55 / 234
―第五十五話― 能力か魔法
しおりを挟む
「『移動』」
さて、ジャスミンの様子は……。
「あ、リア……」
「……………………」
焦る必要はねえって言ってんだよ……。
「『気絶』」
馬鹿が。
何やってんだよ。
周りを見渡せば、そこら中に穴が開いている。
それだけの数、魔法を使ったのだろう。
「『回復』」
腕も火傷ができている。
こりゃあ、かえってポーション飲ませたほうが良いな。
「『修復』」
壁に吸い込まれるようにして、石などの破片がパラパラと浮き上がった。
それらが一つ一つ組み合わさり、元通りの壁に戻る。
……あれ?
この作業自体はいつもやっていたのだが、何か違和感がある。
なんだ、なにがおかしい……?
……分かった。
壁に開いている穴が、普段よりも小さく、深くなっている。
今までのライトニングから、何かしらの変化が生まれた。
そう考えるのが妥当なのかな。
だとすると、オリジナル魔法が成功したのか……!?
「……明日聞くか」
今のグロッキーなジャスミンに聞くのは、流石に酷だしな。
「『家に帰れ』」
……ジャスミンの家を未だに覚えてないのは、内緒だな。
ああ、早く明日にならないかなあ……!
実は、魔法の完成がかなり楽しみだったりしたんだよな。
もしかして、サントリナも俺に修行をつけてくれていた時、こんな気持ちだったのか……?
今度、魔法を見せるのもありだな。
あいつの前では一回も使ったことなかったし。
…………。
「『創造』」
前回出したときの三倍ほどの大きさのゴーレムを生み出す。
これなら、耐えられるよな。
右腕を前に突き出し、意識を集中させる。
久しぶりにやるけど、やっぱり体は覚えているものだな。
魔力を掌に集め、固め、放出する!
「『コメット』!!」
掌から魔力塊が放出され、目の前のゴーレムを派手な音をたてながら破壊する。
……うん、久しぶりにしては上出来じゃないか?
というか、魔力量が上がったからか、破壊力が段違いだな。
一発で八割くらい壊せたかな。
これ、実戦でも十分通用しそうだな。
魔力消費も能力に比べれば少ないし、細かい敵を倒すんだったら、こっちの方が適しているだろう。
意外な発見だったな。
今度、少し魔法について勉強し直してみるか。
「ただ、やっぱ能力で事足りてしまうんだよなあ」
結局はそこに収束してしまう。
一瞬魔法に俺かけてしまったが、冷静に考えればわかる話だ。
今のだって、一言『破壊』と唱えるだけで終わってしまう。
それを、わざわざ魔法でやろうとは思わないしなあ。
魔力の消費だって、細かい調整をすれば、さっきの魔法並みに落とすことだって可能だ。
とか言ってると、魔法使いの方々から全力で殺されそうだな。
「能力と魔法の組み合わせ……とか?」
ま、そんなのは夢物語だろうな。
能力と魔法、同時に集中するなんて器用なことは俺にはできない。
というか、面倒だししたくない。
ただ、ジャスミンが俺を追い越しそうになった時には、少し考えてみるか。
さて、ジャスミンの様子は……。
「あ、リア……」
「……………………」
焦る必要はねえって言ってんだよ……。
「『気絶』」
馬鹿が。
何やってんだよ。
周りを見渡せば、そこら中に穴が開いている。
それだけの数、魔法を使ったのだろう。
「『回復』」
腕も火傷ができている。
こりゃあ、かえってポーション飲ませたほうが良いな。
「『修復』」
壁に吸い込まれるようにして、石などの破片がパラパラと浮き上がった。
それらが一つ一つ組み合わさり、元通りの壁に戻る。
……あれ?
この作業自体はいつもやっていたのだが、何か違和感がある。
なんだ、なにがおかしい……?
……分かった。
壁に開いている穴が、普段よりも小さく、深くなっている。
今までのライトニングから、何かしらの変化が生まれた。
そう考えるのが妥当なのかな。
だとすると、オリジナル魔法が成功したのか……!?
