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―第五十六話― お披露目
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「リア、起きてるー?」
ん……。
「もう少し寝かせて……」
「リアー! 起きてるのー!?」
「ん? あ、ああ、起きてる起きてる……」
ジャスミンか。
何だ、こんな時間に……。
「……どしたー?」
「早く出てきて!」
ったく、駄々っ子かよ。
「はいはい、どうしたん……だ……!?」
腕の火傷が悪化している。
というか、すごく痛々しくなっている。
それに、顔色もかなり悪くなっている。
そんな俺の様子に気が付いたのか、
「平気平気。ちょっと熱中しちゃって、徹夜になったけど、それなりに成果は得られたのよ」
微笑みながら、そんな馬鹿なことを口走った。
「大丈夫なわけないだろ! とりあえず、えっと、『回復』!!」
「ん……、ありがと。楽になったわ」
「ちょっと待ってろ。ポーションも持ってくる」
まだ五本くらいは残ってたはずだ。
「ほら、これ飲んどけ。傷と寝不足に効くはずだ」
「うん。それよりさ、サントリナさんを呼んでくれないかしら? 魔法、見せたくない?」
見せたくない? って、お前……!
「完成したのか!?」
「ええ!! ま、この私にかかれば朝飯前だったわ」
ぼろぼろの体でよく言うよ。
「わかった。今から呼んでくるけど、それまで少し休んどけ」
「うん。そうさせて……」
◆
「サントリナ!!」
「おう、どうしたんだ……?」
…………。
「なんでお前まで眠たそうなの?」
「紋章のことが気になりすぎて、徹夜で調べてたんだよ……」
「お、おお、そうか」
こいつも知的好奇心が高い方だったな。
「てか、こんな朝早くにどうしたんだ?」
「そうだった! ちょっと見せたいのがあるから、先行っててくれ」
「は? 行くって、どこに……」
「『移動』!!」
サントリナが言い終わるよりも先に、例の洞窟まで無理矢理送り付ける。
強引だけど、今は時間が勿体ない。
早くジャスミンの魔法を見せたいし、俺も見たい。
「『移動』!!」
えっと、ジャスミンは……。
「リア、早く行きましょ!!」
「いや、休んどけって言ったのに……」
家の壁にもたれかかり、暇を持て余したように片足をプラプラとさせている。
なんというか……、まあ、それがこいつらしいっちゃこいつらしいのか?
「サントリナは先に送っておいたから、あとはお前を連れていくだけだ」
「ほら、早く連れてってちょうだいよ!!」
「わかったから、ちょっと待て」
スッと息を吸い込み、能力を使う。
「『眠れ』」
驚いた表情を浮かべたジャスミンが、崩れ落ちるようにして倒れた。
流石に、徹夜の状態で魔法を使わせるわけにはいかないからな。
「『圧縮』」
……これは、俺が徹夜したときによくやる方法だ。
睡眠時間を圧縮し、一瞬だけ眠る。
これをすれば、多少はましになるだろう。
「『移動』」
少し待たせ過ぎたかな。
「おい、リアトリス。遅いぞ!」
「悪い悪い。こいつを寝かせようと思ってな」
「ジャスミンちゃん!? 大丈夫なのか!?」
「大丈夫……と思う。とりあえず、俺のポーションと能力で休ませた」
「……というか、ジャスミンちゃんと俺をここに連れてきたってことは……」
「ジャスミンの魔法のお披露目会だ!!」
ん……。
「もう少し寝かせて……」
「リアー! 起きてるのー!?」
「ん? あ、ああ、起きてる起きてる……」
ジャスミンか。
何だ、こんな時間に……。
「……どしたー?」
「早く出てきて!」
ったく、駄々っ子かよ。
「はいはい、どうしたん……だ……!?」
腕の火傷が悪化している。
というか、すごく痛々しくなっている。
それに、顔色もかなり悪くなっている。
そんな俺の様子に気が付いたのか、
「平気平気。ちょっと熱中しちゃって、徹夜になったけど、それなりに成果は得られたのよ」
微笑みながら、そんな馬鹿なことを口走った。
「大丈夫なわけないだろ! とりあえず、えっと、『回復』!!」
「ん……、ありがと。楽になったわ」
「ちょっと待ってろ。ポーションも持ってくる」
まだ五本くらいは残ってたはずだ。
「ほら、これ飲んどけ。傷と寝不足に効くはずだ」
「うん。それよりさ、サントリナさんを呼んでくれないかしら? 魔法、見せたくない?」
見せたくない? って、お前……!
「完成したのか!?」
「ええ!! ま、この私にかかれば朝飯前だったわ」
ぼろぼろの体でよく言うよ。
「わかった。今から呼んでくるけど、それまで少し休んどけ」
「うん。そうさせて……」
◆
「サントリナ!!」
「おう、どうしたんだ……?」
…………。
「なんでお前まで眠たそうなの?」
「紋章のことが気になりすぎて、徹夜で調べてたんだよ……」
「お、おお、そうか」
こいつも知的好奇心が高い方だったな。
「てか、こんな朝早くにどうしたんだ?」
「そうだった! ちょっと見せたいのがあるから、先行っててくれ」
「は? 行くって、どこに……」
「『移動』!!」
サントリナが言い終わるよりも先に、例の洞窟まで無理矢理送り付ける。
強引だけど、今は時間が勿体ない。
早くジャスミンの魔法を見せたいし、俺も見たい。
「『移動』!!」
えっと、ジャスミンは……。
「リア、早く行きましょ!!」
「いや、休んどけって言ったのに……」
家の壁にもたれかかり、暇を持て余したように片足をプラプラとさせている。
なんというか……、まあ、それがこいつらしいっちゃこいつらしいのか?
「サントリナは先に送っておいたから、あとはお前を連れていくだけだ」
「ほら、早く連れてってちょうだいよ!!」
「わかったから、ちょっと待て」
スッと息を吸い込み、能力を使う。
「『眠れ』」
驚いた表情を浮かべたジャスミンが、崩れ落ちるようにして倒れた。
流石に、徹夜の状態で魔法を使わせるわけにはいかないからな。
「『圧縮』」
……これは、俺が徹夜したときによくやる方法だ。
睡眠時間を圧縮し、一瞬だけ眠る。
これをすれば、多少はましになるだろう。
「『移動』」
少し待たせ過ぎたかな。
「おい、リアトリス。遅いぞ!」
「悪い悪い。こいつを寝かせようと思ってな」
「ジャスミンちゃん!? 大丈夫なのか!?」
「大丈夫……と思う。とりあえず、俺のポーションと能力で休ませた」
「……というか、ジャスミンちゃんと俺をここに連れてきたってことは……」
「ジャスミンの魔法のお披露目会だ!!」
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