ニセカノ

らいらい

文字の大きさ
上 下
20 / 28

リョウの部屋2

しおりを挟む

 ゆっくりとリョウが腰を前後に動かす。
その度に私のお尻にリョウのお腹が打ち付けられ、いやらしい音と打つ音が部屋に響く。
 何より、グチョグチョという音が、自分の中から出てきたものだと思うと、恥ずかしくてリョウを見れない。

「隠さないで、顔見せて」

 いつのまにか目をつむり、顔を両手で覆ってリョウに見えないようにしてしまっていたらしい。リョウは両手を押さえつけると、つながったまま唇を唇だけで噛んでくる。
 お腹も胸も吸い付く様にはりつき、私の体を抱きしめるとそのまま腰を揺らす。
 中でお腹の前の方を擦られると、ゾクゾクしてしまう。

「あっ、あぁッ。やッ」

 耐えられなくなって私は呼吸が乱れて行く。そしてリョウも追走するように呼吸と抽送が激しくはやくなってくる。
 打ちつけるたびに水音がいやらしく鳴り、恥ずかしくてたまらない。お腹が熱くなってしまう。

「やっ、リョウ、や……ぁ!」
「……ッ、はぁッ」

 激しく私の中で動いていたそれがゆっくりと止まり、どくりと何回かうごめいた感じがした。

「出ちゃった」

 はぁはぁとリョウが私に覆い被さり、繋がったまま倒れ込んだ。肩が上下に揺れ、その広い背中を私はそうっと抱きしめた。
 汗でじんわりとしている。

「出す時、全力疾走と同じらしいよ」

 リョウは私に倒れ込んだまま笑って言う。
 心臓の音が、バクバクと激しく響いていた。
 そこはかとなく、愛おしい。







 ご両親は日中はいないとの事でリョウの家のお風呂を借り、サッパリした。お風呂も広くて、居心地がいい。とはいえ、シャワーを借りるだけだけど。
 お風呂場には縦長に鏡がはってあり、自分の姿を見るとなんだか変な気分だった。首筋のところには赤い跡が一つ。
 絆創膏かなんかで隠さないと、生々しい。
 こうやってみんな彼氏彼女になってくのかな。
 最初こそ付き合いで彼女のふりしてたけど、自分の気持ちもよくわからないまま付き合いが深くなる。

 これでいいのかな?

 自分に問いかける。
 シャワーのレバーを下ろし、お風呂を出た。 



「リョウ?」

 服を着て部屋に戻ると、リョウは布団で寝転んでいた。疲れて眠くなったのか、すうすうと小さく寝息を立てている。
 子供のようなあどけなさも見えた。
 私はカバンを手に取り、ルーズリーフと筆箱を出してメモを書いておく。

『寝てるみたいだから帰るね。また明日』

 私はそれをテーブルに置いておくと、外に出た。
 少し進むといつもの公園があって、そこを右に曲がってしばらく行くとコンビニがある。コンビニの道の脇をまっすぐ歩いてくと、うちに着く。割と2人の家の距離は近い。


「ただいまー」
「あら新おかえり! 今夕ご飯作ってるから、できたら呼ぶからね」
「はぁい」

 お母さんがいつものようにご飯を作ってくれている。
 私は部屋に着くと、カバンを床に置いた。
 寝られちゃったからってわけじゃないけど、なんとなく帰りたくなった。
 愛おしく思う気持ちはあるのに、どこかよそよそしくなっちゃう。
 どうしてだろう。
 リョウのことは好き、だけど。
 だけど。
 まだ好きの種類が違ってるのかも知れない。

「んー、あんま分からないや」

 私はひとりごちると、考えても仕方ないと考える事をやめにした。いくら考えても堂々巡りになってしまう。

「新ー!! ご飯できたよ! 降りてきて~」

 階下から、お母さんの呼ぶ声が聞こえた。私は「はぁい」と返事をすると、階段を降りて夕食を食べることにした。カレーのにおいが、2階にまで登ってきていて食欲をそそる。
 とにかく食べよう!
 私はキッチンの自分の席に座ると、久々のカレーを堪能した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

明智さんちの旦那さんたちR

明智 颯茄
恋愛
 あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。  奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。  ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。  *BL描写あり  毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

処理中です...