13 / 68
13 勉強
しおりを挟む
「まずは改めて自己紹介から始めましょうか。マギ課副室長のアルベルト・クロードといいます。魔法の改善、効率化、新しい魔法の開発を主な仕事としています。それと、これが私の聖獣のガーベラです」
室長の部屋から隣の部屋―――最初にレナートさんを尋ねに入った部屋へと戻り、何人もの仕事をしている人達が普段使っていないという窓際の机を借りて、穂叶はアルベルトさんと向かい合って座っていた。
借りた机の場所は秋の淡い光が窓から差し込むので温かい。目の前に座っている男の銀髪にもその光は注いでいて、きらきらと輝いて綺麗だった。
一緒に紹介されたうさぎのガーベラは、今はきちんと主の手の中に納まっている。ふごふごと動く鼻と一緒に揺れる長い髭がとても可愛い。もちろんくりっとした目も可愛い。私はさっきも散々遊んだというのに触りたいのを我慢した。
この部屋に移動する前、レナートさんにはくれぐれも聖獣に勝手に触る事は厳禁だと念押しされたからだ。
「米本穂叶です。仕事はハーブカフェでキッチンスタッフしてます。・・・してました」
仕事については元の世界へ何時帰れるのか分からないし、そもそも帰れるのかが分からなくて過去形で言いなおした。こんな小さなことにも胸がちくりと痛んだ。
いつかは、元の世界へ戻ってまた仕事が出来るんだろうか?
不安はもちろんあるが、今は考えても答えが出ないことと諦める他無い。告げた声のトーンがちょっと下がったのは仕方がない。
「では、ヨネモトさんと呼んだ方が良いでしょうか?」
「?」
そう言われてはたと気付いた。そう言えば、こちらに来てから名前の事はあまり気にしていなかったなと。
「ヨネモトがファーストネームなのでしょう?こちらではファーストネームで呼び合うのが一般的です」
ええっと。ファーストネームが名前の事でラストネームというのが苗字の事だから、日本とは逆にして『穂叶米本』が正しいのか。
じゃあセオドールさんとレナートさんにはまだ他人行儀に呼ばれてたって事なのかな?確かに知り合ってまだ数日だけど、なんだかちょっとショックかも・・・。忘れずに後で言っておかなくちゃ。
「私が住んでいた国では、家族や友達には穂叶と呼ばれていました。だから、さっきのは訂正します。『穂叶 米本』です。穂叶と呼んでください。宜しくお願いします」
別に苗字でも良いんだけれど、他の人をファーストネームで呼ぶのに、私だけラストネームで呼ぶっていうのも何だしね。そう思って訂正した。
「そうですか、ではホノカさんと呼ばせてもらいます。私の事はアルベルトと呼んで貰って結構です。まずは地図を見ながらこの国を説明していきましょうか」
アルベルトさんは部屋に置かれた大きな本棚に行き、その上に無造作に置かれている荷物の中から丸められた地図を引っ張り出してきた。
地図を机の上に広げるとその大きさはノートを二冊広げた程の大きさだった。あまり使われる事がないのか、黄ばんだ色をしたその地図は手を放すとくるりと丸まるので四隅にはその辺にあったコップや用途が分からない小物が置かれた。
この部屋で仕事をしている人達からは、見知らぬ私の事が気になるようで、ちらりちらりとこちらを時々見ながら机に向かっては書類を書いているようだった。
気にはなるが誰も私の所へ直接聞きには来ない。皆から離れた場所というのもあるのだろうが副室長という役職のアルベルトさんが一緒だからかな?と勝手に思っておく。
無駄口とか嫌いそうだもんね、アルベルト副室長って。うん、うん。
「パリス国は、大まかに3つに分かれている大陸のひとつ、カリセーユ大陸の南西にあります。北にアルザス大陸、東にブルネンダー大陸があります」
大陸を指で差しながら私にゆっくり丁寧に説明してくれている。その指は女の私よりも色が白くて、長くてすべすべな肌質をしていて、羨ましいと思ったけど黙っておく。
「パリス国は更に3つの州に分かれていて、カリス、マダラス、ラドランです。そのうちの1つカリス州にこの城、ディランザース城があります。カリス州を治めているのはセラフィード・クレイヴ・フルメヴィーラ王で―――」
「ちょっと待って。アルベルトさん、ストップー!」
説明の仕方にも、言葉使いも、聞きやすい声もなんの文句も無かった。けれど、一度に文字が読めない地図と沢山の名前を覚える事は出来ないので、出来ればメモを取りたいと思ったのだ。一度聞けば覚える程の頭を持っていないので既にパンクしそうだった。
