8 / 28
したい
しおりを挟む2日間高熱にうなされ、3日目でやっと微熱程度に下がってきた。お母さんはお粥を作ってくれて、今それを温めて食べているところだ。
はぁ……ちょっと痩せたかも、と、年頃の私としては嬉しいおまけがついた。けど、治ったら元に戻っちゃうんだけど。
お粥を食べ終わり、お皿をシンクに入れると大きく伸びをする。流石に毎日寝っぱなしは飽きる。
とりあえず汗かいて気持ちが悪いので、シャワーを浴びた。髪をバスタオルで丁寧に拭いて、肩にそのまま髪で濡れないようにかけておく。
「あーサッパリしたっ」
洗面所でドライヤーをかける。指先を櫛のようにして、風をあてる。徐々に乾いてサラサラになってくるのが気持ちいい。
ピンポン、とチャイムが鳴る。
インターフォンを覗くと、リョウがいた。うそ、また来たんだ。
私は慌ててしまい、そのまま玄関に出た。
「あっ、新おはよー」
「おはよ、これから学校?」
私がリョウに問いかけると、どうしようかな? という風に考えてる。
「寄っていってもいい?」
「遅刻しちゃうよ」
「いいよ、大丈夫」
そう言うと門を開け、玄関に入ってくる。私はどうぞとリビングに上げる。
部屋の中央のリビングテーブルの横のソファに座ってもらう。
「新、お風呂入ってたの? 髪、濡れてる」
「あー、汗かいて気持ち悪かったから。まだ微熱はあるんだけど」
なんとなくリョウからチラチラと視線を感じて、落ち着かなくなる。
そのソワソワを感じてか、リョウが私を隣に座らせる。
「えと……」
お風呂上がりに男の子が家にいるってちょっとまずかったかな、と反省する。
こういう所が隙とか言われるのかな。
「ねぇ、新」
「何?」
「俺じゃ、ダメなの? 何がダメ?」
ダメって……そんなの理由とかないし。押されれば押されるほど、逃げたくなる。
「リョウのことはカッコいいと思うし、優しいし、いい人だと思うよ。でも」
逡巡したが、口にする。
「リョウとキスしたりエッチしたり、怖くてできない」
リョウは口の端に力を入れて、苦虫を噛み潰したような表情をした。
子供みたいに、ショボンとするリョウ。私は申し訳なくなるけど、こればかりは仕方がない。
「あらた」
リョウは私の名前を呼ぶと、グイと私の腕を引っ張って、抱きしめた。優しく、包み込むように。
リョウの匂いと、心臓の音と、暖かい体に私の心臓は高鳴る。リョウに聞こえてしまうんじゃないかと、怖い。
「好きになっちゃったんだ」
私を少し離すと、唇を寄せてくる。
ちゅ、と、柔らかいキスだった。
今度は、怖くなかった。
「あ……」
私は顔が真っ赤になるのを感じる。ついさっきまでは絶対無理って思ってたのに。
「大好き、あらた」
私の胸に手を当てがい、ちゅっ、ちゅっと何度もキスをしてくる。
私が固まっていると、リョウは膨らみの先を優しくコリコリと引っ掻いてくる。
「あっ……だ、だめ」
おへその下までゾワゾワと疼く。不思議な感覚。
「あらた、したい」
リョウはそう言うと、唇を合わせ舌をぺろりと中に入れてくる。この前のとは打って変わり、優しくてとろけそうな動きだ。
「ん……ッふ」
堪えきれず、悩ましい声がこぼれてしまう。リョウは私をソファに押し倒し、キスをどんどん深くしてくる。
私はまた腰が抜けたように痺れてしまい、動けなくなる。
「あらた、あらた」
甘い声でリョウが私の名前を呼ぶ。そして私の胸を撫でるようにパジャマの下に手をもぐり込ませ、触れてくる。むにゅりと揉んでみたり、膨らみの先を摘んで引っ張ったり。
そうかと思えば私の大事なところに手を伸ばし、パジャマの上から指先で擦ってくる。
「あっ、やっ……」
下をこすられ、私の息が荒くなる。恥ずかしすぎて目が開けられない。
「キスとか、エッチ、怖い?」
耳のそばで甘く囁いてくる。ちゅ、と、うなじにキスをされ、ぬるぬるとした舌で首筋を這わせる。
「やっ、あんッ」
「あらた、やらしい声でてる」
顔を赤くほてらせながら、私はたまらずトロンとした目になっている。
熱でおかしくなってる、だけーー私は自分に言い聞かせた。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。
矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。
女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。
取って付けたようなバレンタインネタあり。
カクヨムでも同内容で公開しています。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる