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ゲームセンター
しおりを挟むお昼は結局ポルチーニ茸のクリームパスタにした。写真で見たらものすごい美味しそうに見えて。普段食べないものを食べたくなり、実際食べてクリーミーで味はしっかりついていて美味しかったから良かった。2人でポテトもつまみ、かなりお腹いっぱいだ。
リョウはたらこパスタを選んでた。定番は外せないらしい。
私たちは店を後にすると、近くのゲームセンターに向かう。
リョウは私の手を絡め取ると、恋人繋ぎをした。親指で私の手を撫でる。
たくさん人がいるので、恥ずかしさも少し薄まった。
「ほら、そこ」
リョウがゲームセンターを指差すと、店内に入っていく。薄暗い店内の、ぬいぐるみやおもちゃ、お菓子などが入っているUFOキャッチャーに近づいていく。
「お菓子のでっかいやつ!」
私はビッグサイズのお菓子の入った台の前で立ち止まった。
ガラスに張り付いていると、リョウがクスクスと笑い出す。
「それ難しいよ。ちょっと待ってて」
100円玉を投入口に入れると、お菓子の箱の角を持ち上げるように動かす。アームが上がるときに、少し角度がずれてそこで止まってしまった。
「えー、これ取れないね?」
私がリョウの方を向いてボヤくと、リョウがんー、と首をひねった。
「これを繰り返して、何回かであの穴に落とすんだよ」
「えー! 持ち上げるだけじゃないんだ!」
リョウは引き続きお金を入れ、4回目で穴に落としていた。
「おし、じゃあこれ新にあげる」
嬉しそうに、取れたお菓子を据え付けのビニールに入れると、はい、と手渡してきた。
「ありがとう……」
リョウからお菓子を受け取ると、今度は小さなお菓子をクレーンの様なもので持ち上げる台に移動した。
「これならできそう! 100円で二回できるし……」
お金を入れて適当な所でボタンを押すと、ザクッとクレーンがお菓子を拾う。自動で中央のお菓子が転がってる所に移動するとザザーとお菓子がこぼれ落ちた。
「お、いい感じ。押し出されてお菓子が受け取り口に……」
思いの外落ちない。
「ありゃ、2つ落ちたけど。もう一度……」
2回目も挑戦して、合計5個落ちた。
むむぅ、意外に難しい……!
「でも取れてよかったじゃん。取れないこともあるし」
リョウはにこやかにそう言うと、ポンと私の頭を叩いた。思わず顔が熱くなった。
人たらし、女たらしたる所以だ、と私は思う。
「あ、せっかくだからプリクラやろーよ」
ちょっと向こう側に、プリクラの機械が何台かあり、リョウは私の手を掴んでそちらへ行く。
「ここ、きれいに写るってクラスの女子が話してたよ」
光で肌が明るく見えて、補正も入って可愛くなるらしい。でも、リョウと一緒じゃ地味さ加減が目立ちそうで、一瞬怯んだ。
「あっ、リョウ!」
有無を言わせず機械に入ると、色々と操作しだした。普段友達と出歩いているらしく、操作も手慣れている。
「さーさ、とろ」
「もー」
「いーのいーの」
ポーズのアナウンスとともに、2人はポーズをとって固まる。最後の最後で、リョウが私の頬を両手で後ろから引っ張り、変顔にした。
カシャ!
「あー!!」
あはは、とリョウが悪びれもせず笑い出した。イタズラなところは何も変わらないのよね。
しばし写真が出来上がるまで待ち、出来上がったプリは半分に切って2人でわけた。
「かわいいかわいい! やっぱ今日来てよかった」
リョウは写真を財布に入れて、ポケットにしまう。私はバッグのサイドポケットに忍ばせた。
「さてー次どこ行きたい?」
この日、リョウといろんな所にまわって、デートを楽しんだ。とにかく事あるごとに手を繋いできたのが少し恥ずかしかったけど。
すごく楽しい一日だった。
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