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転移者イオ編
第8話:魔族と冒険者たち(画像あり)
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今日も日課の読書タイムで、薄い本を読み進めた。
主人公、村を助けに行った筈が消滅させてしまうとか。
既に滅びた幽霊村みたいなとこだったらしいけど。
普通に会話出来ていた人たちを消滅させるなんて、メンタルやられそうな経験だな。
そんな事を思いつつお茶を飲み干して、図書館を出た。
俺は日課の剣術修行を済ませた後、冒険者ギルドに向かう。
昨日は着いて早々助けを求められて出かけたから、ギルドマスターたちに訓練の進展報告をしそびれた。
まあ、そんなに急ぐことでもないけど。
じいさんが老衰で死んじゃう前に剣技を仕上げればいい。
昨日の出来事、瀕死の重傷を負ったエカが、脳裏に浮かぶ。
エカ、魔族が現れた時点で俺に念話を送ってくれれば、すぐに駆けつけたのに。
夕食に呼ばれても行かないけど、エカに危険が迫ってるなら行くよ?
俺を冒険者パーティに誘って断られたから、来ないと思ったんだろうか?
「お、今日はいいのか? お前の兄貴、魔族討伐に行ってるけど」
「え?!」
ギルドマスターから得た情報に、俺は不安を感じる。
エカの魔法の凄さは昨日見たけど、なんであんな大怪我をしていたのか?
答えは簡単だ。魔法使いなのに前衛無しで戦ったからだ。
エカにはパーティメンバーがいる筈だけど、昨日はどうしたんだろう?
「ギルマス、エカのパーティメンバーって今は誰ですか?」
「前に組んでたメンバーの息子や娘たちだな。でも前衛役の剣士が育児休暇中だから、日雇いで他の冒険者を入れてたぞ」
……という事は、今回は前衛がいるのか。
昨日は新人パーティの引率中に突然襲撃されて、やむなく単身留まって戦ったらしいけど。
「ちょっと様子を見てきます」
「そうしときな。場所はここだ」
ギルマスに地図で見せてもらった場所は、アマギ国の領土内だった。
ついでだからエアの店に寄って昨日の蘇生薬の結果を報告したら、調整のためもっと結果が欲しいと言われて増産した薬を渡されてしまった。
とりあえず異空間倉庫に収納したけど。
俺は一体、何回人命救助しなきゃならないんだろうか?
エアの店を出た後はベノワに乗って加速魔法をかけ、音速飛翔で現場に向かった。
現場に近付くと、苦戦している様子のエカたちが見えてくる。
魔族相手に、猫人の前衛は厳しそうだ。
「加勢するよ!」
俺は背負っていた剣を抜くと、ベノワから飛び降りる。
その勢いで、前衛をいたぶっている魔族の脳天に剣を突き刺した。
即死した魔族は、黒い粒子と化して消え去る。
俺は着地してすぐ地面を蹴って次の魔族に斬りかかり、両断して消滅させた。
前衛の近くにいた魔族を2体とも片付けると、後方にいる他の魔族たちが驚いたように目を見開いていた。
世界樹の民とはいえ、6歳児が魔族2体を瞬殺したら、そりゃ驚くか。
「イオ?!」
後方から声を上げたエカは、今日は普段と同じ青年姿に変身していた。
「はい、これ食べて」
「おぉ、ありがとう!」
俺は前衛の猫人剣士に持続回復チョコを手渡すと、冒険者たちに声をかける。
同じギルドだからみんな俺の事は知っていて、助っ人を喜んでくれた。
「全員に風神の息吹をかけるよ!」
「「「はい!」」」
加速魔法をかける前に、メンバーに宣言する。
猫人たちが同意を示す返事をしたのを確認して、俺は加速魔法をかけた。
エカは困惑してるのか鼻の穴広げて真顔になってるけど、構わずかけてやった。
魔族の中には行動速度がかなり速い者がいるけど、これで互角以上になる。
「後方火力は、俺が突っ込んだら一斉に攻撃を。俺には当たらないから大丈夫」
「「はい」」
魔法使いと弓使いの猫人たちに指示しつつ、攻撃強化の火神の激怒と、絶対成功魔法の水神の必中をかける。
「前衛は、生き残って襲ってくる奴のトドメよろしく」
「はい」
剣士の猫人には火神の激怒、水神の必中、弱った敵を即死させる地神の慈悲をかけてあげた。
「回復担当は、エカが爆裂魔法を使ったら体力回復魔法をかけて」
「はい、把握しています」
念のためヒーラーの猫人に声をかけてみると、爆裂魔法の事は把握してるみたいだった。
「エカは……そうだな、命大事に」
「わ、分かってる」
最後にエカに声をかけつつ、蘇生薬の小瓶を振って見せたら、鼻の穴広げて真顔で返事した。
「じゃ、いくよ!」
俺は自分にも火神の激怒と水神の必中をかけて、溜めからのダッシュで敵の群れに突っ込み、斬撃を浴びせる。
剣神アチャラ様の修行空間で勇者アズールと同じメニューを1ヶ月続けた結果は、しっかりついてきていて、斬撃を浴びた魔族たちは即死で消滅した。
「白き翼!」
俺をタコ殴りしようと寄って来る魔族たちには、ナイフ状の白い羽を飛ばす範囲物理スキルをお見舞いする。
前世では持ってなかったこのスキルは、遠距離攻撃としても使えるけど、敵陣に突っ込む時に特に役立つと思う。
禁書魔法の支援がついたパーティメンバーも殲滅速度が爆上がりで、魔族の群れは短時間で全滅した。
「凄い……嘘みたいに楽勝した……」
「魔族がまるでスライムのようだったわ……」
あまりの楽勝にポカーンとする猫人たち。
っていうか、エカまで動揺して、鼻の穴広げて真顔になるのはどういう事?
主人公、村を助けに行った筈が消滅させてしまうとか。
既に滅びた幽霊村みたいなとこだったらしいけど。
普通に会話出来ていた人たちを消滅させるなんて、メンタルやられそうな経験だな。
そんな事を思いつつお茶を飲み干して、図書館を出た。
俺は日課の剣術修行を済ませた後、冒険者ギルドに向かう。
昨日は着いて早々助けを求められて出かけたから、ギルドマスターたちに訓練の進展報告をしそびれた。
まあ、そんなに急ぐことでもないけど。
じいさんが老衰で死んじゃう前に剣技を仕上げればいい。
昨日の出来事、瀕死の重傷を負ったエカが、脳裏に浮かぶ。
エカ、魔族が現れた時点で俺に念話を送ってくれれば、すぐに駆けつけたのに。
夕食に呼ばれても行かないけど、エカに危険が迫ってるなら行くよ?
俺を冒険者パーティに誘って断られたから、来ないと思ったんだろうか?
「お、今日はいいのか? お前の兄貴、魔族討伐に行ってるけど」
「え?!」
ギルドマスターから得た情報に、俺は不安を感じる。
エカの魔法の凄さは昨日見たけど、なんであんな大怪我をしていたのか?
答えは簡単だ。魔法使いなのに前衛無しで戦ったからだ。
エカにはパーティメンバーがいる筈だけど、昨日はどうしたんだろう?
「ギルマス、エカのパーティメンバーって今は誰ですか?」
「前に組んでたメンバーの息子や娘たちだな。でも前衛役の剣士が育児休暇中だから、日雇いで他の冒険者を入れてたぞ」
……という事は、今回は前衛がいるのか。
昨日は新人パーティの引率中に突然襲撃されて、やむなく単身留まって戦ったらしいけど。
「ちょっと様子を見てきます」
「そうしときな。場所はここだ」
ギルマスに地図で見せてもらった場所は、アマギ国の領土内だった。
ついでだからエアの店に寄って昨日の蘇生薬の結果を報告したら、調整のためもっと結果が欲しいと言われて増産した薬を渡されてしまった。
とりあえず異空間倉庫に収納したけど。
俺は一体、何回人命救助しなきゃならないんだろうか?
エアの店を出た後はベノワに乗って加速魔法をかけ、音速飛翔で現場に向かった。
現場に近付くと、苦戦している様子のエカたちが見えてくる。
魔族相手に、猫人の前衛は厳しそうだ。
「加勢するよ!」
俺は背負っていた剣を抜くと、ベノワから飛び降りる。
その勢いで、前衛をいたぶっている魔族の脳天に剣を突き刺した。
即死した魔族は、黒い粒子と化して消え去る。
俺は着地してすぐ地面を蹴って次の魔族に斬りかかり、両断して消滅させた。
前衛の近くにいた魔族を2体とも片付けると、後方にいる他の魔族たちが驚いたように目を見開いていた。
世界樹の民とはいえ、6歳児が魔族2体を瞬殺したら、そりゃ驚くか。
「イオ?!」
後方から声を上げたエカは、今日は普段と同じ青年姿に変身していた。
「はい、これ食べて」
「おぉ、ありがとう!」
俺は前衛の猫人剣士に持続回復チョコを手渡すと、冒険者たちに声をかける。
同じギルドだからみんな俺の事は知っていて、助っ人を喜んでくれた。
「全員に風神の息吹をかけるよ!」
「「「はい!」」」
加速魔法をかける前に、メンバーに宣言する。
猫人たちが同意を示す返事をしたのを確認して、俺は加速魔法をかけた。
エカは困惑してるのか鼻の穴広げて真顔になってるけど、構わずかけてやった。
魔族の中には行動速度がかなり速い者がいるけど、これで互角以上になる。
「後方火力は、俺が突っ込んだら一斉に攻撃を。俺には当たらないから大丈夫」
「「はい」」
魔法使いと弓使いの猫人たちに指示しつつ、攻撃強化の火神の激怒と、絶対成功魔法の水神の必中をかける。
「前衛は、生き残って襲ってくる奴のトドメよろしく」
「はい」
剣士の猫人には火神の激怒、水神の必中、弱った敵を即死させる地神の慈悲をかけてあげた。
「回復担当は、エカが爆裂魔法を使ったら体力回復魔法をかけて」
「はい、把握しています」
念のためヒーラーの猫人に声をかけてみると、爆裂魔法の事は把握してるみたいだった。
「エカは……そうだな、命大事に」
「わ、分かってる」
最後にエカに声をかけつつ、蘇生薬の小瓶を振って見せたら、鼻の穴広げて真顔で返事した。
「じゃ、いくよ!」
俺は自分にも火神の激怒と水神の必中をかけて、溜めからのダッシュで敵の群れに突っ込み、斬撃を浴びせる。
剣神アチャラ様の修行空間で勇者アズールと同じメニューを1ヶ月続けた結果は、しっかりついてきていて、斬撃を浴びた魔族たちは即死で消滅した。
「白き翼!」
俺をタコ殴りしようと寄って来る魔族たちには、ナイフ状の白い羽を飛ばす範囲物理スキルをお見舞いする。
前世では持ってなかったこのスキルは、遠距離攻撃としても使えるけど、敵陣に突っ込む時に特に役立つと思う。
禁書魔法の支援がついたパーティメンバーも殲滅速度が爆上がりで、魔族の群れは短時間で全滅した。
「凄い……嘘みたいに楽勝した……」
「魔族がまるでスライムのようだったわ……」
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