ダサい勇者

らいらい

文字の大きさ
上 下
3 / 19

汚なダサい勇者

しおりを挟む

 俺は勇者だ。
 いや、昨日村人に戻った。
 しかし先程スライムのかたまりを届けたら喜ばれて嬉しくなったので、今日も勇者をする事にした。

 昨日倒したスライムから手に入れたゴールデンを、教会に寄付に行くことにした。
 10ゴールデンでも寄付は寄付。

 旅人の洋服を着て、右手に木の剣を持って行ってくる。

 何度見てもダサいな。

 こんな格好でシスターさんに会ったら、ダサすぎて引かれるんじゃないかと心配だ。
 カッコいい勇者になって、女の子達からモテモテになるのが希望だからな。

 だが、まだたいしてゴールデンが増えているわけでもないので、カッコいい武具が買えるわけでもないので仕方ない。

 まぁとりあえず教会にゴーだ。

 教会に着くと、煌びやかなステンドグラスに圧倒される。
 こんなみすぼらしいカッコの勇者がいていいのだろうか?

 俺はため息をつくと、綺麗な内装の赤い絨毯をこの姿で進んでゆく。

 10ゴールデンを寄付用のツボに入れると、シスターさんが話しかけてきた。
 うーんシスターさんいいにおい。

 ……そういえばこの防具、まだ洗濯してなかった!

 ダサいどころの話ではない。

 俺は教会のシスターさんに何やら話しかけられるが、そのことが頭から離れない。

 ダサい上に不潔!
 これはまずい!

 俺はシスターさんから頼まれた、聖水ボトルを探しに隣町まで行かなければならない。

 帰ったら洗濯しなくては。
 
 今日は村人になることはできなかった。勇者の予定が出来たからな。
 まあこんな日もあるぜ。

 俺は家に帰ると、外の雨水を溜めたカメを利用して洗濯することにした。

 勇者が雨水で防具を洗う姿を想像してみてくれ!
 ダサいだろう?

このカッコで明日は隣町まで行かなければ。
 ふぅ、と俺はため息をついた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

妻がヌードモデルになる日

矢木羽研
大衆娯楽
男性画家のヌードモデルになりたい。妻にそう切り出された夫の動揺と受容を書いてみました。

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

13歳女子は男友達のためヌードモデルになる

矢木羽研
青春
写真が趣味の男の子への「プレゼント」として、自らを被写体にする女の子の決意。「脱ぐ」までの過程の描写に力を入れました。裸体描写を含むのでR15にしましたが、性的な接触はありません。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

性転換マッサージ2

廣瀬純一
ファンタジー
性転換マッサージに通う夫婦の話

おもらしの想い出

吉野のりこ
大衆娯楽
高校生にもなって、おもらし、そんな想い出の連続です。

6年生になっても

ryo
大衆娯楽
おもらしが治らない女の子が集団生活に苦戦するお話です。

同僚くすぐりマッサージ

セナ
大衆娯楽
これは自分の実体験です

処理中です...