19 / 428
転生者モチ編
第18話:街へ行こう(画像あり)
しおりを挟む
翌朝、動植物学部のロッサ先生と生徒たちの案内で、魔法学部の松本先生&クラス生徒50名は初めて学園の敷地外となる街へ出た。
気分はすっかり社会見学か遠足だ。
全寮制の学園で、周囲を深い森に囲まれた環境だったから、転移者たちは今まで街へ行った事が無い。
「召喚!」
ロッサ先生が指示すると、動植物学部の生徒たちが一斉に召喚獣を出した。
彼等は授業で幻獣や神獣との契約をするらしい。
「いいなぁ召喚獣」
動物好きのイオが、きらきらした目で召喚獣たちを眺めている。
お前、魔法学部じゃなくて、動植物学部にすればよかったんじゃないか?
「では2人1組で乗って行くよ」
ロッサ先生に言われて、召喚獣を持ってる動植物学部の生徒と、魔法学部の生徒が2人1組になる。
俺の前に、スッと歩み出てきたのは、紅の色彩が美しい不死鳥。
この赤色、俺の髪の色に似てるなぁ。
『あなたは珍しいね』
「?!」
いきなり頭の中に【声】が響いた。
これはいわゆるテレパシーというやつか?
『こんなに短期間で死と復活を繰り返してるなんて』
不思議な【声】は、不死鳥が話しかけているっぽい。
この鳥には俺が自爆と蘇生を繰り返した履歴が見えるのか?
『その赤い髪、まるで私と同じ不死鳥のようだね』
不死鳥は俺をじっと見つめた後、親し気に頭をすり寄せてくる。
そういや、不死鳥って死んでも復活するんだっけ。
仲間意識(?)を感じた俺は、片腕を親し気に不死鳥の首に回し、空いてる片手でガッツポーズをとった。
「そう、俺は何度でも蘇るのさ!」
「蘇らせてるの、僕ですけどね」
言ったら、江原のツッコミがきた。
まあ確かに、江原の蘇生が無ければ俺は今頃この世にいないだろうな。
そんな江原が組んだのは、白いモフモフの犬フェンリル。
動植物学部のマスコットと化している仔犬の母ちゃんだ。
幻獣も神獣も翼の有無に関わらず空を飛べるので、江原たちはフェンリル母ちゃんに乗って行く。
一方、イオには青い大きな鳥が歩み寄っている。
その羽毛の色は、イオの髪色と同じサファイアブルーだ。
「この子が君と組みたいって言うから、一緒に行こうか」
「よろしく~! この子は何ていう召喚獣?」
と聞いた直後、イオがなんかビックリしたような顔になる。
俺と同じで、鳥に話しかけられたか?
「幸せを運ぶ神の鳥と言われる神獣だよ」
その鳥の主人で、青い毛並みの猫人が、ニコニコしながら説明している。
幸せの青い鳥(特大)か!
特大青い鳥は、福音鳥というらしい。
「落ちないようにしっかりつかまっててね」
「うん」
「では飛ぶよ~!」
様々な召喚獣たちが、猫人と転移者を乗せて空へ舞い上がった。
青く澄み渡る空に、様々な色彩の召喚獣たちが舞う。
俺を乗せてくれた不死鳥の名はホムラ、主人はイツキ。
イツキは赤い毛並みの猫人で、その色は召喚獣の影響だと教えてくれた。
上空から見る学園は、ヨーロッパの古城のような本館と、それを囲む各学部や施設の建物で構成されている。
建物より外周に校庭があり、校庭よりも外周が広大な森だ。
四季の森と呼ばれる4つの森は、くっきりと色彩が分れている。
春の森は、萌黄色の若葉が茂る森。
夏の森は、新緑の旺盛な葉が茂る森。
秋の森は、赤や黄色に紅葉した葉が茂る森。
冬の森は、葉の無い木々を樹氷が飾り、地面は真っ白な雪に覆われた森。
異なる色彩の森が、四つ葉のクローバーの葉みたいに学園を囲んでいる。
その森の外側は、それぞれ違う街になっているそうだ。
4つの街は春の街プラン、夏の街エテル、秋の街オトンヌ、冬の街イベルという。
「オトンヌの街へ行くよ!」
隊列を組むその先頭にいるロッサ先生が告げた。
秋の実りに恵まれた街・オトンヌ。
特産品は様々な木の実や果実、穀類も豊富らしい。
「いつもの場所に、ゆっくり降下!」
ロッサ先生の指示が飛び、降下が始まる。
街の防壁の外、金茶色の草に覆われた広場に、色とりどりの召喚獣が舞い降りた。
「いらっしゃい! ようこそオトンヌへ!」
「いつ見ても華やかで美しい光景ですね」
街への入口に立つ門番の2人が、楽しそうにニコニコしながら迎えてくれた。
「あの時計台の鐘が5つ鳴ったら、街の外の広場に集合だよ」
「魔法学部の生徒は、案内役の生徒とはぐれないように気を付けて行動しろよ」
門をくぐってすぐ、ロッサ先生と松本先生が言う。
オトンヌの街は中世ヨーロッパ風の街並みで、中央には大きな時計台がある。
時を告げる鐘は、街のどこにいても聞こえるそうだ。
「では自由行動開始!」
松本先生の指示で解散後、生徒たちは2人1組で自由行動を始める。
俺はイツキの案内で街の散策に出た。
気分はすっかり社会見学か遠足だ。
全寮制の学園で、周囲を深い森に囲まれた環境だったから、転移者たちは今まで街へ行った事が無い。
「召喚!」
ロッサ先生が指示すると、動植物学部の生徒たちが一斉に召喚獣を出した。
彼等は授業で幻獣や神獣との契約をするらしい。
「いいなぁ召喚獣」
動物好きのイオが、きらきらした目で召喚獣たちを眺めている。
お前、魔法学部じゃなくて、動植物学部にすればよかったんじゃないか?
