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14 母親
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「俺はお前に城の事と一般常識を教えるように伝えた筈だがな」
上司から嫌みを言われた部下の副室長アルベルトは自分に非が有るのは明らかだったので、大人しく非礼を詫びていた。
まあ、目の前に証拠品がありますからね、言い逃れは出来ませんよね。
「申し訳ありませんでした」
「まあ、いい。確かに見た事もない文字を目の前で使われれば俺も気になる」
紙に埋め尽くさんばかりに書かれている日本の文字を見てレナートさんも肩を竦めていた。
「皆、ちょっと手を止めて聞いてくれ」
室長らしくレナートさんは部屋にいる全員に聞こえるように声を上げた。
「ここにいるホノカ嬢は俺の遠縁に当たる子で、暫くマギ課で面倒を見る事になった。魔法に付いての学ぶ為にやってきた彼女は異国から来たから知らない事が多い。困ってたら色々と教えてやって欲しい。ただし、この子はセオドールが大事にしてる子だ。いいか、ここはマギ室だ。説明するまでもないだろうが、この意味は分かってるな?」
部屋にいた男の人達からはどよめいた声が聞こえてきた。
マギ課の他のメンバーに穂叶の事は遠縁にあたると説明した。異国から来たというのは、異世界からだというのは知られると拙いからだよね。そういう設定に決まったんですね、覚えました。了解です。
それは別に良いんだけど、セオドールさんと恋人になったのは今朝の事なのに、ばらすようなことを勝手に言っちゃって良いんですか?レナートさーん。私も恥ずかしいんですけど。
それと、最後の『この意味は分かるよなって』どう意味ですか、私には分かりませんでしたよっ。
小声で近くにいたアルベルトさんに説明を求めた。めんどくさそうにしながらも答えてくれた。うん、面倒見も割といいよね、アルベルトさんは。
「訳ありのホノカという子を預かる羽目になったから困ってたら助けてやってくれ。それ以外は見た事、聞いたことは他言無用。他から聞かれても知らぬ、存ぜぬを貫き通せ。それが守れないものはマギ課には必要なし。分かってるな、お前達?」
って、余計に意味分かんないんですけど。
しょうがない、レナートさんに直接同じ質問をしようと思ったらする前に私に向かって頷いていた。
「えっ、今ので、合ってるんですか?」
まさかねーと思いながら聞いたのに。
「ああ、合ってるな」
「ええーっ!?」
翻訳したアルベルトさんも凄いと思うけど、その言葉を本当に皆も理解していたのか他のメンバーの顔を窺ってみた。
中には青ざめた人もいて、紙と書くものを貸してくれた男の人は、私に対して無言で感謝のしるしを送ってきていた。
私以外にも理解できていない人がいるんじゃん。駄目じゃない室長!
もしかして、マギ課は顎髭ちょい悪オジサンと恐慌光線ばら撒き美形で恐怖政治を敷いるんじゃあ?と疑いの目を二人に向けた。
「失礼ですね、そんな恐怖政治なんて事はしてませんよ」
「ぎゃっ、何にも言ってないのにっ!アルベルトさん、なんで分かったんですか!?」
私、まだ何も口に出して言ってませんよっ!?
