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城とダサい勇者
しおりを挟む俺はまだ勇者である。
あれから美少女と、夜になると焚き火を焚き、交互で寝たりと冒険者らしい事をした。
確かに女の子一人で旅をするとなると、ちと物騒だ。
悪魔の囁きに負けず、いてやれてよかった。
3日目の昼。
いよいよ遠くからでも城が見えてきた!
やっとですよ、やっと。
ヒャッホーイ。
カエルは初日に倒しちゃったモンだから、襲ってくる魔物を退治するしかやる事がない。
気がついたらそれなりにレベル上がっていて、ゴールデンも少しばかり増えていた。
城で何か買って帰ろうっと!
俺は半ば観光気分でワクワクしてきた!
いやいや、俺は勇者だ。
ここはあと少し、気を引き締めて行かねばならぬ。
何があるかわからないからな!
美少女は好き勝手に魔物と見れば追いかけてぶっ飛ばし、回復魔法ができなくなるほど魔力を使うので、初日にゲットした薬草を使って怪我を治すようになった。
何となしに手に入れて置いた俺、グッジョブ!
……にしても、僧侶の意味?
そして何ごともなく城門までたどり着いた。
城壁は下から見上げるととても立派で、ホゲホゲ村と違って何処までも続く壁のようだ。
相当なデカさだぞ?
口をだらしなくあけ、ボケーっと眺めていた。
勇者は田舎の村出身だから、都会に非常に驚くのだ。
美少女は城門を入っていくと、城下の店なんかに目もくれず、ズンズンまっすぐ歩いていく。
あ、あの……
リアルフロッグ倒したら、ゴールデンが貰えるのでは?
と疑問に思いながら、俺はただついていく。
美少女は俺を振り返り、あと少しよ(はぁと)と満面の笑みを見せる。
城の門を両手でブワァッと勢いよく開け、更に城内にズカズカ入っていき、
どんどんどんどん突き進んでいく。
階段を登ると大きくて重厚な扉の前にきた。扉の横に、鎧を着た兵士がいるが、それすら無視して美少女は思い切りよくドアを開ける。
エェ……
ちょ、ま、何?
「ただいま戻りました、父さま」
ここ王の間じゃん!
おお、神よ。
まさかの美少女、姫様ですか。
ってか、初めて美少女の声聞いたー!
と、俺はその場にへたり込んだ。
腰を抜かすダサい勇者はこちらです。
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