「では2人1組で乗って行くよ」
ロッサ先生に言われて、召喚獣を持ってる動植物学部の生徒と、魔法学部の生徒が2人1組になる。
俺の前に、スッと歩み出てきたのは、紅の色彩が美しい不死鳥。
この赤色、俺の髪の色に似てるなぁ。
『あなたは珍しいね』
「?!」
いきなり頭の中に【声】が響いた。
これはいわゆるテレパシーというやつか?
『こんなに短期間で死と復活を繰り返してるなんて』
不思議な【声】は、不死鳥が話しかけているっぽい。
この鳥には俺が自爆と蘇生を繰り返した履歴が見えるのか?
『その赤い髪、まるで私と同じ不死鳥のようだね』
不死鳥は俺をじっと見つめた後、親し気に頭をすり寄せてくる。
そういや、不死鳥って死んでも復活するんだっけ。
仲間意識(?)を感じた俺は、片腕を親し気に不死鳥の首に回し、空いてる片手でガッツポーズをとった。
「そう、俺は何度でも蘇るのさ!」
「蘇らせてるの、僕ですけどね」
言ったら、江原のツッコミがきた。
まあ確かに、江原の蘇生が無ければ俺は今頃この世にいないだろうな。
そんな江原が組んだのは、白いモフモフの犬フェンリル。
動植物学部のマスコットと化している仔犬の母ちゃんだ。
幻獣も神獣も翼の有無に関わらず空を飛べるので、江原たちはフェンリル母ちゃんに乗って行く。
一方、イオには青い大きな鳥が歩み寄っている。
その羽毛の色は、イオの髪色と同じサファイアブルーだ。
「この子が君と組みたいって言うから、一緒に行こうか」
「よろしく~! この子は何ていう召喚獣?」
と聞いた直後、イオがなんかビックリしたような顔になる。
俺と同じで、鳥に話しかけられたか?
「幸せを運ぶ神の鳥と言われる神獣だよ」
その鳥の主人で、青い毛並みの猫人が、ニコニコしながら説明している。
幸せの青い鳥(特大)か!
特大青い鳥は、福音鳥というらしい。
「落ちないようにしっかりつかまっててね」
「うん」
「では飛ぶよ~!」
様々な召喚獣たちが、猫人と転移者を乗せて空へ舞い上がった。
青く澄み渡る空に、様々な色彩の召喚獣たちが舞う。
俺を乗せてくれた不死鳥の名はホムラ、主人はイツキ。
イツキは赤い毛並みの猫人で、その色は召喚獣の影響だと教えてくれた。
上空から見る学園は、ヨーロッパの古城のような本館と、それを囲む各学部や施設の建物で構成されている。
建物より外周に校庭があり、校庭よりも外周が広大な森だ。
四季の森と呼ばれる4つの森は、くっきりと色彩が分れている。
春の森は、萌黄色の若葉が茂る森。
夏の森は、新緑の旺盛な葉が茂る森。
秋の森は、赤や黄色に紅葉した葉が茂る森。
冬の森は、葉の無い木々を樹氷が飾り、地面は真っ白な雪に覆われた森。
異なる色彩の森が、四つ葉のクローバーの葉みたいに学園を囲んでいる。
その森の外側は、それぞれ違う街になっているそうだ。
4つの街は春の街プラン、夏の街エテル、秋の街オトンヌ、冬の街イベルという。
「オトンヌの街へ行くよ!」
隊列を組むその先頭にいるロッサ先生が告げた。
秋の実りに恵まれた街・オトンヌ。
特産品は様々な木の実や果実、穀類も豊富らしい。
「いつもの場所に、ゆっくり降下!」
ロッサ先生の指示が飛び、降下が始まる。
街の防壁の外、金茶色の草に覆われた広場に、色とりどりの召喚獣が舞い降りた。
「いらっしゃい! ようこそオトンヌへ!」
「いつ見ても華やかで美しい光景ですね」
街への入口に立つ門番の2人が、楽しそうにニコニコしながら迎えてくれた。
「あの時計台の鐘が5つ鳴ったら、街の外の広場に集合だよ」
「魔法学部の生徒は、案内役の生徒とはぐれないように気を付けて行動しろよ」
門をくぐってすぐ、ロッサ先生と松本先生が言う。
オトンヌの街は中世ヨーロッパ風の街並みで、中央には大きな時計台がある。
時を告げる鐘は、街のどこにいても聞こえるそうだ。
「では自由行動開始!」
松本先生の指示で解散後、生徒たちは2人1組で自由行動を始める。
俺はイツキの案内で街の散策に出た。
1
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
トレジャーキッズ
著:剣 恵真/絵・編集:猫宮 りぃ
ファンタジー
だらだらと自堕落な生活から抜け出すきっかけをどこかで望んでいた。
ただ、それだけだったのに……
自分の存在は何のため?