「見れば分かりますよ。そんな分かりやすい表情してれば」
ええーっ、じゃあ顎髭ちょい悪オジサンと恐慌光線ばら撒き美形って考えていたのもばれてるのかなぁ。ばれたらすっっっごい嫌み言われそうで怖いんですけど・・・。
「・・・貴方、今、私に対して何か失礼な事考えてませんでしたか?」
「ひぃっ!」
高身長から眼鏡の奥に潜む切れ長の薄青の瞳からは再び鋭い光線を発せられ、直接攻撃で射抜かれた私は震えあがった。
「アルベルト・・・だから、女の子相手に凄むなって」
そんな政治を敷いているかもしれない疑惑のこの課のトップは話題を変えて私を救ってくれた。顎鬚ちょい悪オジサンから、少し格上げ修正して顎鬚ちょい悪ダンディおじ様ぐらいにしておこう。うむ。
「ところでホノカ嬢。陛下の所へ行った帰りに丁度廊下でセオドールの母親と偶然会えて、今マギ課にホノカ嬢がいる事を伝えたら会いたいと言ってきてるんだがどうする?噂でお嬢の事は既に聞いてたらしいな。午後からは丁度休みに入るらしくてセオドールの代わりに後の面倒を見てくれるということになったんだが、それでいいか?」
「えーっと、もちろん構いませんけど・・・」
いいかと言われて断る理由もないので了承するしかないのだが。
ただいきなり好きな人のお母さんに会うという事になったって言う事にちょっと心の準備が追いつかないだけだ。
「アルベルト。それまではお前はもう一度ホノカ嬢の面倒を見ているように。今度こそ言いつけは守れよ」
「・・・しかと承りました」
それからは城の大まかな構造と仕組みの他に、食べ物や暦、魔法の他に聖獣の食べるマレサの木に付いて教えて貰った。
折角教えてもらったのだが、城の事に付いては右から左へと綺麗に流れて行ってしまった。聞いた事も無い課の名前や所属を説明されたって分かんないってば。この国には王様がいて統治しているのだけ理解したからなんとかなるだろう。一般市民の私は関係ないし。
食べ物の主食はパンで、肉料理が多くて魚料理は少ないみたい。パスタも少しはあるらしい。飲み物は紅茶がメインで、珈琲も有るらしいけどハーブは殆ど飲まないみたい。
お茶受けには焼き菓子やチョコレートは有るらしいけど、ふわふわのケーキに生クリームやアイスクリーム、和菓子なども無いみたい。食べれないと分かると無性に食べたくならない?。その時は自力で作らないと食べれないのか。ちょっとため息。
一年の区切りも季節の事も教えてもらった。一年は十二月で数える所は元の世界と同じで、季節は日本ほど四季がはっきりと有る訳じゃないけれど、短い夏と長い冬が有るらしい。
今は11月。先月は大きなイベントとして収穫祭が有ったらしい。今からだと、お正月のお祝いとか、春の訪れを祝うものが有るらしい。暦が同じで覚える事が1つでも減ってくれて助かった。
それよりは聖獣にも関するマレサの木というのに興味がある。やっぱりハーブカフェで働く職業柄、植物の事だからかな?人が育成できないというのが面白い。
帰ったら絶対裏庭にあるその木を見せてもらわなくちゃと意気込んだ。
魔法に関しても教えてもらったけれど、使った事が無いのでいまいち理解出来ずに終わってしまった。不出来な生徒に少々アルベルト先生はイラっとしたようです。
・・・御免なさい。これでも真剣に聞いてるんです。わざとじゃないんですよ。その辺りはアルベルトさんも分かってくれてるみたいではある様ですけどね。はぁ。
昼近くになって一度セオドールさんがマギ課へとやってきた。
これで勉強は終了ですねっ。疲れたよー。
こっそり先生にばれない様に密かに喜んでいると、これ見よがしに肩の凝りを解しているアルベルト先生を見て、むっとしたけど一応我慢した。一応私も大人ですから。出来の悪い生徒なのは嫌という程自覚もあることだし・・・。
セオドールさんの後ろには見知らぬ年配の女の人も一緒にいた。誰だろうと思っていると、
「貴方がホノカさんね?始めましてホノカさん。セオドールの母、シェリー・ブラッドリーです。どうぞ宜しくお願いします」
挨拶と一緒に母親のシェリーさんが笑った目の周りには年相応の皺が出来ていた。その目元の作りはセオドールさんとこの人は親子だなと思える程によく似ていた。
シェリーさんの柔らかい物腰と優しそうな雰囲気を見て、会う前に感じていた緊張を体から抜く事が出来た。
「始めまして、穂叶 米本です。こちらこそ、家に泊めて頂いて有り難うございました」
「あら、息子からはヨネモトホノカさんと聞いていたのだけれど。なら、ヨネモトさんとお呼びした方が良かったわね」
まだ知り合ったばかりだから、セオドールとレナートはファーストネームを呼んでいたつもりが、ラストネームを呼ばれていた事になる。しかも、私は二人の事はファーストネームで呼んでいたという。
ああ、もう、ややこしいな。
