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出会いの春(3)
しおりを挟む「ふう、まるで戦場だったな。」
ユウトは、バイト先である居酒屋の休憩室にいた。狭い空間に2つだけ置かれたパイプイス。そのうちの1つに座ってうなだれている。今日は金曜ということもあり、かなりの混雑でくたびれた。ホールスタッフであるユウトはフロアを駆け回って注文を受けていた。現在の時刻は夜の11時半だ。
「おつかれさん。ポテトあまったから食おうぜ」
雑に盛り付けられたどんぶり一杯のフライドポテトを持って休憩室に入ってきたのはタツノブだった。タツノブはキッチンのスタッフとして勤務しており、あまった料理をたまに差し入れてくれる。今日は2人とも同じ時刻で上がる日だ。
ユウトはテーブルに置かれたポテトに手を伸ばしながら質問する。
「来月のシフト出した?」
「まだー、そっちはー?てか、一緒に決めようぜ、相棒」
気持ち悪い口調で返事が返ってきた。シフト提出の締め切りは3日後。ユウトもまだだった。
「俺もまだなんだけど、減らそうと思ってるんだよね」
「なに、コレか?もしかしてヨリ戻し?」
タツノブはニヤニヤしながら小指を立てる。この居酒屋バイトで出会った彼女と別れて以来約1年経つ。以降浮いた話はなかった。
「ちげえ。デザインの仕事探そうと思うんだ」
ユウトはまだ決めきれてなかった。でも、力強い言葉が自然にこぼれた。このままじゃいけないという想いと、なんとかなるだろうという甘えのせめぎ合いの中でだ。
「そっか。お前にもそういうものがあるんだよな。」
タツノブはやらしい笑みを優しい笑顔に変えて言った。
「え?どういうこと?」
ユウトは意味深な返答に戸惑う。
「あ、いやこっちの話。この後、久々に朝までどうよ?その辺の話も聞きたいしさ」
ユウトはタツノブの誘いにふたつ返事で応じた。疲れはあるけど、話したい気分だった。
ユウトは、バイト先である居酒屋の休憩室にいた。狭い空間に2つだけ置かれたパイプイス。そのうちの1つに座ってうなだれている。今日は金曜ということもあり、かなりの混雑でくたびれた。ホールスタッフであるユウトはフロアを駆け回って注文を受けていた。現在の時刻は夜の11時半だ。
「おつかれさん。ポテトあまったから食おうぜ」
雑に盛り付けられたどんぶり一杯のフライドポテトを持って休憩室に入ってきたのはタツノブだった。タツノブはキッチンのスタッフとして勤務しており、あまった料理をたまに差し入れてくれる。今日は2人とも同じ時刻で上がる日だ。
ユウトはテーブルに置かれたポテトに手を伸ばしながら質問する。
「来月のシフト出した?」
「まだー、そっちはー?てか、一緒に決めようぜ、相棒」
気持ち悪い口調で返事が返ってきた。シフト提出の締め切りは3日後。ユウトもまだだった。
「俺もまだなんだけど、減らそうと思ってるんだよね」
「なに、コレか?もしかしてヨリ戻し?」
タツノブはニヤニヤしながら小指を立てる。この居酒屋バイトで出会った彼女と別れて以来約1年経つ。以降浮いた話はなかった。
「ちげえ。デザインの仕事探そうと思うんだ」
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「そっか。お前にもそういうものがあるんだよな。」
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「え?どういうこと?」
ユウトは意味深な返答に戸惑う。
「あ、いやこっちの話。この後、久々に朝までどうよ?その辺の話も聞きたいしさ」
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