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どんなドラマ見てる?好きな俳優は?
どんな音楽が好き?ジャンルは?
好きな食べ物は?和食?洋食?
甘いものって好き?洋菓子と和菓子ならどっち?
新しく変わった環境、職場やクラス編成などで良く交わされる質問ではないだろうか。はたまた、気になる相手の事を知りたくて、ということもあるだろう。
犬が好き?猫が好き?
これもお互いの事を知るための話題の一つに出される質問ではないだろうか。少なくとも俺は生まれてこの方、何度か受けた覚えがある。
自分の見た目から初対面の人からは敬遠されがちなことから、そういった質問が聞かれるのは随分と時間が経て友達になってからだが。
そんな自分とは違い、おそらく世間一般ではわりと初期段階で交わされる質問の一つだろうと考えている。
だが、俺は出来ることなら声を大にして言いたい。
『犬と猫、どっちが好き?』
好きな動物は犬か猫と何故決めつけるのかと。どうしてその二択なのかと。
いや分かっている。飼育されているペットといえば、犬と猫が大部分を占めていることくらいは。
日本だけじゃない、世界でも同じだと言うことくらいは分かっているんだ。
俺も犬や猫も嫌いじゃぁない。それどころか、かなり好きだと宣言も出来る。
休日に暇で散歩へと出かけた時に、通りがりに散歩している犬を見れば可愛いなぁと思うし、運よく触らせてくれる野良猫がいれば存分に撫でまわす位には好きだ。(構いすぎで嫌がれること多数あったとしても)
「お前って、犬派?猫派?っていうか、動物なんて好きじゃないか。まあ、お前に動物は似合わねーか」
動物の方が逃げる面子だしなぁ。と、学生の頃クラス替えで友達未満の同級生から無遠慮に言われたことがある。小学校低学年だった幼心にチクリと痛んだ経験が一度ならず、数度。
そんな経験を繰り返せば、普段から人前で動物が好きだなんて自ら公開は控えるようになるというもの。
動物が似合わないと言われても、傷ついていない態度を取り続けた自分にも、落ち度はあっただろうと今では思う。
―――容姿って容赦ない。
初対面の奴からさえ言われるのも仕方がないと自分ですら思える部分は、確かにある。
まずは名前。
大熊正剛《おおくままさたけ》。
苗字に熊が入っている。それだけでも力強さを感じさせる漢字一字だと思うのに、「大」まで付属している。巨大な熊ってどうなんだ?
そして親から貰った名前は「正剛」。まっすぐ丈夫に育つようと込められたらしい。
家族共々も一緒になって、幼少期から体を動かす機会が多くあった。両親の願いの込めた名前のお陰か随分と体格には恵まれたと思っている。
そんな希望の込められた名前のせいなのか、遺伝子がそうさせたのは分からないが、186cmと家族の中で一番丈が伸び、見た目も一番ごつくなってしまった。
体の大きさも、名前からも他者にはいかにも強そうなイメージを与える。
まあ、なってしまったものはしょうがない。多少服を購入する際サイズに困ることくらいで、風邪も滅多に引かない丈夫な体は気に入っている。
だが動物が似合わないと言われる所以は名前だけではない。むしろ、名前は後付けだろう。
はっきりと言ってそれは「見た目」だ。
視覚から威圧感を与えているのではどうしようもないだろう。
高身長と、ガタイの良さ。肩幅もあるからさらに威圧感は増しているのだろう。
そして、極め付は「目つき」だ。
初対面に限らず、仲の良い筈の友達にさえ今日は機嫌悪いのかと聞かれるほどに凶悪な面相が拍車を掛けている、らしい。自分ではそんなつもりは全くないし、意識して凶悪な表情なんてしていないのだが。
あるとすれば、学校での休み時間に窓ギラの席で眠くて眠くてぼうっとして、このままうっかり寝てしまいそうになっている心穏やから気分でいたというのに、なんでそんなに凶悪面でいやがると丸めたノートでパコンと友達に
理不尽に叩かれた後だろうか。その衝撃で目が覚め、柄の悪いヤツみたいな低い声で「アァッ!?」と思わず言ってしまった俺は悪くない。
決して、凄み睨んだわけではない。純粋に驚いただけだ。
短い黒髪をセットし清潔感を出しているものの、目はよく言えばスッキリ、悪く言えば鋭すぎる。じいっと視線を当て続けるのも癖となっている。顔のパーツ一つ一つはバランスが悪いわけではないのだが、目つきが悪く見える為、爽やかというより圧力を感じる風貌。
ゆえに、厳つい大男の動物好きなんて、家族や仲の良い友達からでさえイメージじゃないやら、似合わない、はたまたいじめてるんじゃないのかと冗談交じりに言われることもある。
―――だから、自分の容姿は相手に相当な威圧感を感じさせることは理解しているがゆえに、自分から進んで言うことが出来ない。円満な社会生活を送るためには、必要不可欠なことだと割り切ってはいる。
頭ではそう思っていても、心では違う。表には出さないだけで、本心ではない。だからと言って、おおっぴらにも言えずにいる小心者。それが自分だ。
もし動物隙を隠さず、行動したらどうなるのかと想像する。もしかすると小動物相手にいじめをしているんじゃないかと、ほぼ他人に近い知り合いから投げられた時は、おそらくダメージが半端ないだろう。中には全然気にせずに動物好きと認めてくれる人もいるのかもしれないが少数派だろう。だから動物好きをさらけ出すことには抵抗がある。
もふもふは正義だ。好きなものは好きなんだ。ただ愛らしいから愛でているだけなんだ!素直に全力で言えたらどれだけ楽だろう。楽しいことだろう。
そう想像はするものの、行動には移す踏ん切りはつかない。思うだけだ。
厳つい容姿と全く似合わないからといって、触ることをすべてを諦めるまでは考えられないくらいには、やっぱりもふもふ好きで、人目が無いところでだけ幸せを噛みしめる。
それが正剛という男なのだった。
どんな音楽が好き?ジャンルは?
好きな食べ物は?和食?洋食?
甘いものって好き?洋菓子と和菓子ならどっち?
新しく変わった環境、職場やクラス編成などで良く交わされる質問ではないだろうか。はたまた、気になる相手の事を知りたくて、ということもあるだろう。
犬が好き?猫が好き?
これもお互いの事を知るための話題の一つに出される質問ではないだろうか。少なくとも俺は生まれてこの方、何度か受けた覚えがある。
自分の見た目から初対面の人からは敬遠されがちなことから、そういった質問が聞かれるのは随分と時間が経て友達になってからだが。
そんな自分とは違い、おそらく世間一般ではわりと初期段階で交わされる質問の一つだろうと考えている。
だが、俺は出来ることなら声を大にして言いたい。
『犬と猫、どっちが好き?』
好きな動物は犬か猫と何故決めつけるのかと。どうしてその二択なのかと。
いや分かっている。飼育されているペットといえば、犬と猫が大部分を占めていることくらいは。
日本だけじゃない、世界でも同じだと言うことくらいは分かっているんだ。
俺も犬や猫も嫌いじゃぁない。それどころか、かなり好きだと宣言も出来る。
休日に暇で散歩へと出かけた時に、通りがりに散歩している犬を見れば可愛いなぁと思うし、運よく触らせてくれる野良猫がいれば存分に撫でまわす位には好きだ。(構いすぎで嫌がれること多数あったとしても)
「お前って、犬派?猫派?っていうか、動物なんて好きじゃないか。まあ、お前に動物は似合わねーか」
動物の方が逃げる面子だしなぁ。と、学生の頃クラス替えで友達未満の同級生から無遠慮に言われたことがある。小学校低学年だった幼心にチクリと痛んだ経験が一度ならず、数度。
そんな経験を繰り返せば、普段から人前で動物が好きだなんて自ら公開は控えるようになるというもの。
動物が似合わないと言われても、傷ついていない態度を取り続けた自分にも、落ち度はあっただろうと今では思う。
―――容姿って容赦ない。
初対面の奴からさえ言われるのも仕方がないと自分ですら思える部分は、確かにある。
まずは名前。
大熊正剛《おおくままさたけ》。
苗字に熊が入っている。それだけでも力強さを感じさせる漢字一字だと思うのに、「大」まで付属している。巨大な熊ってどうなんだ?
