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閑話 ②
閑話 Barナイトメアのママ
しおりを挟むそれから紹介した彼女(男)と何人か引き合わせて、その後何度かやり取りしたり、うちのお店で相談したりしてたみたい。
彼女達の話では、どうやら拡張してるのは彼の方らしい。
どういうことかしら?
サイズ的に拡張は慎重にゆっくり負担なく進めたみたいで、うちに通い始めて半年が経った頃、やっと目的のサイズにまで到達したことを報告してきたわ。
そんなこと、そんなさわやかな笑顔で無邪気に言わないで。お姉さん心が痛いわ。
やっぱり気になって聞いちゃったの。
「ねぇ、次は貴方の彼氏の方をするの?」
「え? ああ、彼氏じゃないですよ。まだ。そのうち彼氏にしますけど」
すごい地震。もとい自信。ちょっと地面が揺らいじゃったわ。
「そうなの? じゃあその時彼にも手ほどきするのね」
「そうっすね。多分俺の時より時間かかると思います」
「でしょうね」
「あれ? 言いましたっけ。オレのがあの人のよりデカいって」
「え、や、えーと?」
「まぁいいや。でもオレ、ヤったことないからなぁ、うまくできるか」
「なら、筆下しに慣れた人紹介する? 後腐れないし上手いわよ」
「へえ。そんな人がいるならお願いしたいっすけど」
「尊ちゃんはどんな男が好みなの?」
「え、オレ男を抱く趣味はないっすよ」
「でもさっき彼氏って」
「あの人は特別です」
「じゃ、じゃあ、女の子にする?」
完全に後腐れないとは言い切れないけど、あの子、人に執着したところは見たことないし、大丈夫でしょ。
「お願いします。でも条件があって。俺がそれ言っていいのかわかんないっすけど」
「まぁ、聞いてみるわ、言ってごらんなさい」
「キスはもちろん、クンニもフェラもなしでお願いしたいっす」
「ふぅん? それでOKするかはわからないけど、一応聞いてみるわね」
女の子は直ぐに話に乗って来た。
サイズもだけど、彼の顔が決め手だったみたいね。
だけど、関係を持った後、ちょっぴり問題になってしまった。
彼の方は、本当に今の思い人以外全く興味がないのか、二度目をお願いしても全く頭を縦に振らなかったらしいわ。彼女から聞く限り、体の相性は随分と良かったみたいなのに。
そのうち彼から泣きつかれて、あたしが説得することにしたわ。
その後も、常連客から何人かそういう人を紹介してもらう機会があったみたい。最初のことがあったから随分渋ってたけど、勢いに押されて何人かの女の子と関係を持った見たい。
でも、キスも愛撫もナシなんて、普通恋人になろうなんて思わないわよね。互いに道具としてしか見てないもの。
最初の女の子以外は、みんな一回で満足してたわ。
後でその子たちの話を聞いて、なるほど執着する理由はわかったわ。
愛撫ナシでも何度もイかされるみたい。サイズは別格に大きいらしいけど、硬すぎないからそのサイズに慣れてさえいれば長時間でも痛くならないし、びっくりするほど遅漏。そしてイイとこを探るのが上手くてその上体力お化け。
ディルドや整形でデカくした男では感じられない気持ちよさだって、みんな口をそろえてたわ。
ほんと、何なのかしら、あの子。
話をどこかで聞きつけたエロビのプロデューサーが、何度かスカウトしようと尊くんを探しに来てたけど、絶対合わせちゃだめだと思って必死で隠したわよ。
あの口軽女ども、今度絶対絞める。
今考えれば、そんな楽しい時期もあったわね。
◆
大学に上がる少し前だったかしら。
うちに来たときは、既にお酒の臭いをさせてたわ。
すごく荒れてたから、何があったか聞いたの。
それまで、尊くんの想い人のことをは血のつながらない父親であること以外、全然教えてくれなかったのに、その時は自分に対する怒りなのか、口調荒く、でも寂しそうにお父さんのことをたくさん話してくれたの。
尊くんなりに何度も悩んだのね。散々悩んだ末に気づいちゃったのね。
一時的な感情じゃないこと。本気で愛してること。
ずっと嘆いてた。お父さんが自分のせいで出て行ってしまったって。
その日は水だけ飲ませて家に帰るよう諭したけど、その後も何日もお酒のにおいをさせて顔を出すの。
もちろん、うちでお酒は出してないけど、周りの常連客に遊ばれながら、でもそうやって寂しさを埋めているように見えた。そんなんじゃ埋まらないのにね。
朝になって他の客がいなくなっても、尊くんの話を聞いていたわ。
でも、あたし何もしてあげられなかった。
ただ聞いて頭を撫でてあげることしかできなかったの。
だって、今の尊くんを救えるのはやっぱりお父さんしかいないもの。
二か月ぐらいたった頃かしら?
二日と開けずに訪れるようになっていたのに、ある日を境にパタリと来なくなったの。
不安になってスマホに連絡を入れたわ。
『ママ、連絡しなくてごめん。父さん帰って来た』
『そうなの? 良かったわね!』
『落ち着いたら顔出すよ』
そっか。本当、良かったわね。
良かったわ。そうよ。良かったのよ。
あら、なんでかしら。視界がぼやけるわ。
ふふ、安心しちゃったのかしら。
どうしましょ。今からお店なのに。
こんな顔じゃお客さん怯えて帰っちゃうわ。
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