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第4章 六凶編 VS 百鬼夜行之衆・猛毒獣大陸

第79話 Go to West

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    髑髏城隊長軍との戦いも白熱し、夜の闇に異様な熱狂に包まれたセンタープラザが映える。激戦続くセンタープラザ本館とは裏腹に、音沙汰無しの西館4階で静観し続けていた髑髏城大幹部と組長が動いた。
「よし、あと残り25分やな。ハッハッハッ!!センタープラザ本館と西館の3階連絡通路を封鎖したるでぇ!!」
組長は、本館の戦いをモニタリングしていた。囚われた友梨亜はその隙に逃げ出した。
「組長、人質が逃げました!!」
「何やと?!捕まえろ!!」
組長に促され、大幹部の1人が動く。ゴスロリ調のファッションに身を包んだ女性が、黒い鞭で友梨亜の背中を打ち、倒れた所にのしかかる。
「あぅ!!」
「フフ、逃げても無駄やで。」
「ハッハッハッ!!ようやった!!あと10分後には、連絡通路を封鎖や。ハッハッハッ!!アイツらは、本館で死体になってるわな!!」
高笑いする組長。奴の恐るべき計画が動き出す…。

雅文・美夜子サイド
桐島美夜子VS河原林太郎丸
日本刀で戦う両者。アニメイトやゲーム売り場がある普段のポップな感じとは違い、今は両者が斬るか斬られるかの真剣勝負をしている。
「ハッハッハッ!!クソガキが、反社会的勢力に喧嘩を売るから、こうなるんや!」
「フンッ、平気で人を殺すような悪党に、言われたくないわ!」
刀を振り、激しくやり合う。美夜子は、小学生の頃から剣道をやっており、高校時代には剣道部で主将を務めた程の腕前である。その頃は、「豪剣の美夜子」という異名が付き、相手を破壊するような戦い方で、当時の部員と顧問曰く、「日本刀だったら、確実に斬り殺している。獲物を狙う鷹のような鋭い目、一歩踏み出した時には、既に相手を斬っている」と評された。ただ、その戦い方は、美夜子の身体にも負荷がかかり、高校最後の兵庫県内での大会で敗れた時に、相手から言われた一言が、今でも脳裏をよぎる。

「貴女の剣は、凶暴なだけ。己も滅ぼすわ。」

その一言にショックを受け、美夜子は自分の剣を見失い、剣道の道を退いた。それでも、探偵になった今、反社会的勢力との戦いを経て、自分の正義を貫くには、敵をねじ伏せられるだけの強さが必要だと感じた。今、そのことを思い出し、剣を振っている。
(負けるわけにはいかへん!私には私の正義があるわ!)
太郎丸の乱舞を制し、一振りで腹を切り裂いた。
「ぐわぁ!!」
血が飛び散り、美夜子の目に鋭さが増し、背後に地獄から現れた死神が宿っているかのようである。
「あらヤダ…。悪党の血が飛び散ったわ。人の死を嘲笑する哀れな悪党には、同じ苦しみを味わわせるのが妥当だわ…。」
太郎丸は立ち上がり、懐から謎の瓶を取り出し、周りに投げつけた。瓶は割れると、発火し、辺りは炎に包まれた。
「ハハハハハハハハ!これでお前は終わりや!」
「火炎瓶ね。そんなもの使ったら、敵も味方も焼け死ぬわ!」
「ハハハハハハハハ!これは戦争、人殺してナンボや!アー、ヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッー!!!あの小娘みたいに、お前も惨殺したるわ!指切り落として、腸引きずり出して、脳みそグチャグチャに粉砕したるわぁ!!」
炎の中に彼の狂気に満ちた笑みが映え、地獄の看守か苦しみで発狂した亡者のようである。
「腐ってるわね、貴方…。貴方には、人命尊重の考えは無いのかしら?」
「ある訳無いやろ!あの小娘の母親が泣いている所、ニュースで見たか?傑作やったぞ!涙と鼻水垂らして「「ウチの子を返してぇ~!!」ってな!「「返して~!」」って、もう、どんだけ~!」
そこに強烈なシュートが飛んできて、彼の顔面にクリティカルヒットした。
「萌那ちゃん…。」
「アンタが死ね、このクソゴミがぁぁぁぁ!!」
萌那の目には、涙が溢れていた。
「テメェ…。」
立ち上がった太郎丸は、火炎瓶を投げ、両者は火の海に包まれた。サッカーボールは萌奈に蹴り返し、再び睨み合う。
「ハハハハハハハハ!死ぬのはお前や!」
先に動いたのは、太郎丸。斬りかかってきたが、美夜子はそれを見切り、刀に炎をまとわせた。
「焦熱地獄へ、墜ちなさい!」
美夜子は、一直線に走り、炎をまとった刀で一閃した。斬られた太郎丸は、油を浴びてライターに着火し、美夜子に襲い掛かる。
「道連れや!」
そこに再び、萌那のシュートが炸裂し、美夜子は炎の渦から脱出し、ボールを蹴り返した。太郎丸は一人で自爆し、焼死した。
「焦熱地獄がお似合いよ…。一生焼かれなさい…。」
萌那は、美夜子に抱き着き、泣きじゃくった。
「うあぁぁぁぁぁぁぁ!」
「よく耐えたわ。」

〇桐島美夜子VS河原林太郎丸●
中村探偵事務所 4勝
髑髏城 3敗

その頃、上手く店外に誘き出した凛子と対峙し、雅文は愛美にエアガンを渡す。
「これで、アイツを撃ったらイケる。」
「あははは、イクで~!」
向かってきた凛子をエアガンで狙撃し、ふらついた所を祥子が木刀で叩きのめす。
「サクラ大戦よー!」
その後、凛子は警官に逮捕された。

〇神田雅文VS青葉凛子●
中村探偵事務所 5勝
髑髏城 4敗

萌那・祥子・愛美は警官の保護の元、ここから避難することになった。
「雅文さん、美夜子さん。絶対生きて帰ってきてください!」
「あぁ。」
それから、2人も急いで連絡通路へ向かう。

所長・玲奈・陳サイド
ロバートの銃撃をかわしながら、反撃の機会を伺う陳。
「く、何とか隙を突かねば…。」
そこに所長が駆けつけてきた。
「玲奈!」
「所長さん!」
陳は所長に事情を説明し、バイクの椅子の中にある救急道具を取り出し、所長は玲奈の応急処置に当たる。
「救急車も呼んだからな。」
「ありがとうございます。」
陳の横から、ロバートの相棒の今村が襲い掛かった。
「スタンガンパンチ!」
「フン、凶器攻撃か。馬鹿馬鹿しい。」
「ハハハ、撃ち殺す!」
ロバートが所長に狙いを定める。それに気づいた玲奈は立ち上がって、所長を庇った。
「所長、危ない!」
ライフルの集中砲火が炸裂し、玲奈は血しぶきをあげて倒れる。
「玲奈ぁ!」
「ゲホゲホ…。ハァハァ、痛い、痛いよぉ…。」
追い打ちをかけようとしたロバートに、G-Tiger5の2人が襲い掛かった。
「勝負だオラァ!」
その隙に、陳も加わり、玲奈の応急救護に当たる。陳はピンセットを玲奈の傷口に突っ込み、銃弾を取る。
「あぁ!」
「ほら、取れた。」
止血して、包帯を巻いた。救急車のサイレンが聞こえた。
「私は、所長として、玲奈を看る責任がある。私の部下の雫・雅文・美夜子に力を貸してくれ。」
「ああ。必ずこの戦いに勝利する。」
そして、所長は自分の車のカギを渡し、玲奈と共に救急車に乗った。その頃、アナウンスが流れた。
「ハハハハハハハハ!聞こえるか?俺は、髑髏城組長の大山田貫爾や!今から、本館と西館の3階連絡通路を封鎖する!」
「何だと!」
雅文・美夜子がいたエリアは、炎が燃え広がり、徐々に3階全域が火事になっていた。
「マズいぞ、火事になってる!」
「通路は、もうすぐよ!」
陳は落ち着いて、状況を整理した。
「よし、雅文と美夜子を迎えに行こう!」
ゲート封鎖まで15分、間に合うか?
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