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リョウの部屋2
しおりを挟むゆっくりとリョウが腰を前後に動かす。
その度に私のお尻にリョウのお腹が打ち付けられ、いやらしい音と打つ音が部屋に響く。
何より、グチョグチョという音が、自分の中から出てきたものだと思うと、恥ずかしくてリョウを見れない。
「隠さないで、顔見せて」
いつのまにか目をつむり、顔を両手で覆ってリョウに見えないようにしてしまっていたらしい。リョウは両手を押さえつけると、つながったまま唇を唇だけで噛んでくる。
お腹も胸も吸い付く様にはりつき、私の体を抱きしめるとそのまま腰を揺らす。
中でお腹の前の方を擦られると、ゾクゾクしてしまう。
「あっ、あぁッ。やッ」
耐えられなくなって私は呼吸が乱れて行く。そしてリョウも追走するように呼吸と抽送が激しくはやくなってくる。
打ちつけるたびに水音がいやらしく鳴り、恥ずかしくてたまらない。お腹が熱くなってしまう。
「やっ、リョウ、や……ぁ!」
「……ッ、はぁッ」
激しく私の中で動いていたそれがゆっくりと止まり、どくりと何回かうごめいた感じがした。
「出ちゃった」
はぁはぁとリョウが私に覆い被さり、繋がったまま倒れ込んだ。肩が上下に揺れ、その広い背中を私はそうっと抱きしめた。
汗でじんわりとしている。
「出す時、全力疾走と同じらしいよ」
リョウは私に倒れ込んだまま笑って言う。
心臓の音が、バクバクと激しく響いていた。
そこはかとなく、愛おしい。
ご両親は日中はいないとの事でリョウの家のお風呂を借り、サッパリした。お風呂も広くて、居心地がいい。とはいえ、シャワーを借りるだけだけど。
お風呂場には縦長に鏡がはってあり、自分の姿を見るとなんだか変な気分だった。首筋のところには赤い跡が一つ。
絆創膏かなんかで隠さないと、生々しい。
こうやってみんな彼氏彼女になってくのかな。
最初こそ付き合いで彼女のふりしてたけど、自分の気持ちもよくわからないまま付き合いが深くなる。
これでいいのかな?
自分に問いかける。
シャワーのレバーを下ろし、お風呂を出た。
「リョウ?」
服を着て部屋に戻ると、リョウは布団で寝転んでいた。疲れて眠くなったのか、すうすうと小さく寝息を立てている。
子供のようなあどけなさも見えた。
私はカバンを手に取り、ルーズリーフと筆箱を出してメモを書いておく。
『寝てるみたいだから帰るね。また明日』
私はそれをテーブルに置いておくと、外に出た。
少し進むといつもの公園があって、そこを右に曲がってしばらく行くとコンビニがある。コンビニの道の脇をまっすぐ歩いてくと、うちに着く。割と2人の家の距離は近い。
「ただいまー」
「あら新おかえり! 今夕ご飯作ってるから、できたら呼ぶからね」
「はぁい」
お母さんがいつものようにご飯を作ってくれている。
私は部屋に着くと、カバンを床に置いた。
寝られちゃったからってわけじゃないけど、なんとなく帰りたくなった。
愛おしく思う気持ちはあるのに、どこかよそよそしくなっちゃう。
どうしてだろう。
リョウのことは好き、だけど。
だけど。
まだ好きの種類が違ってるのかも知れない。
「んー、あんま分からないや」
私はひとりごちると、考えても仕方ないと考える事をやめにした。いくら考えても堂々巡りになってしまう。
「新ー!! ご飯できたよ! 降りてきて~」
階下から、お母さんの呼ぶ声が聞こえた。私は「はぁい」と返事をすると、階段を降りて夕食を食べることにした。カレーのにおいが、2階にまで登ってきていて食欲をそそる。
とにかく食べよう!
私はキッチンの自分の席に座ると、久々のカレーを堪能した。
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