異世界から来た女は魅力的なので

らいらい

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湖畔にて

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 仕事がひと段落したある日、休みが取れたので、ユーリを街の西にある丘の湖へ誘った。

 ユーリは薄い水色の裾の広がりの少ない丈は膝ほどのドレスを纏っており、軽やかで動きやすそうだ。

 小さめの馬車に俺たちは乗り込み、狭い中二人で並ぶ。

 ガタリゴトリと馬車の音。
 俺は気になっていた、ユーリの元いた世界の話を聞いてみた。

 車という金属でできた速い乗り物があったり、空を飛べる飛行機などがあったそうだ。
 この世界よりも文明が進歩しているらしい。

「便利な世界だけど、今のこちらのゆったりとした世界も好きです」

 ニコッと屈託のない笑顔を見せる。
 こちらの世界の女では、なかなか見ない屈託さだ。利権などが関係するため、媚びた笑顔だったりする。

 ガタン、と、小石を踏んだのか馬車が大きく揺れた。

「あ……っ」

 ユーリの意思に反して体が傾いた方、つまり俺の方に倒れて抱きつく形になる。
 強く抱きしめたら折れてしまいそうな柔らかく細い肢体が、俺を誘惑してるかのように絡みつく。

「今日は、随分と積極的だな」

 俺がユーリの腰に触れながら意地悪く笑うと、パッと離れてそっぽを向き膝に両手をおき、顔を真っ赤にする。

「積極的じゃありません」

 むぅ、と口を尖らせる。

「冗談だ」

 プッ、ハハ……と、ユーリの反応に俺は頬にかかる前髪をかき上げ、思わず笑った。



     †††



 湖のほとりに着くと、従者に昼過ぎに迎えにくるよう伝えた。馬車を見送ると、湖の周りを二人でゆったり歩く。

 木々は青々とし、清々しいほど晴れて空は天高い。湖はキラキラと小さく波打って輝き、太陽の光を美しく反射している。


 風がユーリの焦げ茶の髪を遊ばせるたび髪を押さえるので、俺の視線は自然と彼女の頸(うなじ)に向かってしまう。

 白い肌。
 透き通るほど艶やかで滑らかな頸。
 髪を抑える指はしなやかに細く女性らしい。
 水色のドレスからのびるたおやかな足は、太すぎず痩せすぎてもいず、歩くたびにふわりと揺れる裾からチラリと覗き、俺を誘惑する。

 俺の視線に気づいたか、ユーリは俺の一歩後ろに下がる。
 目は伏せがちで、少しキョロキョロと周りを見ている。
 またそういう恥ずかしそうな姿が俺をそそっていることに気づいていない。

 俺はユーリの腰に手を回すと、隣に歩かせた。視線を少しだけ下げると、胸元は広く開いてはいないが、程よく鎖骨が覗いてふっと触れたくなる。

 シタイーーーー

 欲望のままに、腰に当てていた手をグイと力を入れ引き寄せる。驚いた彼女をそのままに、体を少しかがめて鎖骨のラインにキスを落とす。
 ふんわりと彼女の香りが頸から漂ってくる。
 チュ、とわざと聞こえるように鎖骨から頸へとキスをつなげていく。

「あ……っ」

 ユーリは耳まで真っ赤になると、俺に支えられてやっと立っている。

「キスが好きか?」

 俺は口角をつりあげ、困らせるように言った。
 ユーリは返答に困り、目をぎゅっとつむったまま固まっている。
 気にせず俺は頸をちゅ、と吸うと、チラチラと小さく舌を這わせる。

「ん……あっ……」

 這わせていた舌を頸から唇にうつし、少しずつ割り入れていく。深く、深く、緩めず、力強く。
 
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