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第4章 六凶編 VS 百鬼夜行之衆・猛毒獣大陸

第161話 雅文VSホオジロザメ

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 妖魔城の戦いは、探偵連合軍の勝利に終わった。壇之浦で戦っている雅文に、美夜子から電話がかかって来た。
「もしもし、美夜子か?」
「オイ、何戦闘中に彼女と電話なんか!」
「静かにしろ。」
詰め寄るホオジロザメに、雅文は電撃銃で痺れさせた。
「うぅ…。」
「どないした?」
「妖魔城の戦いは、私達が勝ったわ。城にいた猛毒獣大陸のエージェントと百鬼夜行之衆の六道魔達は全滅。」
美夜子の勝利報告に、雅文は鼓舞された。
「そうか、よくやった!!あとは任せろ!!」
雅文は、疲労困憊の探偵連合軍メンバーの士気を高めるために、高らかに満月を指差して語った。  
「さて、妖魔城の戦いで、猛毒獣大陸エージェントと百鬼夜行之衆の六道魔達は全滅。残るはお前らだけや。ボスを討ち取れば、俺達探偵連合軍の勝利で終わる。みんな、エンドロールへ洒落込もうか!!!」
この報告に、メンバー達の士気が上がった。
「やったんや!!やったー!!」
「美夜子さん、ホンマにスゴい!!」
エージェント達を全滅させられたことに、ホオジロザメとマンチニールは憤った。
「まさか、探偵風情にヤラれるなんて…。」
「テメェら、舐めたマネしくさって!!必ずお前は殺すぞ!!!」

 一方、百鬼夜行之衆の曼珠沙華も六道魔が全滅したことを知り、先程までの余裕が消えた。
「まさか、六道魔を全員倒すとは?!お主ら中々やるではないか…。」
屋敷を畳み、表へ出る。沙羅魔と姦姦蛇螺と共に、桐原孝太郎達と対峙する。
「百鬼夜行之衆のボス 曼珠沙華か。ただならぬ妖気を感じるぞ…。」
「フフフ、貴様も一端の霊能力者のようじゃな…。」
猛毒獣大陸エージェントのスローロリス・ケシを撃破した大野健介と音無玲奈の2人は、沙羅魔と姦姦蛇螺を相手にする。
「そこのお主ら、わらわが食ろうてくれるわ!!!」
姦姦蛇螺は、蛇のように鋭い牙を出し、その毒牙で襲いかかる。間一髪避けると、彼女の噛み付いた木は忽ち猛毒で腐り果てた。
「猛毒やな…。」
「フフフ、探偵風情が…。いつまで持つかな?」
沙羅魔は、玲奈目掛けて散弾銃で攻撃する。
「散弾銃 サラマンダー!!!」
「うわっ!!ヤバい!!ヤバい!!」
玲奈は必死で逃げ回り、攻撃をかわす。
「ホンマのバケモノやな…。」
「フフフ、よく見ればお主、中々可愛いな…。」

河村美鈴VSマンチニール
マンチニールは、ギネスブックに認定されている「世界一危険な植物」で、北中米や南米に棲息する。植物全体が猛毒で、樹液には刺激物が含まれ、雨の日にマンチニールの樹の下にいると、雫に溶け出した樹液の成分で、皮膚に触れると激痛が走る。青リンゴのような果実は食べると、胃腸炎を引き起こし、喉に浮腫が出来る。そんな危険で有毒な植物の異名がついている彼女は、妖艶な見た目とは裏腹に好戦的で、狙った獲物はあらゆる手段を使って殺す。
「食らえ!」
美鈴目掛けて二丁拳銃を発砲。しかし、弾は出ず、空砲かと思われたが…。
「何や、ただの空砲か…。」
「どうかな?」
指パッチンすると、美鈴の背後から2本のナイフが猛スピードで飛んできて、美鈴の両肩をかすめた。
「マジックナイフ!」
「うぅ!」
マンチニールは、手にしたナイフで美鈴に襲い掛かる。
「アハハハハハ!!!探偵風情が調子に乗るからよ!!」
「さっきから探偵風情って言うけど、探偵舐めたらアカンで!!」
マンチニールの太ももと脛に、集中的に蹴りを入れ、崩れた所でスリーパーホールドをお見舞い。
「舐めたらアカンで!」
「うぅ…。あぁ…。」
美鈴は、その体勢のまま、マンチニールの首を脇に挟み、ジャンプして叩きつけた。その隙に、警官がマンチニールを確保した。

〇河村美鈴VSマンチニール●
息つく間もなく、健介を追いかける姦姦蛇螺が迫って来た。
「マズい!!」
「貴方から死になさい!!」
そこに雅文が美鈴に銃を渡し、美鈴はそれで攻撃した。
「食らえ!」
電撃銃を発砲し、姦姦蛇螺は感電した。
「うぅ…。貴女、私とやる気なの?」
「観念しなさい、蛇の化け物!」
河村美鈴VS姦姦蛇螺

神田雅文VSホオジロザメ
猛毒獣大陸のエージェント達が次々と倒され、残るはボス1人だけとなった。
「さぁ、お前を倒せば終わりやな。」
「舐めやがってオラァ!」
ホオジロザメは雅文に掴みかかるが、雅文も負けじと組み返す。力比べの様相となったが、ホオジロザメがポケットからサバイバルナイフを取り出し、雅文の右肩を突き刺した。
「うわぁ!!」
「雅文さん!」
「死ねぇ!!」
ホオジロザメは執拗に雅文の肩を、ナイフで突き刺す。美鈴と玲奈が、雅文の惨状に悲鳴を上げる。
「雅文さん!!」
「凶器とか卑怯やろ!プライド無いの!!」
ホオジロザメは、彼女らの叫びを嘲笑って、攻撃を続ける。
「黙れ小娘共!!俺は殺し屋や!!狙った獲物はどんな相手やろうが、殺すまでや!!」
雅文は力を込め、ホオジロザメの鳩尾をパンチした。
「かはぁ!!」
「お前がナイフ使うんやったら、俺も行くで。」
俯いたホオジロザメの顎に蹴りを入れ、思い切り金的をお見舞いした。
「オォォォォォ…。」
火炎銃の炎を靴に纏わせ、蹲ったホオジロザメの頬を蹴り飛ばす。
「煉獄シュート!!」
「ブハァァァァ!!!」
止まることなく、迫撃する。鳩尾・太もも・脛・横腹と炎を纏った蹴りを入れていく。
「アァ…。」
弱ったホオジロザメの首筋に、強烈な蹴りが炸裂。
「火炎龍脚!!」
「ガァァァァァ!!!」
ホオジロザメは倒れ、雅文は靴に水をかけて消火。
「この勝負は、俺達の勝ち。」

〇神田雅文VSホオジロザメ●
車から救急箱を出し、応急手当で傷口を止血。雅文は安堵した座り込んだ。
「ハァハァ。これで猛毒獣大陸は壊滅や。」
警官によって、ホオジロザメは逮捕され、猛毒獣大陸は事実上壊滅となった。まだ戦闘中の美鈴と玲奈に託すことにした雅文。
「美鈴ちゃん、玲奈ちゃん、後は頼んでええか?」
「はい!!!」
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