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縁の始まり 2
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お使いを終えて走る必要が無くなり、仕事場へぽとぽと歩いているのは、橘 彩華(たちばな あやか)。
21才。身長155cm。体重は…おそらく、標準。(体重計?怖くて乗れません!)
食べることが大好きで、特に洋菓子が大好き!
趣味は、手芸と漫画・小説を読むこと。
少女漫画、少年漫画はもちろんのこと、小説もライトノベル、ファンタジー、恋愛、BLとジャンルは拘らず、アニメも大好き!です。
高校では手芸部に在籍し、小物全般作ることを得意としていたが類は友を呼ぶとはよく言ったのもので、手芸部の仲間には漫画・アニメ好きな友達も少なからずおり、手先の器用さから友達にはコミックマーケットに参加するコスプレ衣装の作成の手伝いをされることも多かった。
手伝うだけで彩華は参加しなかったが、自分の作った衣装を着た友人や知らない人のポーズを決めた写真を見るのは楽しかったし、イベント会場で自分が作った衣装を色んな人から褒められたのーと友人から聞くと素直に嬉しかった。
その流れから服飾の専門学校を去年卒業したが、在籍中にお世話になる事が多かった手芸店に就職が運よく決まり、3人兄弟の兄の就職先が彩華の職場と割と近かったために同じアパートで暮らしている。(ちなみに下の妹は高校生で実家にいます)
勤めている手芸店「たかやま」は、商業ビルが大多数を占めるエリアの中、問屋が幾つか集まっている区画のビルの1F。従業員数8人と少数精鋭。働き始めて約4カ月。
店舗で手芸の材料は直接買うことも出来るのだが、主な販売はネット通販。布はもちろん、ビーズや革、毛糸、和洋栽材料も取り扱っており、大きなものから、小さなものまでとにかく種類が多く、在庫も然り。人数が少ないので、彩華の仕事内容も注文通りの商品を揃えることはもちろんのこと、ネットで紹介する小物の作品作り・キット販売の作成、ネット用の作品用・材料写真を撮るお手伝いもやっている。
お店は基本土日はお休み。休みが多いのは結構なのだが、手芸に読書が大好きとインドアな趣味が多く、内気な性格も災いして、学生時代に憧れる異性がいても告白まで至らず、結果憧れは憧れのまま終わる結末しか経験がない。
その為、年齢イコール彼氏居ない歴で、趣味につぎ込む金額が大きく、普段の服装も自分で作ったシンプルな服やアクセサリーが多く、ブランドの服、化粧品などに殆ど投資しなかった。
髪は背中の中程までと長く、軽く茶系に染めてはいるが仕事の邪魔になるからと一括りして、サイドや後頭部の高めにシニョンをし、シュシュを付けることが多い。
趣味を同じくする同性の友人達にも彼氏が居ないものが多く、休日は趣味の充実に充てるのが当たり前になっていて、彼氏が欲しくないかと言われれば欲しいとば欲しいかな?っていうレベルでどうしてもという訳でもなくて。
そんな彩華だったが、ある日突然、一目ぼれを経験したのだった。
彼に出会ったのは、手芸店たかやまで働き初めてからすぐのことだった。
彩華が、コーヒーショップ・クレマチスのマスターこと、中崎 浩介(なかさき こうすけ)に始めて合ったのは、就職した手芸店「たかやま」で働き始めて数日後。
通販で注文された商品を発送するために貼るラベルをパソコンで出力し、封筒にペタペタはる作業を教育係の上司と一緒に入り口近くの大きな作業台でしていると、
「こんにちは」
男性の声がしたので目を向けると、ラベルを作っている上司で主任の上條さんが対応にでた。
来客した男性の身長は高く180cm程ありチビな私は見上げる程。
年齢は20代後半位。体つきはやや細身で背筋がきれいで黒髪。その髪は細く、短髪だが前髪が少し長めで真中で分けられている。鼻筋も良く、唇はやや薄い。目元は二重だが三白眼。そして、服装は、オーソドックスなカフェスタイルだった。
対応に出た上條さんが、
「いらっしゃい。コーヒーのお届けね。いつも有難う」
「いえ、こちらこそいつも有難うございます」
とお互い会話をしていると、固定電話が鳴り始め、上條さんは電話に向かいながら、代わりにコーヒー豆を受け取っておいてくれる?と頼まれた。うちの会社は、お昼にコーヒーメーカーで自由に淹れて飲んでもいいよって事になっているらしい。社長、太っ腹!私、コーヒー好きなんです。
「はい。分かりました」
店にやってきた男性は、返事をした私へと視線を移すと知らない顔を見つけたからかかなり驚いたような表情で凝視された。
その見られている視線が、私、もしかしてなんか睨まれてる?って感じるほどに強い視線で、三白眼の為か少し怖く思ってると、私の怯えた表情を見て、はっと我に返ったらしく笑顔を浮かべ挨拶された。
そう。その笑顔に。
私に向けられたその一瞬が、写真を撮ったように心に記憶されて、何故かきゅん、となった。
な、何!?私、どうしたの!?
