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汚なダサい勇者
しおりを挟む俺は勇者だ。
いや、昨日村人に戻った。
しかし先程スライムのかたまりを届けたら喜ばれて嬉しくなったので、今日も勇者をする事にした。
昨日倒したスライムから手に入れたゴールデンを、教会に寄付に行くことにした。
10ゴールデンでも寄付は寄付。
旅人の洋服を着て、右手に木の剣を持って行ってくる。
何度見てもダサいな。
こんな格好でシスターさんに会ったら、ダサすぎて引かれるんじゃないかと心配だ。
カッコいい勇者になって、女の子達からモテモテになるのが希望だからな。
だが、まだたいしてゴールデンが増えているわけでもないので、カッコいい武具が買えるわけでもないので仕方ない。
まぁとりあえず教会にゴーだ。
教会に着くと、煌びやかなステンドグラスに圧倒される。
こんなみすぼらしいカッコの勇者がいていいのだろうか?
俺はため息をつくと、綺麗な内装の赤い絨毯をこの姿で進んでゆく。
10ゴールデンを寄付用のツボに入れると、シスターさんが話しかけてきた。
うーんシスターさんいいにおい。
……そういえばこの防具、まだ洗濯してなかった!
ダサいどころの話ではない。
俺は教会のシスターさんに何やら話しかけられるが、そのことが頭から離れない。
ダサい上に不潔!
これはまずい!
俺はシスターさんから頼まれた、聖水ボトルを探しに隣町まで行かなければならない。
帰ったら洗濯しなくては。
今日は村人になることはできなかった。勇者の予定が出来たからな。
まあこんな日もあるぜ。
俺は家に帰ると、外の雨水を溜めたカメを利用して洗濯することにした。
勇者が雨水で防具を洗う姿を想像してみてくれ!
ダサいだろう?
このカッコで明日は隣町まで行かなければ。
ふぅ、と俺はため息をついた。
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