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逃げるダサい勇者
しおりを挟む俺は村に着くと、すぐさま自分の小屋に逃げ込む。
走っていたため、ダサい姿を村の連中に見られないで済んだかもしれない。
あの美少女は体力がなかったせいか、途中で気配を感じなくなった。
が、ホゲホゲ村から出てきた事はついうっかり話してしまったので、おそらく村には来るだろう。
しかし俺は今、この旅人の洋服を脱ぎ、剣と鍋の蓋を宝箱にしまう。
コレで俺は晴れて村人だ!
部屋でひとり、両手を上げてうわーいと喜ぶ。
とりあえず旅人の洋服は洗濯して置こう。
俺は部屋着に着替え、早速旅人の洋服を外に洗いに出た。
辺りにあの美少女がいないかキョロキョロと見回し、いない事を確認すると雨水のカメから水を取り出して洗い始める。
くそ、泥汚れはなかなか落ちん。
イライラするほど苦戦した。
諦めて程々に汚れを落とし、万が一美少女にバレないために外干しはせず、部屋に干した。泣ける努力だ。
だってもう勇者には戻りたくない。
あ、そういや聖水ボトルを渡しに行かないと行けなかった……
明日でいいか?と、期限もないのでそのまま棚に置いておく。
聖水ボトルは一応勇者として依頼されたので、明日最後の勇者の仕事にしよう。
今日で最後と思っていたが、まあ渡すだけだ。問題ない。
俺はステキな村人だ。
やらなければならないことなんか何一つない!
素晴らしい。
勇者なんかダサいしだるいしやってらんないからな。
もう村人サイコー!
俺は今日はこの村に美少女が来るかもしれないから、とにかく引きこもることにした。
いやもうこれ村人の醍醐味よね?
家の中にいても、誰にも何も言われない。ただウロウロしてるだけ。
俺は、数日ぶりに家の中でダラダラとしたのだった。
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