突然に今まで感じたことのない強い「好き」な気持ちに、内心うろたえ、とまどった。
だが、見た目にはどうやらあまり表情には出なかったらしい。
「いつもお世話になっております。コーヒーショップ・クレマチスのマスターをしております中崎と申します。よろしくお願いします」
その男性から聞き取りやすく、優しい口調と柔らかな笑顔で挨拶されて、彩華は自分がストンと予告もなしに恋に落ちたのをこの時自覚した。唐突に。
(こんなことって・・・あるんだ・・・)
学生の頃は、異性に憧れたことはあったが、自分から気持ちを伝える事は出来ずに、ただ遠くから眺めてるだけだった。
その日、姿を見れたこと。それだけでも、嬉しく思えたから。
喋ったこともない相手に、自分の「好き」と言う気持ちを伝えるなんて、自分に自信が無くて無理だったから。
昔のその頃の憧れは、確かに「好き」と言うものなんだと思っていたのだが、今現在の説明がつかない胸のどきどきはそれ以上で、目を合わせただけなのに、恥ずかしくて合わせられないと思うのと、ずっと見ていたいと思う反対な気持ち。それが全部がごちゃごちゃになっている。
今、自分が見られていると考えるだけで、顔が赤くなり緊張して俯いてしまう。
彩華は、頭の中がふわふわとしていたが、どうにか挨拶を返した。
「あ、あのっ、橘です」
名前だけは言いだせたが、その他は何を言ったらいいのか分からず口ごもってしまった。
「これ、注文のコーヒーです。それと、焼き菓子作ったので良かったらどうぞ」
彩華の目の前にコーヒーが入った見慣れたパッケージと焼き菓子が入っているだろう紙袋を渡された。
「あ、有難うございます」
「あの・・・橘さん、あ、いえ、また来ます。では」
名前を呼ばれ、何かを聞きたそうにしていたが、あっさり帰って行ってしまい、ドアから出て行く後ろ姿をぼんやり眺めていると、電話を終えた上條さんが戻ってきて、手に紙袋を持ち、立ったままの彩華を不思議そうに眺めた後、上気した頬を見てピンと来るものがあったらしく、
「彩華ちゃーん。もしかしてー、もしかする~?マスターに恋しちゃった~?」
「えっ、なんで!?」
どうして分かるの!?何も言ってないのに!しかも、たった今!一目ぼれ自覚したばっかりですよ!?
