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第5章 六凶編 VS ブラッディマリア・ブルードラグーン
第196話 南国救出作戦
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王白龍から李章の死の知らせを聞き、ショックを受ける陳。台湾で共に過ごした日々が脳裏をよぎる。
「陳青鴻か。香港から来たのか。私は李章。よろしく。」
「鴛鴦茶(インヨンティー)か。珈琲とミルクティーを半々で混ぜた香港名物か。中々上等だな。」
聡明な男で、探偵としても優秀だった李章。台湾で探偵をした陳に、親身になってくれた親友である。ひかりの会の東アジア制圧作戦で、香港の次に台湾を襲撃。李章もAI改造兵士に怯むことなく立ち向かうも、最後は兵士のユミのフレイムバズーカの前に、夜市ごと吹き飛ばされて戦死した。
「李章…。」
所長は全てを察した。一昨年の年末年始の雅文・美夜子・玲奈の強化合宿に協力してくれた台湾の探偵達で、陳の親友である李章がひかりの会に殺された。王白竜は恐らく、台湾を占領したひかりの会を倒したい、でも、李章は戦死して、自分達も敗れた。だから、国境を越えて、力を貸して欲しい、そういう流れになるだろうと。
「陳、事情は良く分かった。私から、アリス様に話す。友達のために戦いたいんやろ?」
「所長…。」
レモンティーを飲み干し、氷だけのグラスをテーブルに叩きつける。
「私も、分かるんや…。かつて、妻と子どもを何者かに殺されたんや…。犯人は、1度見つけ出したが逃げられた…。でも、私は必ず掴まえる!!この手でな!!せやから、私は気持ちが分かるんや。陳、戦いに行くんや。こっちは私に任せてくれ。心配するな。無問題(モーマンタイ)。」
所長に背中を押され、陳は闘志が湧き上がる。
「謝謝、所長。私は必ずや、李章の敵を取ります!!」
その後、戻ってきたメンバーと作戦会議を行い、役割分担した。
台湾遠征組
陳青鴻
烏丸雫
神田雅文
ブラッディメアリー調査組
中村景満
桐島美夜子
音無玲奈
台湾に乗り込む為の、作戦を考える。翌週から7月になる。7/1~7/6と6日間の期間を設け、王白竜とZoomで作戦会議をする。その間の滞在地は、王白竜と梅李香のシェアハウスに泊めてもらう。
「アリス様からも許可が出た。」
7/1早朝、関西国際空港で見送る所長。
「気を付けてな。」
「所長、必ず生きて帰ります。」
所長・雫・雅文は、意を決して台湾に向かう。
7月1日、桃園国際空港に到着した3人。台湾は亜熱帯気候で、夏場は30℃を超えることも多い。MRTで台北市へ向かった。李章探偵事務所のある信義区に到着。台北101が聳え立ち、南国の生暖かい風が吹く。
「蒸し暑いな…。」
「台湾は南国だからな。」
李章探偵事務所に入り、王白竜達と再会。事務所には、李章と与那原謙介の遺影が置かれ、献花台に花と供え物、線香が焚かれている。
「李章…。」
陳は悲しみに暮れて俯く。雅文も、一昨年の海外修行で李章に世話になっていた。遺影に手を合わせる。気持ちを切り替え、現状を探る。
「あの後、何があったか。話せる所だけでいいから話してくれないか?」
陳が優しく語りかけると、王白竜と梅李香は口を開いて語った。
遡ること、5月中旬。ひかりの会の信者とAI改造兵士達が、饒河街観光夜市に現れた。李章探偵事務所総出で、台北市民と共に立ち向かうが、AI改造兵士のユミとボジュンの圧倒的な力の前に大苦戦。最後は、ユミのフレイムバズーカで夜市ごと吹き飛ばされ、李章は戦死。謙介もビームで心臓を貫かれて死亡した。
「フフフ、邪魔者は消えたわ。」
「ユミ、信者達が用意してくれた臨時の教会へ戻ろう。」
「そうね。ボジュン、台北市は私達の支配下になったわね?」
