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転生者モチ編
第47話:召喚獣の絆(画像あり)
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この世界には、召喚獣を得る方法が2つある。
1つは、魔法協会が提供する属性卵を孵化させること。
動植物学部の召喚獣たちは、その経緯で得られたものだ。
過去の生徒の中に強運の持ち主がいて、ガラポン抽選会で特賞を当てたのが始まりだったらしい。
以降、動植物学部は魔法協会から定期的に卵を購入している。
その強運の持ち主というのが当時学生だったロッサ先生で、魔法協会の会長とはその時からの縁だとか(だからあの丸投げだったんだな)。
もう1つは、神獣たちから卵や子供を託されること。
これは世界樹の民が創造神の眷属だから可能な方法で、イオの召喚獣ベノワと俺の召喚獣フラムは、前世で父さんと母さんが神獣の里で託された雛たちだ。
召喚獣は、自らの運命に関わる人との絆を結ぶ。
卵を孵化させた者が他の誰かにそれを譲渡すれば、孵化させた者と譲渡された者の両方に。
神獣の里から託された雛が誰かに譲渡されれば、里から連れてきた者と譲渡された者の両方に。
そうして絆が出来れば、召喚獣は主人以外の人の居場所を知ったり、自分の居場所を知らせたりできた。
何も言わずに出て行ってしまったイオ。
その行方は、母さんとソナなら召喚獣を通して知ることができた。
「ルビイ、イオが今どこにいるか分かる?」
「うん。今はアサケ学園の学園長室にいるよ」
ソナの問いかけに答えるのは不死鳥ルビイ。
ルビイはアズが子供の頃にガラポン抽選会で得た属性卵から孵化した子で、アズからソナに贈られた召喚獣だ。
だからアズの魂との絆があり、イオの居場所も知ることができる。
アズが死んだ時にルビイが飛び出して遺体に辿り着いたのも、その絆によるものだった。
「ちょっと行ってくる」
居場所を聞いた俺は、すぐに転移魔法を使った。
学園内なら俺がよく知る場所、転移魔法で行き来できる。
大人の姿だと目立つから、6歳児の姿に戻って学園内へ移動した。
「所属学部の変更をお願い出来ますか? 俺には攻撃魔法は使えないみたいだから、体育学部の武道科に移籍したいです」
「攻撃魔法科から武道科への移籍、受理したニャン」
学園長室の前に転移したら、そんな会話が聞こえてきた。
イオは学園には在席するみたいだ。
「ありがとうございます。寮は出て、自宅から通います」
「では、通学にはこの転移ブレスレットを使うといいニャ」
学園には在席するけど、寮からはいなくなるのか。
彼が言う「自宅」を、学園長は世界樹の里にある実家だと思っているのかもしれない。
でも、昨夜出ていったばかりのイオが、実家に帰ってくるだろうか?
多分、彼の言う「自宅」はアサギリ島の家だ。
「ありがとうございます。俺の荷物は今日中に片付けますね」
「モチ……今はエカだったニャ、彼も引っ越しかニャ?」
「それは、まだ聞いてないです」
会話の内容が俺に関することになったので、ちょうどいいタイミングだと思った俺は扉をノックした。
「失礼します」
と声がけして入ると、どっしりした造りの机と椅子、椅子に座るでっぷり太った三毛猫学園長、机を挟んで学園長の前に立つ青い髪の子供がいた。
「ちょうどいいところに来たニャ、エカも自宅から通うのかニャ?」
「いえ、俺は過去に攻撃魔法科を卒業しているので、学園を出て冒険者になります」
「美術講師のアルバイトはどうするかニャ?」
「冒険者のクエスト中は来られなくなるので、そちらも退職します」
「受理するニャン」
「では俺も寮の荷物を片付けますね」
学園長と話している間に、イオはいなくなった。
部屋を片付けに行ったんだろうと思って、俺もすぐ向かったのに……
……部屋から、イオも荷物も消えていた。
1つは、魔法協会が提供する属性卵を孵化させること。
動植物学部の召喚獣たちは、その経緯で得られたものだ。
過去の生徒の中に強運の持ち主がいて、ガラポン抽選会で特賞を当てたのが始まりだったらしい。
以降、動植物学部は魔法協会から定期的に卵を購入している。
その強運の持ち主というのが当時学生だったロッサ先生で、魔法協会の会長とはその時からの縁だとか(だからあの丸投げだったんだな)。
もう1つは、神獣たちから卵や子供を託されること。
これは世界樹の民が創造神の眷属だから可能な方法で、イオの召喚獣ベノワと俺の召喚獣フラムは、前世で父さんと母さんが神獣の里で託された雛たちだ。
召喚獣は、自らの運命に関わる人との絆を結ぶ。
卵を孵化させた者が他の誰かにそれを譲渡すれば、孵化させた者と譲渡された者の両方に。
神獣の里から託された雛が誰かに譲渡されれば、里から連れてきた者と譲渡された者の両方に。
そうして絆が出来れば、召喚獣は主人以外の人の居場所を知ったり、自分の居場所を知らせたりできた。
何も言わずに出て行ってしまったイオ。
その行方は、母さんとソナなら召喚獣を通して知ることができた。
「ルビイ、イオが今どこにいるか分かる?」
「うん。今はアサケ学園の学園長室にいるよ」
ソナの問いかけに答えるのは不死鳥ルビイ。
ルビイはアズが子供の頃にガラポン抽選会で得た属性卵から孵化した子で、アズからソナに贈られた召喚獣だ。
だからアズの魂との絆があり、イオの居場所も知ることができる。
アズが死んだ時にルビイが飛び出して遺体に辿り着いたのも、その絆によるものだった。
「ちょっと行ってくる」
居場所を聞いた俺は、すぐに転移魔法を使った。
学園内なら俺がよく知る場所、転移魔法で行き来できる。
大人の姿だと目立つから、6歳児の姿に戻って学園内へ移動した。
「所属学部の変更をお願い出来ますか? 俺には攻撃魔法は使えないみたいだから、体育学部の武道科に移籍したいです」
「攻撃魔法科から武道科への移籍、受理したニャン」
学園長室の前に転移したら、そんな会話が聞こえてきた。
イオは学園には在席するみたいだ。
「ありがとうございます。寮は出て、自宅から通います」
「では、通学にはこの転移ブレスレットを使うといいニャ」
学園には在席するけど、寮からはいなくなるのか。
彼が言う「自宅」を、学園長は世界樹の里にある実家だと思っているのかもしれない。
でも、昨夜出ていったばかりのイオが、実家に帰ってくるだろうか?
多分、彼の言う「自宅」はアサギリ島の家だ。
「ありがとうございます。俺の荷物は今日中に片付けますね」
「モチ……今はエカだったニャ、彼も引っ越しかニャ?」
「それは、まだ聞いてないです」
会話の内容が俺に関することになったので、ちょうどいいタイミングだと思った俺は扉をノックした。
「失礼します」
と声がけして入ると、どっしりした造りの机と椅子、椅子に座るでっぷり太った三毛猫学園長、机を挟んで学園長の前に立つ青い髪の子供がいた。
「ちょうどいいところに来たニャ、エカも自宅から通うのかニャ?」
「いえ、俺は過去に攻撃魔法科を卒業しているので、学園を出て冒険者になります」
「美術講師のアルバイトはどうするかニャ?」
「冒険者のクエスト中は来られなくなるので、そちらも退職します」
「受理するニャン」
「では俺も寮の荷物を片付けますね」
学園長と話している間に、イオはいなくなった。
部屋を片付けに行ったんだろうと思って、俺もすぐ向かったのに……
……部屋から、イオも荷物も消えていた。
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