後ずさりして、ビビっていると、
「あら、本当にそうなの?彩華ちゃんは分かりやすいわねぇ」
上司で自分の親と同じ世代の上條さんは、ころころと笑う。
「イケメンだものねー、彼。ふふふ、彩華ちゃん、顔真っ赤よ?初々しいわねぇ~可愛いわ~っ」
おまけにぎゅーってされた。しかも、顔には彩華が羨むボリュームの胸が当たって息苦しい・・・。でも、この大きさはちょっぴり羨ましいと内心で思ったのは自分の胸の大きさにコンプレックスがあるから。
「上條さん~、離してください~っ」
情けない声で助けを求めていると、同僚の玉岡 真央(たまおか まお)がやってきた。
「何、楽しそうなことしてるんですか?」
「今ねー、中崎君がコーヒー豆を持ってきてくれたんだけど、彩華ちゃんがここ(たかやま)に正社員になってから初めて来たのよ。そしたら、社長からある程度は聞いてたんだけど、予想外にも彩華ちゃんがどうやら彼の方に一目ぼれしちゃったみたいよ?」
「あれ?そんな愉快なことになっているんですか?それは今後の楽しみが増えますねっ!」
って、私には二人の会話の意味が良く分からないのですが、いえ、そんなことよりも!
「ぎゃー、なんで玉岡さんにまでばらしちゃうんですか、上條さん!恥ずかしいのに!そっとしておいでくださいーっっ」
心からの叫びは、二人にはスルーされ、玉岡さんからは、
「大丈夫よ、彩華ちゃん。マスター、彼女居なくてフリーらしいから。うちのスタッフも皆、彩華ちゃんの応援してるから!」
え?今、中崎さんに初めて会ったばかりなのに、スタッフ全員が私の応援をしてる?
言っている意味が分かんないんですが?頭の中は疑問符だらけ。
「頑張ってね」
上條さんの、ぎゅーっから解放されたかと思うと、今度は玉岡さんに両手をがしっと握られた。
なんなんですか、二人して?
さっぱり、二人の会話の意味は分からなかったけど、たぶん私とマスターの恋を応援してくれている事だけはどうやら分かったので、ぎこちなくも頷き返した。
「それじゃあボチボチ仕事に戻りますか」
上條さんはそれ以上説明するでもなく、気持ちを切り替えて仕事を再開を促したが、彩華はもちろんその日は集中できないまま、それでも一日の仕事をなんとか終えたのだった。
これが、彩華の「一目ぼれ」だった。
お使いを終えて走る必要が無くなり、仕事場へぽとぽと歩いているのは、橘 彩華(たちばな あやか)。
21才。身長155cm。体重は…おそらく、標準。(体重計?怖くて乗れません!)
食べることが大好きで、特に洋菓子が大好き!
趣味は、手芸と漫画・小説を読むこと。
少女漫画、少年漫画はもちろんのこと、小説もライトノベル、ファンタジー、恋愛、BLとジャンルは拘らず、アニメも大好き!です。
高校では手芸部に在籍し、小物全般作ることを得意としていたが類は友を呼ぶとはよく言ったのもので、手芸部の仲間には漫画・アニメ好きな友達も少なからずおり、手先の器用さから友達にはコミックマーケットに参加するコスプレ衣装の作成の手伝いをされることも多かった。
手伝うだけで彩華は参加しなかったが、自分の作った衣装を着た友人や知らない人のポーズを決めた写真を見るのは楽しかったし、イベント会場で自分が作った衣装を色んな人から褒められたのーと友人から聞くと素直に嬉しかった。
その流れから服飾の専門学校を去年卒業したが、在籍中にお世話になる事が多かった手芸店に就職が運よく決まり、3人兄弟の兄の就職先が彩華の職場と割と近かったために同じアパートで暮らしている。(ちなみに下の妹は高校生で実家にいます)