何のために生きているのか?
世界はどうしてこんなにも理不尽にあふれているのか?
苦悩する子どもと親の物語です。
非日常を体験した、命のやり取りをした、乗り越える困難の中で築かれてゆくのは友情と絆。
まだ見えない『何か』が大切なものだと気づけた。
※更新は週一・日曜日公開を目標
何かございましたら、Twitterにて問い合わせください。
【1】のみ自費出版販売をしております。
追加で修正しているため、全く同じではありません。
できるだけ剣恵真さんの原文と世界観を崩さないように直しておりますが、もう少しうまいやり方があるようでしたら教えていただけるとありがたいです。(担当:猫宮りぃ)
悪役令嬢の追放エンド………修道院が無いじゃない!(はっ!?ここを楽園にしましょう♪
naturalsoft
ファンタジー
シオン・アクエリアス公爵令嬢は転生者であった。そして、同じく転生者であるヒロインに負けて、北方にある辺境の国内で1番厳しいと呼ばれる修道院へ送られる事となった。
「きぃーーーー!!!!!私は負けておりませんわ!イベントの強制力に負けたのですわ!覚えてらっしゃいーーーー!!!!!」
そして、目的地まで運ばれて着いてみると………
「はて?修道院がありませんわ?」
why!?
えっ、領主が修道院や孤児院が無いのにあると言って、不正に補助金を着服しているって?
どこの現代社会でもある不正をしてんのよーーーーー!!!!!!
※ジャンルをファンタジーに変更しました。

魔神として転生した~身にかかる火の粉は容赦なく叩き潰す~
あめり
ファンタジー
ある日、相沢智司(アイザワサトシ)は自らに秘められていた力を開放し、魔神として異世界へ転生を果たすことになった。強大な力で大抵の願望は成就させることが可能だ。
彼が望んだものは……順風満帆な学園生活を送りたいというもの。15歳であり、これから高校に入る予定であった彼にとっては至極自然な願望だった。平凡過ぎるが。
だが、彼の考えとは裏腹に異世界の各組織は魔神討伐としての牙を剥き出しにしていた。身にかかる火の粉は、自分自身で払わなければならない。智司の望む、楽しい学園生活を脅かす存在はどんな者であろうと容赦はしない!
強大過ぎる力の使い方をある意味で間違えている転生魔神、相沢智司。その能力に魅了された女性陣や仲間たちとの交流を大切にし、また、住処を襲う輩は排除しつつ、人間世界へ繰り出します!
※番外編の「地球帰還の魔神~地球へと帰った智司くんはそこでも自由に楽しみます~」というのも書いています。よろしければそちらもお楽しみください。本編60話くらいまでのネタバレがあるかも。

領地育成ゲームの弱小貴族 ~底辺から前世の知識で国強くしてたらハーレムできてた~
黒おーじ
ファンタジー
16歳で弱小領地を継いだ俺には前世の記憶があった。ここは剣と魔法の領地育成系シュミレーションゲームに似た世界。700人の領民へ『ジョブ』を与え、掘削や建設の指令を出し、魔境や隣の領土を攻めたり、王都警護の女騎士やエルフの長を妻にしたりと領地繁栄に努めた。成長していく産業、兵力、魔法、資源……やがて弱小とバカにされていた辺境ダダリは王国の一大勢力へと上り詰めていく。
※ハーレム要素は無自覚とかヌルいことせずにガチ。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる