【画像あり】転生双子の異世界生活~株式会社SETA異世界派遣部・異世界ナーゴ編~

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転生者モチ編

第7話:動植物学部と魔工学部(画像あり)

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「ここは植物や動物の事を学ぶ学部だよ」

 次に案内してもらったのは、動植物学部。
 生徒の中に我が社の女性陣が多いぞ。
 異世界のモフモフ目当てか?

 白いフサフサした仔犬がいる。
 猫の知的生命体の学園で犬が飼われてると思ったら、神獣フェンリルの子供だと?
 創作の世界で人気のモフモフだ。
 動物に懐かれる体質のイオが、早速撫でて懐かれている。
 白い仔犬が、抱っこされながらシッポをフリフリ。
 そのキュルンとした、つぶらな瞳は何?
 神獣の威厳? ……無いぞ。
 ひたすらカワイイだけの最強生物だな。

 俺は様々な標本が並ぶ棚を眺めて回ってたら、ある物を見つけてしまった。

 こっ、これはっ!

 図鑑で見つけて漫画のネタにした、あの生物に似ている?!
 ウネウネ動く、植物のような動物のような、怪しい生き物。
 これは、地球にいれば変な生き物図鑑に載りそうなヤツだ。

「モチ、それ何?」
「…へ?! あっ、いや、なんでもない…」

 俺がそれを凝視していることに気付いたイオが、背後から聞いてくる。
 慌てて我に返り、俺はなんでもないと答えた。
 イオは俺が何か隠してるな? って顔をしたものの、それ以上は聞いてこない。
 この怪し気な生き物が後に大活躍するとは、俺はこの時はまだ想像すらしてなかった。





「あらぁ~、モチとイオじゃなぁい」

 次に案内された魔工学部に来てすぐ、聞き覚えのある声がした。
 このオネエっぽい、高い作り声は、あの人か?
 声がした方を見たら、プルミエタウンのメンテ部長・詩川さんがいる。
 オネエな部長が、教室の窓を開けて顔を出していた。

 イオとカジュちゃんは気付かなかったけど。
 俺は詩川さんがイオを見て、一瞬だけ泣きそうな顔をしたのを見た。
 プルミエタウン勤務時には、見たことの無い表情。
 それが何故かは、この時は分からなかった。

 詩川さんは姿が変わっていない。
 日焼けマシンでこんがり焼いた褐色の肌、フィットネスマシンで鍛えた細マッチョな体格のままだ。
 なんで社員さんたちは姿がそのままなんだ?

「詩川さん、なんで社員さんたちは元の姿と変わらないんですか?」
「アタシたち社員は、異世界こっちに来た瞬間にスキルや魔法を覚えたからよ」

 イオが同じことを思ったらしく、質問した。
 スキルや魔法を、転移ついでに習得するとはお手軽だな。
 異世界転移した時にスキルや魔法を覚えられるのかよ。
 なら、他のみんなも子供になる必要ないような?

「え~? 社員さんたちだけ? 俺たちも最初から覚えられたらいいのに」
「バイトや契約社員たちは、まだキャラ薄いからね~」

 俺が言ったら、詩川さんから謎の答えが返ってきた。
 キャラ薄いって、なんぞ?
 キャラが濃ければ、スキルや魔法が付くんかい。

「それに最初から覚えるものは選べないから、ハズレもあるわよ。笹谷くんなんて【虚弱の極み】ってパッシブスキル付いちゃって、前より体弱くなってるし」
「「それは嫌かも」」

 笹谷さんのパッシブスキルを聞いて、俺とイオがハモった。
 自動で覚えてハズレ引くぐらいなら、自力で地道に習得しよう。
 異世界転移で虚弱が極まった笹谷さん、お気の毒に。
 俺は学園で勉強して、魔法やスキルを覚えよう。

 そんなことを思いつつ、ふと詩川さんを見たら、イオに視線を向けている。
 魔法とスキルのことを考えているイオは、気付いてなかったけどね。
 詩川さんの笑みは、ホッとしたときに浮かべるようなものだった。

「でも、アンタたちは前世で異世界こっちの人間だったから、その頃の魔法やスキルが残ってるかもね」

 詩川さんは、教室の棚からタブレットに似た平らで四角い物を持って来てた。
 差し出されたのは、俺。
 ん? 前世って言った?
 詩川さん、俺たちの前世関連を知ってるのか?
 いつの間に? みんな昨日こちらに来たばっかりだよね?

「これ、アタシの製造スキルで造った魔導具なんだけど、覚えた魔法やスキルが何か分るのよ」
「試してみたらいいよ。私やリユちゃんみたいに魔法かスキルがあるかも」

 詩川さん、魔道具作成ができるらしい。
 アタルくんが故障したとき、よくお世話になってたもんな。
 プルミエタウンの魔道具をメンテナンスしている間に、作成技術を得たのか、元からできる人だったのか。
 部署が違うから、俺は詩川さんについて、そんなに詳しくはなかった。
 とりあえず、差し出された俺から試してみよう。

「じゃ、ここに手をかざしてみて」
「はい」

 詩川さんがタブレットみたいな魔導具をタップすると、画面が白く光る。
 その光に、俺は片手をかざした。
 すると、魔導具の画面に文字が現れてくる。

【爆裂系魔法】*実装前

 ……え?

「爆裂系魔法?! で、実装前って何?」

 なんぞそれ?
 俺は困惑して変顔になったようだ。
 隣にいるイオがこっち見て、苦笑したから分かる。

「占い師のジャミに聞いてごらんなさーい」

 詩川さんに言われたので、俺たちはジャミさんのところへ向かう。

 学園内見学はこれで終わり。
 この学園にある学部は、医学部・料理学部・体育学部・芸術学部・動植物学部・魔工学部・魔法学部の7つ。
 魔法学部はまだ見てないけど、入ってから見ればいいな。
 学部は更に枝分かれするらしい。
 例えば料理学部は、料理のジャンルで専門コースがある。
 魔法学部は、属性別で専門コースがあったり、攻撃系魔法コース、支援魔法コースとかもあって、好みで学べる。

 爆裂魔法(実装前)が付与されているなら、俺は攻撃魔法科に向いてるかもしれない。
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