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第4章 六凶編 VS 百鬼夜行之衆・猛毒獣大陸

第156話 悪人葛籠

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 満月が出て、辺りが闇に包まれた頃、壇之浦と妖魔城での戦いは熾烈さを極めた。壇之浦では、三つ巴の様相で戦闘が繰り広げられた。三妖魔と呼ばれる大幹部達は、妖怪の姿になり、探偵連合軍に襲い掛かる。
「ウオォォォ!!!」
羅暴鬼が、金棒を振り回して襲ってくる。西嶋は、ひょいと避けた。
「作戦を考えている最中やからさ、手ぇ出さんといてね。」
戦地でも、飄々としている西嶋。金田一耕助のような佇まいで、戦況を伺う。姦姦蛇螺は、上半身は女で下半身は蛇という妖怪。
「フフフ、食らってくれようか。殺し屋と探偵共!!!」
口を開くと、牙が生え、大蛇の如く襲いかかってきた。
「うわぁっ!!!」
攻撃を避けた拍子に、雅文と玲奈が離れてしまった。噛みついた地面は、猛毒で溶けて穴が空いた。
「フフフ、遊びましょう。お嬢ちゃん。」
「この蛇の化け物、玲奈に狙い定めたな…。」
それに狙いをつけた猛毒獣大陸のエージェント スローロリス・ケシ。
「じわじわといたぶってやる…。」
「アヘンはお好き?甘い夢の中で死になさい…。」

 その頃、熱戦続く妖魔城。ジメジメとした湿気と熱風が城内に籠り、徐々に一同の体力を奪っていく。

中央棟 4階
餓鬼丸VSブラックマンバ・ジャイアントホグウィード
身体能力の高い黒人のブラックマンバと、ライフル使いのジャイアントホグウィードの連続攻撃で、餓鬼丸は追い詰められていた。
「ハァハァ…。クソォ…。人間の分際でテメェら…。」
「フン、貴様よくも我が猛毒獣大陸のエージェントに手を出してくれたな…。」
「フフフ、腕と足を狙撃したから、後は胴体を蜂の巣にしてアゲル!!!!!」
餓鬼丸の能力、妖気吸収は相手を掴まえなければならない。ブラックマンバはすばしこく、ジャイアントホグウィードは間合いを取って、ライフル銃で狙い撃ちしてくる。餓鬼丸は手足を撃たれ、大量出血で消耗している。ジャイアントホグウィードが、ライフル銃で狙いを定めている。
「グッバイ、モンスター!!」
「ハァハァ…。殺し屋が!!!」
餓鬼丸がジャンプして襲いかかるが、ブラックマンバが飛び蹴りをかまし、餓鬼丸は落下した。
「今だ!!」
「Go to hell!!」(地獄へ墜ちろ!!)
ライフル銃で、餓鬼丸を蜂の巣にした。血が飛び散り、餓鬼丸は血を吐いて倒れて、絶命した。
「人間の分際で、この俺様をタオすトは!オノレ…。」
●餓鬼丸VSブラックマンバ・ジャイアントホグウィード○

 戦況は、偵察している妖怪から逐一報告が行き届いていた。
「餓鬼丸がやられただと!?」
思わず取り乱した伝蔵。ここまでの状況としては、六道魔は半分倒された。

〇西園寺薫VS蛮奇那●(自首)
〇陳青鴻VS闇医者●(撃破・逮捕)
〇ブラックマンバ・ジャイアントホグウィードVS餓鬼丸●(死亡)

妖怪達も撃破され、手下達は全員逮捕された。残る主力は伝蔵・淫魔香・霊姫。妖魔城に残った百鬼夜行之衆の勢力が、全滅する危険性が出て、敗色も濃くなってきていることを知り、伝蔵は青ざめた。
(くっ、まさか探偵連合軍と猛毒獣大陸のエージェントがここまでやるとは…。)
生暖かい風が吹く。伝蔵は奥の手として、天守閣にある禍々しいオーラを放つ大きな葛籠を引っ張り出した。
「フフフ、これは古今東西よろずの悪人共を召喚させられる「「悪人葛籠」」。奴らめ、地獄へ墜ちるがいい!!」

 その頃、所長と雫は妖怪達に苦戦していた。牛頭・馬頭の連続攻撃に手を焼き、後手に回っていた。
中村景満・烏丸雫VS牛頭・馬頭
「ハァハァ…。」
「人間め。息の根を止めてやる!!」
牛頭の振り回す金棒が、雫の頭に直撃し、雫は吹き飛ばされ、壁に激突した。
「ぐはぁっ、痛い…。うぅ…。」
「雫!!んっ?!」
目の前に、ビキニアーマーのサキュバスが現れた。
「ウフフ、人間の分際で妖怪に楯突くからこうなるのよ。さて、悪人葛籠で蘇った悪党達。やっておしまい!!」
淫魔香の号令を受け、復活した悪党が現れた。
「復活したでパオーン!!」
「お久しブリーフ!なんつって!!」
「「奴隷ゲーム」」に登場したコロニアリズムの幹部 暴力王とロリコンマンである。
「まさか、コロニアリズムの?!」
「誰に口聞いとるんやパオーン!!」
暴力王は、雫を殴り飛ばし、踏みつけ、トドメにアルゼンチン・バックブリッカーを決めた。
「フンッ!!!!!」
「あぁぁぁ!!!!」
雫が倒され、所長はヤケになって、淫魔香にツッコんだが、返り討ちにされた。
「指ピストル 散弾銃!!!」
「ぐわぁぁぁぁぁ!!!!!」
蜂の巣にされ、所長は血塗れで倒れた。
●中村景満・烏丸雫VS淫魔香・妖怪軍団○

 その頃、美夜子と雄介は、抜群の連携でアフリカゾウと大麻を追い詰めていた。
「クソォ…。」
「象牙なんて、砕いてしまえば脆いモンや。」
象牙を砕かれ、戦意喪失したアフリカゾウに雄介は容赦なく波状攻撃を食らわす。
「ハイヤァ!!!!」
極真空手の正拳・手刀・蹴りの乱打で、アフリカゾウは弱り、最後の顔面への蹴りで倒れた。
「オォォ…。」
「ホンマに恐ろしいのは、ゾウよりカバや…。」
敗走する大麻の前に、美夜子が立ちはだかり、木刀で顔面に強烈な一撃を食らわして、瞬殺にした。
「あなた達に構ってるヒマは無いんよ…。」
○桐島美夜子・菅野雄介VSアフリカゾウ・大麻●

 駆けつけた警官に、アフリカゾウ・大麻を逮捕してもらい、その場を離れた2人は、血塗れで倒れる所長と雫を発見した。
「所長!!!!雫さん!!!!」
駆寄ろうとした所に、悪人葛籠から蘇った悪党が現れた。
「それも触っちゃう、ツンツン、ツーンツンって!!」
「醤油差し美味ぇな、ペーロペロペロ!!!」
おでんツンツンマンとスシローペロペロが、2人に襲いかかる。
「どきなさい!!」
「どけぇ!!!!」
あっさり一蹴されて、消滅した。警官達に救急車を呼んでもらい、応急処置を施す。
「ハァハァ…。すまなかった…。私がヤラれてしまって…。」
「所長、後は私達がやりますから、心配なく。」
救急隊が駆けつけ、所長と雫は戦線離脱。残された者達も、疲労が濃くなっていた。
「ハァハァ…。最後の1人まで戦うわ!!」

 猛毒獣大陸のエージェントと戦っている涼介と博子は、敵わないと知り、全力で逃走していた。
「犬死にしたら、元も子もあらへん!!」
「戦場では、生き延びることが最優先!!」
長期戦になったSちゃんと霊姫の戦いは、終わりを迎えようとしていた。
「迷いが見えてるで。」
「うぅ…。倒せない…。」
霊姫の怨念を、超能力で癒やしていき、徐々に戦意を奪う。
「サイコウェーブ!!」
これで、完全に怨念が消えた。
「な、わらわは消えていない!」
「消したのは、怨念。怨むのは止めましょう。」
感化された霊姫は、涙を流して感激した。
「わらわを赦すというのか?」
「もう私達の仲間よ。」 
霊姫は、Sちゃんの仲間になった。
△なんでもSちゃんVS霊姫△
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