「いいえ。済みません、私の居た所では先にファミリーネームが先に来るのが当たり前だったので。さっきアルベルトさんに聞いて逆だったと気が付きました。私の事は是非、穂叶と呼んでください。セオドールさんも」
セオドールは私の名前を間違って教えていた事に頷いてくれた。
「そう?では、私の事はシェリーと呼んでくれるかしら。息子から話は聞いてます。・・・大変だったわね、でも大丈夫よ、必ず私達が貴方の事を守ってあげる。安心してうちで生活して頂戴」
思いがけずシェリーさんから優しい言葉をかけてもらい思わず私は涙ぐんでしまった。
「有り難うございます。宜しくお願いします」
「いいのよ。さ、一緒に家へ行きましょうか?」
シェリーさんは優しく微笑んだ。
「はい」
上司から嫌みを言われた部下の副室長アルベルトは自分に非が有るのは明らかだったので、大人しく非礼を詫びていた。
まあ、目の前に証拠品がありますからね、言い逃れは出来ませんよね。
「申し訳ありませんでした」
「まあ、いい。確かに見た事もない文字を目の前で使われれば俺も気になる」
紙に埋め尽くさんばかりに書かれている日本の文字を見てレナートさんも肩を竦めていた。
「皆、ちょっと手を止めて聞いてくれ」
室長らしくレナートさんは部屋にいる全員に聞こえるように声を上げた。
「ここにいるホノカ嬢は俺の遠縁に当たる子で、暫くマギ課で面倒を見る事になった。魔法に付いての学ぶ為にやってきた彼女は異国から来たから知らない事が多い。困ってたら色々と教えてやって欲しい。ただし、この子はセオドールが大事にしてる子だ。いいか、ここはマギ室だ。説明するまでもないだろうが、この意味は分かってるな?」
部屋にいた男の人達からはどよめいた声が聞こえてきた。
マギ課の他のメンバーに穂叶の事は遠縁にあたると説明した。異国から来たというのは、異世界からだというのは知られると拙いからだよね。そういう設定に決まったんですね、覚えました。了解です。
それは別に良いんだけど、セオドールさんと恋人になったのは今朝の事なのに、ばらすようなことを勝手に言っちゃって良いんですか?レナートさーん。私も恥ずかしいんですけど。
それと、最後の『この意味は分かるよなって』どう意味ですか、私には分かりませんでしたよっ。
小声で近くにいたアルベルトさんに説明を求めた。めんどくさそうにしながらも答えてくれた。うん、面倒見も割といいよね、アルベルトさんは。
「訳ありのホノカという子を預かる羽目になったから困ってたら助けてやってくれ。それ以外は見た事、聞いたことは他言無用。他から聞かれても知らぬ、存ぜぬを貫き通せ。それが守れないものはマギ課には必要なし。分かってるな、お前達?」
って、余計に意味分かんないんですけど。
しょうがない、レナートさんに直接同じ質問をしようと思ったらする前に私に向かって頷いていた。
「えっ、今ので、合ってるんですか?」
まさかねーと思いながら聞いたのに。
「ああ、合ってるな」
「ええーっ!?」
翻訳したアルベルトさんも凄いと思うけど、その言葉を本当に皆も理解していたのか他のメンバーの顔を窺ってみた。
中には青ざめた人もいて、紙と書くものを貸してくれた男の人は、私に対して無言で感謝のしるしを送ってきていた。
私以外にも理解できていない人がいるんじゃん。駄目じゃない室長!
もしかして、マギ課は顎髭ちょい悪オジサンと恐慌光線ばら撒き美形で恐怖政治を敷いるんじゃあ?と疑いの目を二人に向けた。
「失礼ですね、そんな恐怖政治なんて事はしてませんよ」
「ぎゃっ、何にも言ってないのにっ!アルベルトさん、なんで分かったんですか!?」
私、まだ何も口に出して言ってませんよっ!?
「見れば分かりますよ。そんな分かりやすい表情してれば」
ええーっ、じゃあ顎髭ちょい悪オジサンと恐慌光線ばら撒き美形って考えていたのもばれてるのかなぁ。ばれたらすっっっごい嫌み言われそうで怖いんですけど・・・。
「・・・貴方、今、私に対して何か失礼な事考えてませんでしたか?」
「ひぃっ!」
高身長から眼鏡の奥に潜む切れ長の薄青の瞳からは再び鋭い光線を発せられ、直接攻撃で射抜かれた私は震えあがった。
「アルベルト・・・だから、女の子相手に凄むなって」
そんな政治を敷いているかもしれない疑惑のこの課のトップは話題を変えて私を救ってくれた。顎鬚ちょい悪オジサンから、少し格上げ修正して顎鬚ちょい悪ダンディおじ様ぐらいにしておこう。うむ。
「ところでホノカ嬢。陛下の所へ行った帰りに丁度廊下でセオドールの母親と偶然会えて、今マギ課にホノカ嬢がいる事を伝えたら会いたいと言ってきてるんだがどうする?噂でお嬢の事は既に聞いてたらしいな。午後からは丁度休みに入るらしくてセオドールの代わりに後の面倒を見てくれるということになったんだが、それでいいか?」