「メモと書くもの貸して下さい。そんなにいっぱい名前覚えられませんっ」
聞き覚えのない名前ばかりだから、後で見直して覚えようと思ったのだ。
「覚えられないって、ここに名前が書いてありますから、良かったらこの地図を暫く貸しましょうか?地図は今の所使う予定もありませんから」
最初に見た時には冷たくて怖そうな人だと思ったが、そんなに怖がる事は無かったのかもしれない。困っている私に親切にも地図を貸し出してくれようとしてくれた。レナートさんが言った通り基本的に悪い人ではないのだろう。多分。
けれど、これを借りたところで誰かに教えてもらわなければ書いてある文字がそもそも読めない。アルファベットに近いようだが、さっぱりと分からなかった。
「借りたとしても、書いてある文字読めないです」
「は?」
恐らく貴重だろうと思われるアルベルトさんの抜けた顔が拝めました。美人さんは抜けた顔も麗しいなんて初めて知りました。
私がしゃべっているのは日本語。
どうやらお互い話している言葉は違うらしいのだが脳内で勝手に変換されているのか意味は分かる。
でも書かれている文字は変換されないので読めないというのが分かった。こちらの世界でも幾つか言語が違うものが有るらしいが、カリセーユ大陸では地図に使われている文字が普通らしいというのも分かった。
そこでアルベルトさんは一番近くの席にいる若い男性から紙とペンを借りて私に渡してくれた。
「地図に書き込みは出来ませんから、紙に書いていきましょう」
その提案に私は頷いた。
さっそく紙に大雑把な地図を手描きし、もう一度大陸と州、城の名前を教えてもらいながらカタカナで書き加えていった。
「始めてみる文字ですね」
見た事がない文字に興味が有るらしく、紙に書いた文字をアルベルトさんはじっと見つめている。ガーベラは暇を持て余し机の隅に座ってうとうとして、日向ぼっこを満喫している。羨ましい。可愛い。触りたいっ。でも、言いつけは守らないと。
「そうですか?こっちはカタカナで、こっちは漢字です」
パリス州のパリスを差して、こっちはカタカナ、州を差してこっちは漢字と言って説明した。
「カタカナ?カンジ?」
「ええーっと、ですねぇ。私がいた国では平仮名と片仮名と漢字を多く使って文字を書きます。あ、たまに英語も使いますけど。例えばパリス州を平仮名で書くと『ぱりすしゅう』だけど、一般的にはカタカナと漢字を使って書きます」
「文字の種類は一種類だけではないのか?」
さらに沢山の種類が有ると聞いて、アルベルトさんはきらりと眼光を鋭くすると、やや体を前のめりにさせ文字について詳しい事を聞きたがった。
仕事に熱心というか、気になった事はとことん追求していくタイプらしい。仕方なく自分の名前を例にしてたとだとしく説明した。
「カタカナで書くとホノカですけど、漢字で書くと穂叶と書きます。で、ひらがなでかくとですねー・・・」
その後は陛下との面会の許可を貰ったレナートさんが帰ってくるまで、何故か日本の文字についてアルベルトさんに教える側になっていた。
借りた紙には私が書いた漢字やひらがながいっぱいになって埋め尽くされていたのだった。
室長の部屋から隣の部屋―――最初にレナートさんを尋ねに入った部屋へと戻り、何人もの仕事をしている人達が普段使っていないという窓際の机を借りて、穂叶はアルベルトさんと向かい合って座っていた。
借りた机の場所は秋の淡い光が窓から差し込むので温かい。目の前に座っている男の銀髪にもその光は注いでいて、きらきらと輝いて綺麗だった。
一緒に紹介されたうさぎのガーベラは、今はきちんと主の手の中に納まっている。ふごふごと動く鼻と一緒に揺れる長い髭がとても可愛い。もちろんくりっとした目も可愛い。私はさっきも散々遊んだというのに触りたいのを我慢した。
この部屋に移動する前、レナートさんにはくれぐれも聖獣に勝手に触る事は厳禁だと念押しされたからだ。
「米本穂叶です。仕事はハーブカフェでキッチンスタッフしてます。・・・してました」
仕事については元の世界へ何時帰れるのか分からないし、そもそも帰れるのかが分からなくて過去形で言いなおした。こんな小さなことにも胸がちくりと痛んだ。
いつかは、元の世界へ戻ってまた仕事が出来るんだろうか?