「……明日聞くか」
今のグロッキーなジャスミンに聞くのは、流石に酷だしな。
「『家に帰れ』」
……ジャスミンの家を未だに覚えてないのは、内緒だな。
ああ、早く明日にならないかなあ……!
実は、魔法の完成がかなり楽しみだったりしたんだよな。
もしかして、サントリナも俺に修行をつけてくれていた時、こんな気持ちだったのか……?
今度、魔法を見せるのもありだな。
あいつの前では一回も使ったことなかったし。
…………。
「『創造』」
前回出したときの三倍ほどの大きさのゴーレムを生み出す。
これなら、耐えられるよな。
右腕を前に突き出し、意識を集中させる。
久しぶりにやるけど、やっぱり体は覚えているものだな。
魔力を掌に集め、固め、放出する!
「『コメット』!!」
掌から魔力塊が放出され、目の前のゴーレムを派手な音をたてながら破壊する。
……うん、久しぶりにしては上出来じゃないか?
というか、魔力量が上がったからか、破壊力が段違いだな。
一発で八割くらい壊せたかな。
これ、実戦でも十分通用しそうだな。
魔力消費も能力に比べれば少ないし、細かい敵を倒すんだったら、こっちの方が適しているだろう。
意外な発見だったな。
今度、少し魔法について勉強し直してみるか。
「ただ、やっぱ能力で事足りてしまうんだよなあ」
結局はそこに収束してしまう。
一瞬魔法に俺かけてしまったが、冷静に考えればわかる話だ。
今のだって、一言『破壊』と唱えるだけで終わってしまう。
それを、わざわざ魔法でやろうとは思わないしなあ。
魔力の消費だって、細かい調整をすれば、さっきの魔法並みに落とすことだって可能だ。
とか言ってると、魔法使いの方々から全力で殺されそうだな。
「能力と魔法の組み合わせ……とか?」
ま、そんなのは夢物語だろうな。
能力と魔法、同時に集中するなんて器用なことは俺にはできない。
というか、面倒だししたくない。
ただ、ジャスミンが俺を追い越しそうになった時には、少し考えてみるか。
0
お気に入りに追加
129
あなたにおすすめの小説
大切”だった”仲間に裏切られたので、皆殺しにしようと思います
騙道みりあ
ファンタジー
魔王を討伐し、世界に平和をもたらした”勇者パーティー”。
その一員であり、”人類最強”と呼ばれる少年ユウキは、何故か仲間たちに裏切られてしまう。
仲間への信頼、恋人への愛。それら全てが作られたものだと知り、ユウキは怒りを覚えた。
なので、全員殺すことにした。
1話完結ですが、続編も考えています。
ズボラ通販生活
ice
ファンタジー
西野桃(にしのもも)35歳の独身、オタクが神様のミスで異世界へ!貪欲に通販スキル、時間停止アイテムボックス容量無限、結界魔法…さらには、お金まで貰う。商人無双や!とか言いつつ、楽に、ゆるーく、商売をしていく。淋しい独身者、旦那という名の奴隷まで?!ズボラなオバサンが異世界に転移して好き勝手生活する!
〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。
だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。
十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。
ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。
元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。
そして更に二年、とうとうその日が来た……
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが……
アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。
そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。
実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。
剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。
アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。
そよ風と蔑まれている心優しい風魔法使い~弱すぎる風魔法は植物にとって最高です。風の精霊達も彼にべったりのようです~
御峰。
ファンタジー
才能が全てと言われている世界で、両親を亡くしたハウは十歳にハズレ中のハズレ【極小風魔法】を開花した。
後見人の心優しい幼馴染のおじさんおばさんに迷惑をかけまいと仕事を見つけようとするが、弱い才能のため働く場所がなく、冒険者パーティーの荷物持ちになった。
二年間冒険者パーティーから蔑まれながら辛い環境でも感謝の気持ちを忘れず、頑張って働いてきた主人公は、ひょんなことからふくよかなおじさんとぶつかったことから、全てが一変することになる。
――世界で一番優しい物語が今、始まる。
・ファンタジーカップ参戦のための作品です。応援して頂けると嬉しいです。ぜひ作品のお気に入りと各話にコメントを頂けると大きな励みになります!
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる