ダサい勇者

らいらい

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隣町とダサい勇者

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 おれはあとちょっとで村人だ。
 それまでは勇者だが。

 隣町に帰るまでに、ちらほら魔物に襲われた。
 俺のパンを食べたワイルドカッコーたちが襲ってきた時は、ものすごい凶悪な顔でボコボコにしてやった。もはや勇者とは認められない恐ろしさだったろう。

 食べ物の恨みはユルサナイ。

 そのおかげで、いつの間にやらレベル6まで上がっていた。
 あっという間にファイアーが使えるようになっていた。
 
 ファイアーを出す時は、頭の中で火の形なんかを想像して、それを自分の腕と共に投げて放るイメージでうつ。

 よくある魔法使いとはなんか違う、俺の場合。

 覚えたてホヤホヤで、魔力のコントロールができないらしい。

 やっと勇者っぽくなってきたが、ファイアーもなんか小さくて地味だな。
 ちょっとしたものなら燃やせる程度の火力だ。

 あーマジで勇者とか極めたやつ暇すぎだろ?

 とりあえず隣町に着くと、さっさと道具屋に行き、水を手渡した。
 駄賃として、30ゴールデンもらった。

 クソ、あの大変な思いしてこれだけかよ。そんで村に戻って40ゴールデン。

 なんか勇者って効率悪くてダサい!

 俺はため息をつきながら、聖水ボトルを五本買って戻る。
 ほかの道具も見たが、今の俺には関係なさそうなもんばかりなのと、ゴールデンがそんなにないのでそれ以外は買わないでいた。

 あー……腹減った。
 食べ損なったので、ちょっとこの町の居酒屋で何かつまむ事にした。

 勇者だし、ここは酒でも一杯!

 俺は意気揚々と、酒屋へ向かった。
 そういや酒屋とかも勇者イベントフラグあるよなぁとか思いながらも、疲れた後の一杯の魅力に抗えなかった。

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