不安はもちろんあるが、今は考えても答えが出ないことと諦める他無い。告げた声のトーンがちょっと下がったのは仕方がない。
「では、ヨネモトさんと呼んだ方が良いでしょうか?」
「?」
そう言われてはたと気付いた。そう言えば、こちらに来てから名前の事はあまり気にしていなかったなと。
「ヨネモトがファーストネームなのでしょう?こちらではファーストネームで呼び合うのが一般的です」
ええっと。ファーストネームが名前の事でラストネームというのが苗字の事だから、日本とは逆にして『穂叶米本』が正しいのか。
じゃあセオドールさんとレナートさんにはまだ他人行儀に呼ばれてたって事なのかな?確かに知り合ってまだ数日だけど、なんだかちょっとショックかも・・・。忘れずに後で言っておかなくちゃ。
「私が住んでいた国では、家族や友達には穂叶と呼ばれていました。だから、さっきのは訂正します。『穂叶 米本』です。穂叶と呼んでください。宜しくお願いします」
別に苗字でも良いんだけれど、他の人をファーストネームで呼ぶのに、私だけラストネームで呼ぶっていうのも何だしね。そう思って訂正した。
「そうですか、ではホノカさんと呼ばせてもらいます。私の事はアルベルトと呼んで貰って結構です。まずは地図を見ながらこの国を説明していきましょうか」
アルベルトさんは部屋に置かれた大きな本棚に行き、その上に無造作に置かれている荷物の中から丸められた地図を引っ張り出してきた。
地図を机の上に広げるとその大きさはノートを二冊広げた程の大きさだった。あまり使われる事がないのか、黄ばんだ色をしたその地図は手を放すとくるりと丸まるので四隅にはその辺にあったコップや用途が分からない小物が置かれた。
この部屋で仕事をしている人達からは、見知らぬ私の事が気になるようで、ちらりちらりとこちらを時々見ながら机に向かっては書類を書いているようだった。
気にはなるが誰も私の所へ直接聞きには来ない。皆から離れた場所というのもあるのだろうが副室長という役職のアルベルトさんが一緒だからかな?と勝手に思っておく。
無駄口とか嫌いそうだもんね、アルベルト副室長って。うん、うん。
「パリス国は、大まかに3つに分かれている大陸のひとつ、カリセーユ大陸の南西にあります。北にアルザス大陸、東にブルネンダー大陸があります」
大陸を指で差しながら私にゆっくり丁寧に説明してくれている。その指は女の私よりも色が白くて、長くてすべすべな肌質をしていて、羨ましいと思ったけど黙っておく。
「パリス国は更に3つの州に分かれていて、カリス、マダラス、ラドランです。そのうちの1つカリス州にこの城、ディランザース城があります。カリス州を治めているのはセラフィード・クレイヴ・フルメヴィーラ王で―――」
「ちょっと待って。アルベルトさん、ストップー!」
説明の仕方にも、言葉使いも、聞きやすい声もなんの文句も無かった。けれど、一度に文字が読めない地図と沢山の名前を覚える事は出来ないので、出来ればメモを取りたいと思ったのだ。一度聞けば覚える程の頭を持っていないので既にパンクしそうだった。
「メモと書くもの貸して下さい。そんなにいっぱい名前覚えられませんっ」
聞き覚えのない名前ばかりだから、後で見直して覚えようと思ったのだ。
「覚えられないって、ここに名前が書いてありますから、良かったらこの地図を暫く貸しましょうか?地図は今の所使う予定もありませんから」
最初に見た時には冷たくて怖そうな人だと思ったが、そんなに怖がる事は無かったのかもしれない。困っている私に親切にも地図を貸し出してくれようとしてくれた。レナートさんが言った通り基本的に悪い人ではないのだろう。多分。
けれど、これを借りたところで誰かに教えてもらわなければ書いてある文字がそもそも読めない。アルファベットに近いようだが、さっぱりと分からなかった。
「借りたとしても、書いてある文字読めないです」
「は?」
恐らく貴重だろうと思われるアルベルトさんの抜けた顔が拝めました。美人さんは抜けた顔も麗しいなんて初めて知りました。
私がしゃべっているのは日本語。
どうやらお互い話している言葉は違うらしいのだが脳内で勝手に変換されているのか意味は分かる。
でも書かれている文字は変換されないので読めないというのが分かった。こちらの世界でも幾つか言語が違うものが有るらしいが、カリセーユ大陸では地図に使われている文字が普通らしいというのも分かった。
そこでアルベルトさんは一番近くの席にいる若い男性から紙とペンを借りて私に渡してくれた。
「地図に書き込みは出来ませんから、紙に書いていきましょう」
その提案に私は頷いた。
さっそく紙に大雑把な地図を手描きし、もう一度大陸と州、城の名前を教えてもらいながらカタカナで書き加えていった。
「始めてみる文字ですね」
見た事がない文字に興味が有るらしく、紙に書いた文字をアルベルトさんはじっと見つめている。ガーベラは暇を持て余し机の隅に座ってうとうとして、日向ぼっこを満喫している。羨ましい。可愛い。触りたいっ。でも、言いつけは守らないと。
「そうですか?こっちはカタカナで、こっちは漢字です」
パリス州のパリスを差して、こっちはカタカナ、州を差してこっちは漢字と言って説明した。
「カタカナ?カンジ?」
「ええーっと、ですねぇ。私がいた国では平仮名と片仮名と漢字を多く使って文字を書きます。あ、たまに英語も使いますけど。例えばパリス州を平仮名で書くと『ぱりすしゅう』だけど、一般的にはカタカナと漢字を使って書きます」
「文字の種類は一種類だけではないのか?」
さらに沢山の種類が有ると聞いて、アルベルトさんはきらりと眼光を鋭くすると、やや体を前のめりにさせ文字について詳しい事を聞きたがった。
仕事に熱心というか、気になった事はとことん追求していくタイプらしい。仕方なく自分の名前を例にしてたとだとしく説明した。
「カタカナで書くとホノカですけど、漢字で書くと穂叶と書きます。で、ひらがなでかくとですねー・・・」
その後は陛下との面会の許可を貰ったレナートさんが帰ってくるまで、何故か日本の文字についてアルベルトさんに教える側になっていた。
借りた紙には私が書いた漢字やひらがながいっぱいになって埋め尽くされていたのだった。
0
お気に入りに追加
416
あなたにおすすめの小説
ANGRAECUM-Genuine
清杉悠樹
恋愛
エマ・マクリーンは城で開催される新年の祝賀行事に参加することになった。
同時に舞踏会も開催されるその行事に、若い娘なら誰もが成人となって初めて参加するなら期待でわくわくするはずが、エマは失望と絶望しか感じていなかった。
何故なら父からは今日会わせる相手と結婚するように言われたからだ。
昔から父から愛情も受けた記憶が無ければ、母が亡くなり、継母が出来たが醜い子と言われ続け、本邸の離れに年老いた侍女と2人暮らしている。
そんな父からの突然の命令だったが背けるわけがなく、どんな相手だろうが受け入れてただ大人しくすることしか出来ない。
そんな祝賀行事で、運命を変える出会いが待っていた。魔法を扱う部署のマギ課室長レナート・シルヴィオと、その義妹、ホノカ・シルヴィオと出会って。
私、こんな幸せになってもいいんですか?
聖獣というもふもふが沢山出て来て、魔法もある世界です。最初は暗いですが、途中からはほのぼのとする予定です。最後はハッピーエンドです。
関連作品として、CLOVER-Genuine(注:R18指定)があります。
ANGRAECUM-Genuineは、CLOVER-Genuineのその後という感じの流れになっています。
出来ればCLOVER-Genuineを読んだ後にこちらを読んで頂いた方が分かり易いかと思います。
アルファポリス、小説家になろう、pixivに同時公開しています。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
【完結】魔力がないと見下されていた私は仮面で素顔を隠した伯爵と結婚することになりました〜さらに魔力石まで作り出せなんて、冗談じゃない〜
光城 朱純
ファンタジー
魔力が強いはずの見た目に生まれた王女リーゼロッテ。
それにも拘わらず、魔力の片鱗すらみえないリーゼロッテは家族中から疎まれ、ある日辺境伯との結婚を決められる。
自分のあざを隠す為に仮面をつけて生活する辺境伯は、龍を操ることができると噂の伯爵。
隣に魔獣の出る森を持ち、雪深い辺境地での冷たい辺境伯との新婚生活は、身も心も凍えそう。
それでも国の端でひっそり生きていくから、もう放っておいて下さい。
私のことは私で何とかします。
ですから、国のことは国王が何とかすればいいのです。
魔力が使えない私に、魔力石を作り出せだなんて、そんなの無茶です。
もし作り出すことができたとしても、やすやすと渡したりしませんよ?