そして親から貰った名前は「正剛」。まっすぐ丈夫に育つようと込められたらしい。
家族共々も一緒になって、幼少期から体を動かす機会が多くあった。両親の願いの込めた名前のお陰か随分と体格には恵まれたと思っている。
そんな希望の込められた名前のせいなのか、遺伝子がそうさせたのは分からないが、186cmと家族の中で一番丈が伸び、見た目も一番ごつくなってしまった。
体の大きさも、名前からも他者にはいかにも強そうなイメージを与える。
まあ、なってしまったものはしょうがない。多少服を購入する際サイズに困ることくらいで、風邪も滅多に引かない丈夫な体は気に入っている。
だが動物が似合わないと言われる所以は名前だけではない。むしろ、名前は後付けだろう。
はっきりと言ってそれは「見た目」だ。
視覚から威圧感を与えているのではどうしようもないだろう。
高身長と、ガタイの良さ。肩幅もあるからさらに威圧感は増しているのだろう。
そして、極め付は「目つき」だ。
初対面に限らず、仲の良い筈の友達にさえ今日は機嫌悪いのかと聞かれるほどに凶悪な面相が拍車を掛けている、らしい。自分ではそんなつもりは全くないし、意識して凶悪な表情なんてしていないのだが。
あるとすれば、学校での休み時間に窓ギラの席で眠くて眠くてぼうっとして、このままうっかり寝てしまいそうになっている心穏やから気分でいたというのに、なんでそんなに凶悪面でいやがると丸めたノートでパコンと友達に
理不尽に叩かれた後だろうか。その衝撃で目が覚め、柄の悪いヤツみたいな低い声で「アァッ!?」と思わず言ってしまった俺は悪くない。
決して、凄み睨んだわけではない。純粋に驚いただけだ。
短い黒髪をセットし清潔感を出しているものの、目はよく言えばスッキリ、悪く言えば鋭すぎる。じいっと視線を当て続けるのも癖となっている。顔のパーツ一つ一つはバランスが悪いわけではないのだが、目つきが悪く見える為、爽やかというより圧力を感じる風貌。
ゆえに、厳つい大男の動物好きなんて、家族や仲の良い友達からでさえイメージじゃないやら、似合わない、はたまたいじめてるんじゃないのかと冗談交じりに言われることもある。
―――だから、自分の容姿は相手に相当な威圧感を感じさせることは理解しているがゆえに、自分から進んで言うことが出来ない。円満な社会生活を送るためには、必要不可欠なことだと割り切ってはいる。
頭ではそう思っていても、心では違う。表には出さないだけで、本心ではない。だからと言って、おおっぴらにも言えずにいる小心者。それが自分だ。
もし動物隙を隠さず、行動したらどうなるのかと想像する。もしかすると小動物相手にいじめをしているんじゃないかと、ほぼ他人に近い知り合いから投げられた時は、おそらくダメージが半端ないだろう。中には全然気にせずに動物好きと認めてくれる人もいるのかもしれないが少数派だろう。だから動物好きをさらけ出すことには抵抗がある。
もふもふは正義だ。好きなものは好きなんだ。ただ愛らしいから愛でているだけなんだ!素直に全力で言えたらどれだけ楽だろう。楽しいことだろう。
そう想像はするものの、行動には移す踏ん切りはつかない。思うだけだ。
厳つい容姿と全く似合わないからといって、触ることをすべてを諦めるまでは考えられないくらいには、やっぱりもふもふ好きで、人目が無いところでだけ幸せを噛みしめる。
それが正剛という男なのだった。
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