勤めている手芸店「たかやま」は、商業ビルが大多数を占めるエリアの中、問屋が幾つか集まっている区画のビルの1F。従業員数8人と少数精鋭。働き始めて約4カ月。
店舗で手芸の材料は直接買うことも出来るのだが、主な販売はネット通販。布はもちろん、ビーズや革、毛糸、和洋栽材料も取り扱っており、大きなものから、小さなものまでとにかく種類が多く、在庫も然り。人数が少ないので、彩華の仕事内容も注文通りの商品を揃えることはもちろんのこと、ネットで紹介する小物の作品作り・キット販売の作成、ネット用の作品用・材料写真を撮るお手伝いもやっている。
お店は基本土日はお休み。休みが多いのは結構なのだが、手芸に読書が大好きとインドアな趣味が多く、内気な性格も災いして、学生時代に憧れる異性がいても告白まで至らず、結果憧れは憧れのまま終わる結末しか経験がない。
その為、年齢イコール彼氏居ない歴で、趣味につぎ込む金額が大きく、普段の服装も自分で作ったシンプルな服やアクセサリーが多く、ブランドの服、化粧品などに殆ど投資しなかった。
髪は背中の中程までと長く、軽く茶系に染めてはいるが仕事の邪魔になるからと一括りして、サイドや後頭部の高めにシニョンをし、シュシュを付けることが多い。
趣味を同じくする同性の友人達にも彼氏が居ないものが多く、休日は趣味の充実に充てるのが当たり前になっていて、彼氏が欲しくないかと言われれば欲しいとば欲しいかな?っていうレベルでどうしてもという訳でもなくて。
そんな彩華だったが、ある日突然、一目ぼれを経験したのだった。
彼に出会ったのは、手芸店たかやまで働き初めてからすぐのことだった。
彩華が、コーヒーショップ・クレマチスのマスターこと、中崎 浩介(なかさき こうすけ)に始めて合ったのは、就職した手芸店「たかやま」で働き始めて数日後。
通販で注文された商品を発送するために貼るラベルをパソコンで出力し、封筒にペタペタはる作業を教育係の上司と一緒に入り口近くの大きな作業台でしていると、
「こんにちは」
男性の声がしたので目を向けると、ラベルを作っている上司で主任の上條さんが対応にでた。
来客した男性の身長は高く180cm程ありチビな私は見上げる程。
年齢は20代後半位。体つきはやや細身で背筋がきれいで黒髪。その髪は細く、短髪だが前髪が少し長めで真中で分けられている。鼻筋も良く、唇はやや薄い。目元は二重だが三白眼。そして、服装は、オーソドックスなカフェスタイルだった。
対応に出た上條さんが、
「いらっしゃい。コーヒーのお届けね。いつも有難う」
「いえ、こちらこそいつも有難うございます」
とお互い会話をしていると、固定電話が鳴り始め、上條さんは電話に向かいながら、代わりにコーヒー豆を受け取っておいてくれる?と頼まれた。うちの会社は、お昼にコーヒーメーカーで自由に淹れて飲んでもいいよって事になっているらしい。社長、太っ腹!私、コーヒー好きなんです。
「はい。分かりました」
店にやってきた男性は、返事をした私へと視線を移すと知らない顔を見つけたからかかなり驚いたような表情で凝視された。
その見られている視線が、私、もしかしてなんか睨まれてる?って感じるほどに強い視線で、三白眼の為か少し怖く思ってると、私の怯えた表情を見て、はっと我に返ったらしく笑顔を浮かべ挨拶された。
そう。その笑顔に。
私に向けられたその一瞬が、写真を撮ったように心に記憶されて、何故かきゅん、となった。
な、何!?私、どうしたの!?