「あぁ。」
大炎上する夜市。消防と救急による懸命な消火と救助活動が行われた。
「所長ー!!!!!!」
燃え盛る夜市から救出された李章。台北市の病院へ搬送される。王白竜達も病院へ駆けつけたが、霊安室で李章と謙介の死亡が確認された。
「所長…。所長?!」
黒焦げになり、変わり果てた姿で動かない李章。王白竜と梅李香は、声を上げて泣きじゃくる。
「おぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」
「所長ぉ!!!!!!!!!!」
台北警察も奴らを逮捕しようとするが、ユミのフレイムバズーカで警察署ごと破壊され、壊滅に追いやられた。奴らは、繁華街から離れて、台北車站の近くに移動。そこでカルトコミュニティを形成して居座る。その後は、目立った活動を起こさず、布教活動を行っている。
他国でテロ行為を起こし、平然と居座るひかりの会。日本の世界T教会と繋がりがある。香港では敗れたが、台湾で征服に成功。次は日本を攻め込む危険性がある。
「なるほどな。」
「所長の敵を取りたい、そして、台湾の皆をあのカルト教団から救いたい!!」
梅李香の決意に、陳の心が突き動かされる。依頼としては、実態調査・トラブル調査にあたる。前金として、9000台湾ドル(日本円で43115円)を受け取り、作戦を立てる。
一方、その頃、東アジアでも動きがあった。韓国では、ひかりの会が革命計画を立てていた。
「台湾での戦いは、勝利したようだ。ユミとボジュンが上手く占拠している。李章とか言う探偵風情が死んだようだが、我々に挑むとは身の程知らずだ。調和を乱す者には、力で制裁する。これに限る。」
韓国のカルト教団が、いずれは日本に牙を向く…。香港では、ある依頼が来ていた。
「台湾での事件があって以降、何人かが「ひかりの会」に入る目的で、台湾へ行きました。」
香港島郊外の西營盤(サイイップン)にある香港大学。学生数人が、ひかりの会に入会すると言い、台湾へ飛び立ってしまった。
「ひかりの会、絶対に好きにはさせない…。」
ウォン達も、台湾へ乗り込もうとしていた。
「陳青鴻か。香港から来たのか。私は李章。よろしく。」
「鴛鴦茶(インヨンティー)か。珈琲とミルクティーを半々で混ぜた香港名物か。中々上等だな。」
聡明な男で、探偵としても優秀だった李章。台湾で探偵をした陳に、親身になってくれた親友である。ひかりの会の東アジア制圧作戦で、香港の次に台湾を襲撃。李章もAI改造兵士に怯むことなく立ち向かうも、最後は兵士のユミのフレイムバズーカの前に、夜市ごと吹き飛ばされて戦死した。
「李章…。」
所長は全てを察した。一昨年の年末年始の雅文・美夜子・玲奈の強化合宿に協力してくれた台湾の探偵達で、陳の親友である李章がひかりの会に殺された。王白竜は恐らく、台湾を占領したひかりの会を倒したい、でも、李章は戦死して、自分達も敗れた。だから、国境を越えて、力を貸して欲しい、そういう流れになるだろうと。
「陳、事情は良く分かった。私から、アリス様に話す。友達のために戦いたいんやろ?」
「所長…。」
レモンティーを飲み干し、氷だけのグラスをテーブルに叩きつける。
「私も、分かるんや…。かつて、妻と子どもを何者かに殺されたんや…。犯人は、1度見つけ出したが逃げられた…。でも、私は必ず掴まえる!!この手でな!!せやから、私は気持ちが分かるんや。陳、戦いに行くんや。こっちは私に任せてくれ。心配するな。無問題(モーマンタイ)。」
所長に背中を押され、陳は闘志が湧き上がる。
「謝謝、所長。私は必ずや、李章の敵を取ります!!」
その後、戻ってきたメンバーと作戦会議を行い、役割分担した。
台湾遠征組
陳青鴻
烏丸雫
神田雅文
ブラッディメアリー調査組
中村景満
桐島美夜子
音無玲奈