これまで虐げられた分、ちゃんと返して下さいね。
表紙はPhoto AC様よりお借りしております。
命を狙われたお飾り妃の最後の願い
幌あきら
恋愛
【異世界恋愛・ざまぁ系・ハピエン】
重要な式典の真っ最中、いきなりシャンデリアが落ちた――。狙われたのは王妃イベリナ。
イベリナ妃の命を狙ったのは、国王の愛人ジャスミンだった。
短め連載・完結まで予約済みです。設定ゆるいです。
『ベビ待ち』の女性の心情がでてきます。『逆マタハラ』などの表現もあります。苦手な方はお控えください、すみません。
冷徹宰相様の嫁探し
菱沼あゆ
ファンタジー
あまり裕福でない公爵家の次女、マレーヌは、ある日突然、第一王子エヴァンの正妃となるよう、申し渡される。
その知らせを持って来たのは、若き宰相アルベルトだったが。
マレーヌは思う。
いやいやいやっ。
私が好きなのは、王子様じゃなくてあなたの方なんですけど~っ!?
実家が無害そう、という理由で王子の妃に選ばれたマレーヌと、冷徹宰相の恋物語。
(「小説家になろう」でも公開しています)
悪役令嬢エリザベート物語
kirara
ファンタジー
私の名前はエリザベート・ノイズ
公爵令嬢である。
前世の名前は横川禮子。大学を卒業して入った企業でOLをしていたが、ある日の帰宅時に赤信号を無視してスクランブル交差点に飛び込んできた大型トラックとぶつかりそうになって。それからどうなったのだろう。気が付いた時には私は別の世界に転生していた。
ここは乙女ゲームの世界だ。そして私は悪役令嬢に生まれかわった。そのことを5歳の誕生パーティーの夜に知るのだった。
父はアフレイド・ノイズ公爵。
ノイズ公爵家の家長であり王国の重鎮。
魔法騎士団の総団長でもある。
母はマーガレット。
隣国アミルダ王国の第2王女。隣国の聖女の娘でもある。
兄の名前はリアム。
前世の記憶にある「乙女ゲーム」の中のエリザベート・ノイズは、王都学園の卒業パーティで、ウィリアム王太子殿下に真実の愛を見つけたと婚約を破棄され、身に覚えのない罪をきせられて国外に追放される。
そして、国境の手前で何者かに事故にみせかけて殺害されてしまうのだ。
王太子と婚約なんてするものか。
国外追放になどなるものか。
乙女ゲームの中では一人ぼっちだったエリザベート。
私は人生をあきらめない。
エリザベート・ノイズの二回目の人生が始まった。
⭐️第16回 ファンタジー小説大賞参加中です。応援してくれると嬉しいです

婚約破棄なんてどうでもいい脇役だし。この肉うめぇ
ゼロ
恋愛
婚約破棄を傍観する主人公の話。傍観出来てないが。
42話の“私の婚約者”を“俺の婚約者”に変更いたしました。
43話のセオの発言に一部追加しました。
40話のメイド長の名前をメリアに直します。
ご迷惑おかけしてすみません。
牢屋と思い出、順番間違え間違えて公開にしていたので一旦さげます。代わりに明日公開する予定だった101話を公開させてもらいます。ご迷惑をおかけしてすいませんでした。
説明1と2を追加しました。
稀代の悪女として処刑されたはずの私は、なぜか幼女になって公爵様に溺愛されています
水谷繭
ファンタジー
グレースは皆に悪女と罵られながら処刑された。しかし、確かに死んだはずが目を覚ますと森の中だった。その上、なぜか元の姿とは似ても似つかない幼女の姿になっている。
森を彷徨っていたグレースは、公爵様に見つかりお屋敷に引き取られることに。初めは戸惑っていたグレースだが、都合がいいので、かわい子ぶって公爵家の力を利用することに決める。
公爵様にシャーリーと名付けられ、溺愛されながら過ごすグレース。そんなある日、前世で自分を陥れたシスターと出くわす。公爵様に好意を持っているそのシスターは、シャーリーを世話するという口実で公爵に近づこうとする。シスターの目的を察したグレースは、彼女に復讐することを思いつき……。
◇画像はGirly Drop様からお借りしました
◆エール送ってくれた方ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる