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第4章 六凶編 VS 百鬼夜行之衆・猛毒獣大陸
第132話 ミッション イン チャイナ
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1月7日、特訓最終日を迎えた。いつものように公園で体操し、朝食を済ませ、ウェアに着替えて準備する。事務所に行き、李から特訓内容の説明があった。
「早上好!(おはよう!)。今日で特訓最終日だ。最後は、日本のバラエティでやっている「「逃走中」」というものをやろう。」
現在の時刻は、午前9時30分。雅文達と李達は、事務所の近くでウォーミングアップし、李が用意したマイクロバスで、北京と隣接している天津へ向かう。中国の4つの直轄市である北京・上海・天津・重慶。北京から天津までは、30分ぐらいで辿り着ける。
「着いたぞ。」
マイクロバスから下りると、超高層ビルが建ち並び、欧米列強の租界地の建築と交じった美しい街並みが広がっている。19世紀頃、アヘン戦争・太平天国の乱で混乱し、朝貢国が植民地にされていき、衰退した清王朝。北京・上海・天津などは、列強国の勢力圏に置かれ、それぞれのエリアとして租界地が置かれた。
「わー、すごい。」
「色々な世界観が交じってるわね。」
「中々、洒落ているな。」
陳も天津市は初めてで、少しワクワクしていた。ここで、李から説明を受け、3人はウォーミングアップをする。10時30分開始で、制限時間は90分。エリアは、天津旧城。古い町並みが映える。
ゲーム開始まで、天津旧城エリアに散らばる雅文達。陳と李は、マイクロバスの中で待機。張・陳・李は、黒いスーツにサングラスとハンターの出で立ちをして、3人を追いかける。ゲーム開始。序盤は、体力消耗を抑えるため、エリアのどこかに隠れていた。台湾・香港での特訓に加え、中国に入ってから、北京の万里の長城でのトレーニングや極寒の哈爾浜(ハルビン)での寒中水泳などで、疲労は蓄積していた。天津旧城で隠れる雅文、様々な国の異国情緒交わる天津の街並みに心惹かれていた。
「中々、味があるな。」
すると、その近くにハンターが…。ハンターは雅文を見つけ、ダッシュで追いかけてきた。
「おわ、ハンターや!」
急いで逃げ出すが、筋肉疲労のためか、簡単に捕まってしまった。
「く。流石にキツイ…。」
美夜子と玲奈も、50分まで粘ったが、疲労の色は濃く、あっさり捕まってしまった。
「流石に疲労は溜まっているか…。でも、よくやったよ。」
「台湾・香港から、ここまで来て、やり続けたのだから、大したものだよ。」
クールダウンを行い、北京に戻る。昼食を済ませ、ウェアを洗濯してもらう。14時に李の事務所に行き、海外修行の総括。
「皆さん、お疲れさまでした。12月28日から始まった海外修行も終わりを迎えました。台湾・香港・中国、それぞれ気候も文化も違う所で、3人共よく頑張りました。」
陳は、雅文・美夜子・玲奈の頑張りを称え、一定の成果を得られたことに満足気な様子だった。心技体を鍛えるという名目で行った、今回の海外修行。台湾では、逃走中や尾行ゲームで精神面で鍛え、香港では、マップを頼りに目的地へ向かうゲームやカンフーバトルで技能を鍛え、中国では、万里の長城でのトレーニングや哈爾浜で寒中水泳で身体を鍛えた。この特訓で、雅文・美夜子・玲奈は成長したのである。このことには、李も3人の頑張りを称賛した。
「よくやったよ。私も君達に出会えてよかった!謝謝!(ありがとう!)」
その後、17時まで事務所で、各々、特訓の成果や感想をまとめた。中国での最後の夜となる今夜は、李の奢りで、北京ダックの老舗「北京全聚徳」に行った。ここは創業1864年という伝統あるお店。北京ダックに舌鼓を打つ。
「美味い。」
「好吃!(美味しい!)」
中国最後の夜を満喫した。
1月8日、朝食を済ませ、ホテルをチェックアウト。李達に挨拶をし、感謝を伝えた。北京市を観光し、13時に北京首都国際空港の北京発大阪行きの飛行機で、日本へ帰国。3人は眠りについた。16時30分に関西国際空港に到着し、最後に陳の話があった。
「皆さん、12月28日からの12日間の海外修行、お疲れ様でした!各自、色々なことを考え、挑戦し、成長出来たと思う。明日から3日間OFFがありますが、ここでしっかり休んで、また探偵事務所での仕事に励みましょう。」
最後は、1本締めで終了。現地解散という形で、海外修行は幕を閉じた。陳はエアポートリムジンで神戸へ帰る。3人はしばらく空港でくつろいでいた。
「初めての海外、刺激的やったな。」
「そうね、雅文と一緒に行けたのは良かったわ。」
「あれ~、雅文さんと美夜子さん、イイ感じですね~。」
これでまた3人の絆が深まったであろう。エアポートリムジンに乗り、関西国際空港を後にした。その後、3人は帰路に着き、自宅で旅の疲れを癒した。
大阪市北区中之島にあるタワーマンション、帰宅した玲奈は風呂を洗って沸かし、荷物を全部出して整理した。風呂が沸き、玲奈は頭と身体を洗ってから、湯舟に浸かった。
「ハァ~、やっぱお風呂気持ちいい~!」
台湾・香港・中国では、シャワーだけだったので、格別であった。
「美夜子さんと一緒にシャワーしたのも、楽しかった♥」
芦屋市にある高級住宅街 六麓荘。美夜子は、妹の亜夜子と風呂に入っていた。
「お姉ちゃん、お帰り。向こうのご飯美味しかった?」
「ええ、美味しかったわ。小籠包に、水餃子に、北京ダックとたくさんいただいたわ。」
「ええな~。お姉ちゃん、ちょっと太ったんちゃう?」
そう言って、美夜子の腹をつまむ。
「こら、亜夜子も正月太りしたんちゃう?」
「ちょっ、お姉ちゃん!お尻触らんといてよ。」
神戸市中央区、北野の屋敷。風呂上がりの雅文はキンキンに冷えたミルクティーを飲んでいた。
「これやー、最高やな~。」
こうして、それぞれの夜は更けていくのであった…。
「早上好!(おはよう!)。今日で特訓最終日だ。最後は、日本のバラエティでやっている「「逃走中」」というものをやろう。」
現在の時刻は、午前9時30分。雅文達と李達は、事務所の近くでウォーミングアップし、李が用意したマイクロバスで、北京と隣接している天津へ向かう。中国の4つの直轄市である北京・上海・天津・重慶。北京から天津までは、30分ぐらいで辿り着ける。
「着いたぞ。」
マイクロバスから下りると、超高層ビルが建ち並び、欧米列強の租界地の建築と交じった美しい街並みが広がっている。19世紀頃、アヘン戦争・太平天国の乱で混乱し、朝貢国が植民地にされていき、衰退した清王朝。北京・上海・天津などは、列強国の勢力圏に置かれ、それぞれのエリアとして租界地が置かれた。
「わー、すごい。」
「色々な世界観が交じってるわね。」
「中々、洒落ているな。」
陳も天津市は初めてで、少しワクワクしていた。ここで、李から説明を受け、3人はウォーミングアップをする。10時30分開始で、制限時間は90分。エリアは、天津旧城。古い町並みが映える。
ゲーム開始まで、天津旧城エリアに散らばる雅文達。陳と李は、マイクロバスの中で待機。張・陳・李は、黒いスーツにサングラスとハンターの出で立ちをして、3人を追いかける。ゲーム開始。序盤は、体力消耗を抑えるため、エリアのどこかに隠れていた。台湾・香港での特訓に加え、中国に入ってから、北京の万里の長城でのトレーニングや極寒の哈爾浜(ハルビン)での寒中水泳などで、疲労は蓄積していた。天津旧城で隠れる雅文、様々な国の異国情緒交わる天津の街並みに心惹かれていた。
「中々、味があるな。」
すると、その近くにハンターが…。ハンターは雅文を見つけ、ダッシュで追いかけてきた。
「おわ、ハンターや!」
急いで逃げ出すが、筋肉疲労のためか、簡単に捕まってしまった。
「く。流石にキツイ…。」
美夜子と玲奈も、50分まで粘ったが、疲労の色は濃く、あっさり捕まってしまった。
「流石に疲労は溜まっているか…。でも、よくやったよ。」
「台湾・香港から、ここまで来て、やり続けたのだから、大したものだよ。」
クールダウンを行い、北京に戻る。昼食を済ませ、ウェアを洗濯してもらう。14時に李の事務所に行き、海外修行の総括。
「皆さん、お疲れさまでした。12月28日から始まった海外修行も終わりを迎えました。台湾・香港・中国、それぞれ気候も文化も違う所で、3人共よく頑張りました。」
陳は、雅文・美夜子・玲奈の頑張りを称え、一定の成果を得られたことに満足気な様子だった。心技体を鍛えるという名目で行った、今回の海外修行。台湾では、逃走中や尾行ゲームで精神面で鍛え、香港では、マップを頼りに目的地へ向かうゲームやカンフーバトルで技能を鍛え、中国では、万里の長城でのトレーニングや哈爾浜で寒中水泳で身体を鍛えた。この特訓で、雅文・美夜子・玲奈は成長したのである。このことには、李も3人の頑張りを称賛した。
「よくやったよ。私も君達に出会えてよかった!謝謝!(ありがとう!)」
その後、17時まで事務所で、各々、特訓の成果や感想をまとめた。中国での最後の夜となる今夜は、李の奢りで、北京ダックの老舗「北京全聚徳」に行った。ここは創業1864年という伝統あるお店。北京ダックに舌鼓を打つ。
「美味い。」
「好吃!(美味しい!)」
中国最後の夜を満喫した。
1月8日、朝食を済ませ、ホテルをチェックアウト。李達に挨拶をし、感謝を伝えた。北京市を観光し、13時に北京首都国際空港の北京発大阪行きの飛行機で、日本へ帰国。3人は眠りについた。16時30分に関西国際空港に到着し、最後に陳の話があった。
「皆さん、12月28日からの12日間の海外修行、お疲れ様でした!各自、色々なことを考え、挑戦し、成長出来たと思う。明日から3日間OFFがありますが、ここでしっかり休んで、また探偵事務所での仕事に励みましょう。」
最後は、1本締めで終了。現地解散という形で、海外修行は幕を閉じた。陳はエアポートリムジンで神戸へ帰る。3人はしばらく空港でくつろいでいた。
「初めての海外、刺激的やったな。」
「そうね、雅文と一緒に行けたのは良かったわ。」
「あれ~、雅文さんと美夜子さん、イイ感じですね~。」
これでまた3人の絆が深まったであろう。エアポートリムジンに乗り、関西国際空港を後にした。その後、3人は帰路に着き、自宅で旅の疲れを癒した。
大阪市北区中之島にあるタワーマンション、帰宅した玲奈は風呂を洗って沸かし、荷物を全部出して整理した。風呂が沸き、玲奈は頭と身体を洗ってから、湯舟に浸かった。
「ハァ~、やっぱお風呂気持ちいい~!」
台湾・香港・中国では、シャワーだけだったので、格別であった。
「美夜子さんと一緒にシャワーしたのも、楽しかった♥」
芦屋市にある高級住宅街 六麓荘。美夜子は、妹の亜夜子と風呂に入っていた。
「お姉ちゃん、お帰り。向こうのご飯美味しかった?」
「ええ、美味しかったわ。小籠包に、水餃子に、北京ダックとたくさんいただいたわ。」
「ええな~。お姉ちゃん、ちょっと太ったんちゃう?」
そう言って、美夜子の腹をつまむ。
「こら、亜夜子も正月太りしたんちゃう?」
「ちょっ、お姉ちゃん!お尻触らんといてよ。」
神戸市中央区、北野の屋敷。風呂上がりの雅文はキンキンに冷えたミルクティーを飲んでいた。
「これやー、最高やな~。」
こうして、それぞれの夜は更けていくのであった…。
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