台湾に乗り込む為の、作戦を考える。翌週から7月になる。7/1~7/6と6日間の期間を設け、王白竜とZoomで作戦会議をする。その間の滞在地は、王白竜と梅李香のシェアハウスに泊めてもらう。
「アリス様からも許可が出た。」
7/1早朝、関西国際空港で見送る所長。
「気を付けてな。」
「所長、必ず生きて帰ります。」
所長・雫・雅文は、意を決して台湾に向かう。
7月1日、桃園国際空港に到着した3人。台湾は亜熱帯気候で、夏場は30℃を超えることも多い。MRTで台北市へ向かった。李章探偵事務所のある信義区に到着。台北101が聳え立ち、南国の生暖かい風が吹く。
「蒸し暑いな…。」
「台湾は南国だからな。」
李章探偵事務所に入り、王白竜達と再会。事務所には、李章と与那原謙介の遺影が置かれ、献花台に花と供え物、線香が焚かれている。
「李章…。」
陳は悲しみに暮れて俯く。雅文も、一昨年の海外修行で李章に世話になっていた。遺影に手を合わせる。気持ちを切り替え、現状を探る。
「あの後、何があったか。話せる所だけでいいから話してくれないか?」
陳が優しく語りかけると、王白竜と梅李香は口を開いて語った。
遡ること、5月中旬。ひかりの会の信者とAI改造兵士達が、饒河街観光夜市に現れた。李章探偵事務所総出で、台北市民と共に立ち向かうが、AI改造兵士のユミとボジュンの圧倒的な力の前に大苦戦。最後は、ユミのフレイムバズーカで夜市ごと吹き飛ばされ、李章は戦死。謙介もビームで心臓を貫かれて死亡した。
「フフフ、邪魔者は消えたわ。」
「ユミ、信者達が用意してくれた臨時の教会へ戻ろう。」
「そうね。ボジュン、台北市は私達の支配下になったわね?」
「あぁ。」
大炎上する夜市。消防と救急による懸命な消火と救助活動が行われた。
「所長ー!!!!!!」
燃え盛る夜市から救出された李章。台北市の病院へ搬送される。王白竜達も病院へ駆けつけたが、霊安室で李章と謙介の死亡が確認された。
「所長…。所長?!」
黒焦げになり、変わり果てた姿で動かない李章。王白竜と梅李香は、声を上げて泣きじゃくる。
「おぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」
「所長ぉ!!!!!!!!!!」
台北警察も奴らを逮捕しようとするが、ユミのフレイムバズーカで警察署ごと破壊され、壊滅に追いやられた。奴らは、繁華街から離れて、台北車站の近くに移動。そこでカルトコミュニティを形成して居座る。その後は、目立った活動を起こさず、布教活動を行っている。
他国でテロ行為を起こし、平然と居座るひかりの会。日本の世界T教会と繋がりがある。香港では敗れたが、台湾で征服に成功。次は日本を攻め込む危険性がある。
「なるほどな。」
「所長の敵を取りたい、そして、台湾の皆をあのカルト教団から救いたい!!」
梅李香の決意に、陳の心が突き動かされる。依頼としては、実態調査・トラブル調査にあたる。前金として、9000台湾ドル(日本円で43115円)を受け取り、作戦を立てる。
一方、その頃、東アジアでも動きがあった。韓国では、ひかりの会が革命計画を立てていた。
「台湾での戦いは、勝利したようだ。ユミとボジュンが上手く占拠している。李章とか言う探偵風情が死んだようだが、我々に挑むとは身の程知らずだ。調和を乱す者には、力で制裁する。これに限る。」
韓国のカルト教団が、いずれは日本に牙を向く…。香港では、ある依頼が来ていた。
「台湾での事件があって以降、何人かが「ひかりの会」に入る目的で、台湾へ行きました。」
香港島郊外の西營盤(サイイップン)にある香港大学。学生数人が、ひかりの会に入会すると言い、台湾へ飛び立ってしまった。
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