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―第九十七話― ポーション
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能力を使えないのであれば、残った手段はただ一つ。
ぐっと足に力を込め、そのまま地を蹴る。
ツツジの能力は、新規に使った能力には作用するようだが、もともと発動している能力には効かないようだ。
常に身体能力を上げててよかった。
……とはいえ、人間離れした速度を出して走れるわけでもないし、すぐにツツジに追いつかれて邪魔されてしまうのがオチだろう。
……さて、どうしようか。
……いや、このまま走ろう。
「その程度の動きで、アサシンから逃げられるとでも?」
おっと、もう回り込まれたか。
……でも。
「逃げられるんだよなあ、それが。『移動』」
……よし、ビンゴ。
走っている間に、微妙にだが空気が変わったのだ。
恐らく、ジャスミンの周りの魔力が濃すぎて、ツツジの能力が乱されているのだろう。
「……ただ、こっからが問題なんだよな……」
ジャスミンとツツジの間くらいの位置に移動してきたが、ここから二人同時に相手となると……。
面倒くさそうだな。
「『移動』」
とりあえず、こっちから終わらせよう。
「『来い』」
……よし、とりあえず短剣の回収は成功。
「『移動』、『威力上昇』」
ごめん、ジャスミン。
ジャスミンの背後に回り、そのまま思い切りぶん殴る。
……が。
「……まじかよ」
片手で止められた。
割と本気で打ったんだけどな……。
……しょうがない。
「『移動』」
ちょうど近くにいた王子に触れ、そのまま能力を発動させる。
◆
「陛下、ルドベキア王子の方だけ先に回収してきました。魔力にあてられてるかもなんで、しばらくは安静にしておいたほうが良いと思います」
「でかした! ……しかし、ジャスミン殿は……?」
「ちょっと面倒な事になってるんで、今から解決してきます」
早く行かないと、ジャスミンがやばくなる可能性が高い。
元々の能力が能力だ。
暴走状態だと、寿命が削れるどころの騒ぎではない。
「『移動』」
◆
能力が使えるようになったのはいいが、ここからジャスミンを止める方法を考えないとだ。
ルビーにもらったポーションを使うにしても、ある程度近づかなければならない。
ただ、さっきの感じだと近づいてもすぐに抵抗されそうだしなあ……。
移動、と小さく呟き、ジャスミンのそばまで行く。
「『爆発』!!」
ジャスミンの真横で少し大きめの爆発を起こす。
……少しくらい態勢を崩してくれてもいいじゃないか。
なんで微動だにしないんだよ……。
「『移動』、『威力上昇』、『打撃』、『移動』……」
一通り能力を使って攻撃を仕掛けてみるも、全く効いている様子がない。
「私も忘れちゃだめだよ」
うぐっ……!
「てめっ、こんな時にまで邪魔すんな!!」
くそっ、背中を刺された……。
「『回復』」
……ああ、まじで面倒だな……!!
……もういい。
ここで終わらせる……!
「『移動』」
……前に見た時よりも、模様が広がってる。
これ、全身に広がったらやばいパターンだろ。
暴走状態でろくに魔法も使えないのは助かったな。
これでディザスターまで撃たれたら、本当の本当にやばい。
「『ツツジ、そこから動くなよ』!!」
……少しの時間稼ぎしかならないが、その間に……。
ジャスミンとの間合いを一気に詰める。
……ほら、そのくらいならくれてやる。
その代わり。
「『ゆっくり寝てろ』」
ジャスミンの頭にポーションをかける。
拳で抉られたわき腹が少々痛むが、成功してなによりだ。
というか、やっぱり威力桁違い過ぎるだろ!
「『解毒』」
毒も解除し終わったし、ジャスミンの方はこれで終了だな。
「ツツジ、次はお前の番だぜ」
ぐっと足に力を込め、そのまま地を蹴る。
ツツジの能力は、新規に使った能力には作用するようだが、もともと発動している能力には効かないようだ。
常に身体能力を上げててよかった。
……とはいえ、人間離れした速度を出して走れるわけでもないし、すぐにツツジに追いつかれて邪魔されてしまうのがオチだろう。
……さて、どうしようか。
……いや、このまま走ろう。
「その程度の動きで、アサシンから逃げられるとでも?」
おっと、もう回り込まれたか。
……でも。
「逃げられるんだよなあ、それが。『移動』」
……よし、ビンゴ。
走っている間に、微妙にだが空気が変わったのだ。
恐らく、ジャスミンの周りの魔力が濃すぎて、ツツジの能力が乱されているのだろう。
「……ただ、こっからが問題なんだよな……」
ジャスミンとツツジの間くらいの位置に移動してきたが、ここから二人同時に相手となると……。
面倒くさそうだな。
「『移動』」
とりあえず、こっちから終わらせよう。
「『来い』」
……よし、とりあえず短剣の回収は成功。
「『移動』、『威力上昇』」
ごめん、ジャスミン。
ジャスミンの背後に回り、そのまま思い切りぶん殴る。
……が。
「……まじかよ」
片手で止められた。
割と本気で打ったんだけどな……。
……しょうがない。
「『移動』」
ちょうど近くにいた王子に触れ、そのまま能力を発動させる。
◆
「陛下、ルドベキア王子の方だけ先に回収してきました。魔力にあてられてるかもなんで、しばらくは安静にしておいたほうが良いと思います」
「でかした! ……しかし、ジャスミン殿は……?」
「ちょっと面倒な事になってるんで、今から解決してきます」
早く行かないと、ジャスミンがやばくなる可能性が高い。
元々の能力が能力だ。
暴走状態だと、寿命が削れるどころの騒ぎではない。
「『移動』」
◆
能力が使えるようになったのはいいが、ここからジャスミンを止める方法を考えないとだ。
ルビーにもらったポーションを使うにしても、ある程度近づかなければならない。
ただ、さっきの感じだと近づいてもすぐに抵抗されそうだしなあ……。
移動、と小さく呟き、ジャスミンのそばまで行く。
「『爆発』!!」
ジャスミンの真横で少し大きめの爆発を起こす。
……少しくらい態勢を崩してくれてもいいじゃないか。
なんで微動だにしないんだよ……。
「『移動』、『威力上昇』、『打撃』、『移動』……」
一通り能力を使って攻撃を仕掛けてみるも、全く効いている様子がない。
「私も忘れちゃだめだよ」
うぐっ……!
「てめっ、こんな時にまで邪魔すんな!!」
くそっ、背中を刺された……。
「『回復』」
……ああ、まじで面倒だな……!!
……もういい。
ここで終わらせる……!
「『移動』」
……前に見た時よりも、模様が広がってる。
これ、全身に広がったらやばいパターンだろ。
暴走状態でろくに魔法も使えないのは助かったな。
これでディザスターまで撃たれたら、本当の本当にやばい。
「『ツツジ、そこから動くなよ』!!」
……少しの時間稼ぎしかならないが、その間に……。
ジャスミンとの間合いを一気に詰める。
……ほら、そのくらいならくれてやる。
その代わり。
「『ゆっくり寝てろ』」
ジャスミンの頭にポーションをかける。
拳で抉られたわき腹が少々痛むが、成功してなによりだ。
というか、やっぱり威力桁違い過ぎるだろ!
「『解毒』」
毒も解除し終わったし、ジャスミンの方はこれで終了だな。
「ツツジ、次はお前の番だぜ」
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