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ダサい勇者と泉
しおりを挟む俺は勇者だ。
森の中でワイルドカッコーに食料を奪われた。
魔物に兵糧攻めにあったわけだ。
俺は近くの木に向かって、クソッ! と蹴り上げた。
ピキーン、と、ふくらはぎの辺りがつる。運動不足な上、突然長いこと歩き出したため、ふくらはぎが悲鳴をあげているらしい。
俺は膝を抱えるようにゴロゴロとのたうち回る。
チクショウ!
どこまでがワナなんだ!
俺はなかば被害妄想した。
ダサい、ダサすぎる。
やることなす事がダサいとは。
しばらくのたうち回っていると、視界に小さい泉が見えた。いつの間にか移動してたらしい。
水さえ手に入れれば、あとは帰るだけ。
俺は少しだけホッとして、荷物バッグから瓶をあるだけ出して、それにどんどんと入れて行く。
道具屋に渡されただけ瓶に水は詰めた。さあ帰ろうと、荷物バッグを持ち上げる。
クッソ重い!!
1人で森に何時間も行くのに、こんな重い荷物持って帰れるかよ!
とはいえ俺は勇者だし、約束を破るのはよくない。
仕方ないので頑張って持って行ってみる。なんの拷問かと思うが。
はぁ、勇者って全然割りに合わないな。物語とか聞いてるとカッコいい!って感じだが、いざやってみたらただのパシリに便利屋、なんかもう下積みがダサい。
世の中には勇者がたくさんいて、下積みに打ち勝てた奴が勇者なんじゃないかと俺は思った。
つまり、勇者イコール元ダサイ人。
もう俺やっぱり村人でいいわ。
やることやって村に帰ったら、村人に戻る!!
俺は勇者をやめると心に決めた。
まぁとりあえず、この森をこの荷物と共に抜けないと。
俺は荷物バッグを見つめると、ため息をついた。
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