけど」
「うん、その話は聞いてるニャン」
イジケる学園長にお構いなしに本題に戻す江原。
学園長は開き直って本題に入った。
「そいつが学園の何処に潜んでいるのか、ジャミが水晶玉で探ってるところニャ」
「居場所が分かったら、捕まえに行けばいいんですね」
「でも、勇者たちがまだ未完成だから、まずは修行してもらうニャン」
「「…へ?!」」
学園長の言葉に驚いてハモる、俺とイオ。
……修行って何するの?
って思ってたら、足元に小さめの魔法陣が現れた。
「先生方のスタンバイOKみたいだニャ」
「「って、どこへ飛ばす気?!」」
「行けば分るニャン」
足元の魔法陣の光が強まる。
慌てる俺たちに、お構いなしな学園長。
「では、行くがいいニャン!」
「「詳しい説明は無いんかーいっ!」」
学園長が片手を振ると、俺とイオは何処かへ飛ばされた。
◇◆◇◆◇
説明が足りない学園長の魔法で飛ばされて、俺たちは知らない部屋の中に来た。
雑な飛ばされ方をしたらしく、ポイッと投げ出される形で尻餅をつく俺。
イオは完全回避効果が働いて、軽やかに着地した。
「「ここ何処っ?!」」
ハモりつつ、2人で辺りを見回す。
石壁だから、学園本館になってる古城の何処かかもしれない。
「「修行って何するの?」」
互いに知らないと分かりつつ聞いてみる。
その時、尻餅をついたままの俺の尻の下で、何かが動いた。
慌てて飛び退いたそこには、虫の息になった笹谷先生が倒れている。
「「だ、大丈夫ですか?!」」
「……問題無い……いつも通りだ……」
心配して聞いてみれば、これが日常だと言う笹谷先生。
虚弱の極みなんてパッシブスキルのせいで、日本にいた頃よりも身体が弱くなった人だ。
「……では……修行を……始めるぞ……」
「「授業じゃなくて修行?!」」
「……今日の課題は……モチの召喚獣孵化だ……」
「へ?!」
想定外な課題に、俺はポカンとした。
俺が魔力を注いで温めている、赤いタマゴを孵化させるの?
イツキとホムラは、生まれてくるのは不死鳥だろうと言っていた。
不死鳥は、老衰死以外なら死者を復活させるという特殊スキルを持つ召喚獣だ。
「……私は今から死ぬから……そこの本で蘇生魔法を覚えて使いまくれ……」
本棚を指で示した後、パタッとその手が床に落ちて、笹谷先生は動かなくなった。
……え?
蘇生魔法?
「えええっ?! マジかよ?!」
俺は慌てて本棚に駆け寄り、笹谷先生が指差した棚から【蘇生魔法書】を抜き出すと必死で目を通す。
江原が使ってるやつの下位タイプだ。
「死者蘇生!」
俺は起動言語を唱えた。
……が。
「キシャアァァァ~!」
笹谷先生は、顔色が土気色で目が白く濁った状態で起き上がった。
蘇生魔法失敗?!
ゾンビ化?!
「もう1回! 死者蘇生! ……ってゾンビ状態だと効かない?!」
もう1回蘇生魔法を使おうとしたんだけど、ゾンビ状態だと無効らしい。
どうしよう? 火葬してから使う?
「上位火魔法!」
しかし火魔法は全然効いてない。
だめか。
じゃあ、爆破しよう。
「爆裂魔法!」
範囲をゾンビ笹谷先生だけに絞って、爆裂魔法で爆散させる。
これは効果あり、蘇生魔法が有効になった。
その後……
「死者蘇生!」
……100回くらい唱えた頃、ようやく笹谷先生の蘇生が成功した。
白い光の粒子が集まって人の形になり、笹谷先生に変わる。
顔色は普段通りに青白いけど、ゾンビ化した時みたいな土気色じゃなくなった。
「モチ、蘇生魔法、何回使った?」
「100回くらいです」
蘇生してすぐ平然とした様子で聞いてくる笹谷先生。
俺は、疲労困憊で答えた。
「じゃあ、そろそろ孵化しそうだな」
笹谷先生の言葉に、ホッと溜息をついた直後……
パキッ!
……右手の方から何かが割れた音がする。
ハッとして右手を見たら、そこから炎の鳥がフワァッと現れた。
『転生者、ボクを目覚めさせてくれてありがとう!』
頭の中に声が響いた。
炎の鳥は、ホムラと同じ不死鳥の姿に変わった。
『ボクの名はフラム。前世の君に仕えていた不死鳥だよ』
俺の髪や瞳と同じ、赤色をもつ召喚獣。
その名を聞いた時、俺は心の奥底で懐かしさを感じた。
「ここでの修行は終わりだ」
と言いながら笹谷先生が片手を真横に振った。
俺たちの足元に小さい魔法陣が現れる。
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