突然に今まで感じたことのない強い「好き」な気持ちに、内心うろたえ、とまどった。
だが、見た目にはどうやらあまり表情には出なかったらしい。
「いつもお世話になっております。コーヒーショップ・クレマチスのマスターをしております中崎と申します。よろしくお願いします」
その男性から聞き取りやすく、優しい口調と柔らかな笑顔で挨拶されて、彩華は自分がストンと予告もなしに恋に落ちたのをこの時自覚した。唐突に。
(こんなことって・・・あるんだ・・・)
学生の頃は、異性に憧れたことはあったが、自分から気持ちを伝える事は出来ずに、ただ遠くから眺めてるだけだった。
その日、姿を見れたこと。それだけでも、嬉しく思えたから。
喋ったこともない相手に、自分の「好き」と言う気持ちを伝えるなんて、自分に自信が無くて無理だったから。
昔のその頃の憧れは、確かに「好き」と言うものなんだと思っていたのだが、今現在の説明がつかない胸のどきどきはそれ以上で、目を合わせただけなのに、恥ずかしくて合わせられないと思うのと、ずっと見ていたいと思う反対な気持ち。それが全部がごちゃごちゃになっている。
今、自分が見られていると考えるだけで、顔が赤くなり緊張して俯いてしまう。
彩華は、頭の中がふわふわとしていたが、どうにか挨拶を返した。
「あ、あのっ、橘です」
名前だけは言いだせたが、その他は何を言ったらいいのか分からず口ごもってしまった。
「これ、注文のコーヒーです。それと、焼き菓子作ったので良かったらどうぞ」
彩華の目の前にコーヒーが入った見慣れたパッケージと焼き菓子が入っているだろう紙袋を渡された。
「あ、有難うございます」
「あの・・・橘さん、あ、いえ、また来ます。では」
名前を呼ばれ、何かを聞きたそうにしていたが、あっさり帰って行ってしまい、ドアから出て行く後ろ姿をぼんやり眺めていると、電話を終えた上條さんが戻ってきて、手に紙袋を持ち、立ったままの彩華を不思議そうに眺めた後、上気した頬を見てピンと来るものがあったらしく、
「彩華ちゃーん。もしかしてー、もしかする~?マスターに恋しちゃった~?」
「えっ、なんで!?」
どうして分かるの!?何も言ってないのに!しかも、たった今!一目ぼれ自覚したばっかりですよ!?
後ずさりして、ビビっていると、
「あら、本当にそうなの?彩華ちゃんは分かりやすいわねぇ」
上司で自分の親と同じ世代の上條さんは、ころころと笑う。
「イケメンだものねー、彼。ふふふ、彩華ちゃん、顔真っ赤よ?初々しいわねぇ~可愛いわ~っ」
おまけにぎゅーってされた。しかも、顔には彩華が羨むボリュームの胸が当たって息苦しい・・・。でも、この大きさはちょっぴり羨ましいと内心で思ったのは自分の胸の大きさにコンプレックスがあるから。
「上條さん~、離してください~っ」
情けない声で助けを求めていると、同僚の玉岡 真央(たまおか まお)がやってきた。
「何、楽しそうなことしてるんですか?」
「今ねー、中崎君がコーヒー豆を持ってきてくれたんだけど、彩華ちゃんがここ(たかやま)に正社員になってから初めて来たのよ。そしたら、社長からある程度は聞いてたんだけど、予想外にも彩華ちゃんがどうやら彼の方に一目ぼれしちゃったみたいよ?」
「あれ?そんな愉快なことになっているんですか?それは今後の楽しみが増えますねっ!」
って、私には二人の会話の意味が良く分からないのですが、いえ、そんなことよりも!
「ぎゃー、なんで玉岡さんにまでばらしちゃうんですか、上條さん!恥ずかしいのに!そっとしておいでくださいーっっ」
心からの叫びは、二人にはスルーされ、玉岡さんからは、
「大丈夫よ、彩華ちゃん。マスター、彼女居なくてフリーらしいから。うちのスタッフも皆、彩華ちゃんの応援してるから!」
え?今、中崎さんに初めて会ったばかりなのに、スタッフ全員が私の応援をしてる?
言っている意味が分かんないんですが?頭の中は疑問符だらけ。
「頑張ってね」
上條さんの、ぎゅーっから解放されたかと思うと、今度は玉岡さんに両手をがしっと握られた。
なんなんですか、二人して?
さっぱり、二人の会話の意味は分からなかったけど、たぶん私とマスターの恋を応援してくれている事だけはどうやら分かったので、ぎこちなくも頷き返した。
「それじゃあボチボチ仕事に戻りますか」
上條さんはそれ以上説明するでもなく、気持ちを切り替えて仕事を再開を促したが、彩華はもちろんその日は集中できないまま、それでも一日の仕事をなんとか終えたのだった。
これが、彩華の「一目ぼれ」だった。
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