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―第百九話― 謝罪
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眼を開ると、そこは先程までの草原だった。
……全身が大きな倦怠感に包まれてしまう。
魔力を使い過ぎちゃったからなあ……。
さっきの空間にいた間にも、紋様を破壊するために魔力を常にフル出力していた。
「おかげで、あともう一押しのところまで言ったな」
……これで、お終い……!!
「《壊れろ》!!」
ガラスの割れるような音とともに、ツツジの額にあった紋様が消え去った。
「……良かった」
安堵の息が零れる。
実のところ、心の奥底で俺は、期待をしていたのだ。
ツツジは、昔からなにも変わっていないんじゃないかって。
もっと、別の原因でこうなってしまったのではないかって。
もしそうなら、俺は命に代えてでも救い出すつもりだった。
……だからこそ。
ツツジを助けられて、本当に良かった……!!
「……あんたらも、ありがとうな」
「……気付かれてましたか」
こちらにゆっくりと近づいてきたオークたちに、礼を言う。
ツツジに魔力を流している間に察したが、周りに魔物がよらないように、彼らが警護してくれていたのだ。
「……多分だけど、鍵を開けてくれたのもあんたたちだろ?」
「……さあ、どうでしたかね……」
「……。で、なんで俺を助けてくれたの?」
「……我々が、貴方に救われたからです。以前相対しました時、貴方は見逃してくださった。だから、我々はこうして生きております。その恩を返すのは、今しかないと」
「……そんなこともあったっけ」
あの紋様つけられてた奴らか。
「ここからちょっと言ったところに、サンビルって街がある。今度、遊びに来い。そん時に紋様も破壊するから」
「……ありがとうございます……!」
「それより、仲間水入らずでちょっと話したいことがあるから……」
「配慮できず、申し訳ございません。それでは、失礼いたします」
それだけ言って、オークライダーたちは足早にその場を立ち去った。
「……さて。『起きろ』」
能力を使い、二人を起こす。
「……あ、リア……。……もう、終わったの?」
「ああ。ついさっきな」
「……そうなんだ」
「あ、そだ。舌治してくれてありがとな。……能力まで使わせて」
「まあ、ルビーさんの手伝いあってだけどね」
「やっぱ、ルビーが一枚噛んでたか」
まあ、魔力の流れでもわかったけど。
「……で」
後ろを向き、静かに問いかける。
「ツツジ。お前、これからどうする?」
「……っ!!」
その瞬間、ツツジは勢い良く頭を下げ。
「ごめんなさい、お兄ちゃんも、ジャスミンさんも……!!」
声を張り、俺たちに謝った。
「釈明の余地もありません! 今すぐに殺されてもおかしくないようなことを……!!」
「……ツツジ」
ツツジの体がびくりと跳ねる。
しっかりと声を出し、ツツジを見据えて言った。
「お前は何も悪くない」
そう、悪くないのだ。
「さっき、セルバンテスとやらにあってな。そん時に聞いたよ、色々とな」
「……!?」
「で、額の紋様も、その体質も。全部、あいつのせいだったんだろ?」
「……それは……」
「というか、お前のやったことに対して、俺がどうこう言うつもりはない。何なら、俺の方がよっぽど悪いことしてるし」
……大量殺人、とかな……。
今思い出しただけでも、自分の喉を切り裂いてしまいたくなる。
「大体、操られていた間に犯した罪が何だってんだ。そんなので裁かれるくらいなら、俺は真っ先に国王を殺しに行く」
「……でも」
「お前のやったこと、それを聞くつもりはない。というか、聞きたくもない。それに、今この場でしみったれた話も聞きたくない。……だからさ」
スッと息を吸って。
「『まずは帰ろうぜ、サンビルに』」
……全身が大きな倦怠感に包まれてしまう。
魔力を使い過ぎちゃったからなあ……。
さっきの空間にいた間にも、紋様を破壊するために魔力を常にフル出力していた。
「おかげで、あともう一押しのところまで言ったな」
……これで、お終い……!!
「《壊れろ》!!」
ガラスの割れるような音とともに、ツツジの額にあった紋様が消え去った。
「……良かった」
安堵の息が零れる。
実のところ、心の奥底で俺は、期待をしていたのだ。
ツツジは、昔からなにも変わっていないんじゃないかって。
もっと、別の原因でこうなってしまったのではないかって。
もしそうなら、俺は命に代えてでも救い出すつもりだった。
……だからこそ。
ツツジを助けられて、本当に良かった……!!
「……あんたらも、ありがとうな」
「……気付かれてましたか」
こちらにゆっくりと近づいてきたオークたちに、礼を言う。
ツツジに魔力を流している間に察したが、周りに魔物がよらないように、彼らが警護してくれていたのだ。
「……多分だけど、鍵を開けてくれたのもあんたたちだろ?」
「……さあ、どうでしたかね……」
「……。で、なんで俺を助けてくれたの?」
「……我々が、貴方に救われたからです。以前相対しました時、貴方は見逃してくださった。だから、我々はこうして生きております。その恩を返すのは、今しかないと」
「……そんなこともあったっけ」
あの紋様つけられてた奴らか。
「ここからちょっと言ったところに、サンビルって街がある。今度、遊びに来い。そん時に紋様も破壊するから」
「……ありがとうございます……!」
「それより、仲間水入らずでちょっと話したいことがあるから……」
「配慮できず、申し訳ございません。それでは、失礼いたします」
それだけ言って、オークライダーたちは足早にその場を立ち去った。
「……さて。『起きろ』」
能力を使い、二人を起こす。
「……あ、リア……。……もう、終わったの?」
「ああ。ついさっきな」
「……そうなんだ」
「あ、そだ。舌治してくれてありがとな。……能力まで使わせて」
「まあ、ルビーさんの手伝いあってだけどね」
「やっぱ、ルビーが一枚噛んでたか」
まあ、魔力の流れでもわかったけど。
「……で」
後ろを向き、静かに問いかける。
「ツツジ。お前、これからどうする?」
「……っ!!」
その瞬間、ツツジは勢い良く頭を下げ。
「ごめんなさい、お兄ちゃんも、ジャスミンさんも……!!」
声を張り、俺たちに謝った。
「釈明の余地もありません! 今すぐに殺されてもおかしくないようなことを……!!」
「……ツツジ」
ツツジの体がびくりと跳ねる。
しっかりと声を出し、ツツジを見据えて言った。
「お前は何も悪くない」
そう、悪くないのだ。
「さっき、セルバンテスとやらにあってな。そん時に聞いたよ、色々とな」
「……!?」
「で、額の紋様も、その体質も。全部、あいつのせいだったんだろ?」
「……それは……」
「というか、お前のやったことに対して、俺がどうこう言うつもりはない。何なら、俺の方がよっぽど悪いことしてるし」
……大量殺人、とかな……。
今思い出しただけでも、自分の喉を切り裂いてしまいたくなる。
「大体、操られていた間に犯した罪が何だってんだ。そんなので裁かれるくらいなら、俺は真っ先に国王を殺しに行く」
「……でも」
「お前のやったこと、それを聞くつもりはない。というか、聞きたくもない。それに、今この場でしみったれた話も聞きたくない。……だからさ」
スッと息を吸って。
「『まずは帰ろうぜ、サンビルに』」
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