「えーっと、もちろん構いませんけど・・・」
いいかと言われて断る理由もないので了承するしかないのだが。
ただいきなり好きな人のお母さんに会うという事になったって言う事にちょっと心の準備が追いつかないだけだ。
「アルベルト。それまではお前はもう一度ホノカ嬢の面倒を見ているように。今度こそ言いつけは守れよ」
「・・・しかと承りました」
それからは城の大まかな構造と仕組みの他に、食べ物や暦、魔法の他に聖獣の食べるマレサの木に付いて教えて貰った。
折角教えてもらったのだが、城の事に付いては右から左へと綺麗に流れて行ってしまった。聞いた事も無い課の名前や所属を説明されたって分かんないってば。この国には王様がいて統治しているのだけ理解したからなんとかなるだろう。一般市民の私は関係ないし。
食べ物の主食はパンで、肉料理が多くて魚料理は少ないみたい。パスタも少しはあるらしい。飲み物は紅茶がメインで、珈琲も有るらしいけどハーブは殆ど飲まないみたい。
お茶受けには焼き菓子やチョコレートは有るらしいけど、ふわふわのケーキに生クリームやアイスクリーム、和菓子なども無いみたい。食べれないと分かると無性に食べたくならない?。その時は自力で作らないと食べれないのか。ちょっとため息。
一年の区切りも季節の事も教えてもらった。一年は十二月で数える所は元の世界と同じで、季節は日本ほど四季がはっきりと有る訳じゃないけれど、短い夏と長い冬が有るらしい。
今は11月。先月は大きなイベントとして収穫祭が有ったらしい。今からだと、お正月のお祝いとか、春の訪れを祝うものが有るらしい。暦が同じで覚える事が1つでも減ってくれて助かった。
それよりは聖獣にも関するマレサの木というのに興味がある。やっぱりハーブカフェで働く職業柄、植物の事だからかな?人が育成できないというのが面白い。
帰ったら絶対裏庭にあるその木を見せてもらわなくちゃと意気込んだ。
魔法に関しても教えてもらったけれど、使った事が無いのでいまいち理解出来ずに終わってしまった。不出来な生徒に少々アルベルト先生はイラっとしたようです。
・・・御免なさい。これでも真剣に聞いてるんです。わざとじゃないんですよ。その辺りはアルベルトさんも分かってくれてるみたいではある様ですけどね。はぁ。
昼近くになって一度セオドールさんがマギ課へとやってきた。
これで勉強は終了ですねっ。疲れたよー。
こっそり先生にばれない様に密かに喜んでいると、これ見よがしに肩の凝りを解しているアルベルト先生を見て、むっとしたけど一応我慢した。一応私も大人ですから。出来の悪い生徒なのは嫌という程自覚もあることだし・・・。
セオドールさんの後ろには見知らぬ年配の女の人も一緒にいた。誰だろうと思っていると、
「貴方がホノカさんね?始めましてホノカさん。セオドールの母、シェリー・ブラッドリーです。どうぞ宜しくお願いします」
挨拶と一緒に母親のシェリーさんが笑った目の周りには年相応の皺が出来ていた。その目元の作りはセオドールさんとこの人は親子だなと思える程によく似ていた。
シェリーさんの柔らかい物腰と優しそうな雰囲気を見て、会う前に感じていた緊張を体から抜く事が出来た。
「始めまして、穂叶 米本です。こちらこそ、家に泊めて頂いて有り難うございました」
「あら、息子からはヨネモトホノカさんと聞いていたのだけれど。なら、ヨネモトさんとお呼びした方が良かったわね」
まだ知り合ったばかりだから、セオドールとレナートはファーストネームを呼んでいたつもりが、ラストネームを呼ばれていた事になる。しかも、私は二人の事はファーストネームで呼んでいたという。
ああ、もう、ややこしいな。
「いいえ。済みません、私の居た所では先にファミリーネームが先に来るのが当たり前だったので。さっきアルベルトさんに聞いて逆だったと気が付きました。私の事は是非、穂叶と呼んでください。セオドールさんも」
セオドールは私の名前を間違って教えていた事に頷いてくれた。
「そう?では、私の事はシェリーと呼んでくれるかしら。息子から話は聞いてます。・・・大変だったわね、でも大丈夫よ、必ず私達が貴方の事を守ってあげる。安心してうちで生活して頂戴」
思いがけずシェリーさんから優しい言葉をかけてもらい思わず私は涙ぐんでしまった。
「有り難うございます。宜しくお願いします」
「いいのよ。さ、一緒に家へ行きましょうか?」
シェリーさんは優しく微笑んだ。
「はい」
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◇画像はGirly Drop様からお借りしました
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