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第3章 back to school 青春の甘い楽園
第64話 美人秘書
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留学で学んだことを活かし、玲奈は4回生になった2019年4月から就職活動に励んだ。外資系企業に絞り、エントリーシートを書いては送り、書いては送った。妹の真奈は、高卒でダンサー目指して上京した。
「真奈は東京行ったんやな。玲奈は大阪で頑張るで。」
勉強では、卒業研究のテーマを決めて取り組んだ。中国の経済特区と香港との結びつき、をメインにした。6月に香港で、逃亡犯条例を巡る反政府抗議活動が起き、香港全土に広がった。当初は平和的な形でデモが行われていたが、次第に暴徒化し、店や駅を破壊したり、謎の白シャツ軍団がデモ隊を襲撃した。香港警察も力ずくで抑え込み、催涙弾や拳銃を乱発。警官は市民から罵声を浴びせられた。
「エライことになっとる…。」
ニュースでこの一件が連日報道され、玲奈は戦慄した。香港の行く末を案じ、就職活動でも葛藤が生じた。
(アジアのパラダイスや思うた香港が、今壊されようとしとる…。)
昨年、留学した中国・厦門で感じた気風、広州・香港で学んだビジネス事情、楽しい自由な空気、それらが経済の発展に欠かせないものだと感じている玲奈にとっては、あまりにも衝撃的で絶望的だった。大学最後の夏休みは、卒業研究と就職活動に勤しみ、8月に内定を獲得した。
「やったー!!!!内定貰ったー!!」
12月に卒業論文を完成させ、一人暮らしの物件を探し始めた。
「会社は中之島にあるんやな。ええところやで。」
「玲奈は、梅田の方に住もうかな、って思うてる。」
物件を探しつつ、卒業旅行も考えていた。
2020年1月に疫病が発生し、海外渡航が制限され、卒業旅行は頓挫。卒業式は無事に行われ、3月下旬に梅田に移り住み、外資系企業に入社。しかし、4月に緊急事態宣言が出され、仕事はテレワークとなった。普段は多くの人で賑わう梅田は、ゴーストタウンのように閑散とした。
(あぁ、社長さんに会いたい。)
一人暮らしの部屋で、独りパソコンに向かっている。自分しか居ない部屋で、無機質なキーボードを叩く音だけが響く。
(秘書として、社長さんに付きたい…。)
5月下旬に緊急事態宣言が解除され、6月から会社に出勤することとなった。グレーのスカートスーツに身を包み、オフィス勤務を始まった。雑用から始まったが、玲奈は精力的にこなし、仕事を覚えようと必死で頑張った。その甲斐あって、2年後に社長秘書に付くことが出来た。その夜、社長がそれを記念して、北新地の夜のお店に連れていってくれた。
「ここや。」
ネオンサインが煌めき、雑多なオフィス街の中に、更に複雑な大人の世界が広がっていた。
(うわー。大人の世界やな。)
店内に入ると、シャンデリアが灯り、セクシーなドレスに身を包んだ、いわゆる'大人のお姉さん,が出迎えてくれた。
「お酒は呑めるか?」
「玲奈は、あんまり呑めないです…。」
「別に、無理に呑まんでええからね。ソフトドリンク置いてあるし、雰囲気だけでも楽しめるから。」
初めて来たキャバクラという大人の世界に、玲奈はたじろいでいた。
(スゴい…。金持ちの世界やん…。)
社長は、ドン・ペリニヨンやブランデーなどの高い酒を注文し、上機嫌にキャバ嬢と語らっていた。
「新しく、私の秘書になった音無玲奈ちゃん。」
「こんばんは、音無玲奈です。」
「へー、可愛い娘やな。」
可愛いと言われ、思わず照れる。試しにブランデーを一杯飲んだら、身体が熱くなって頭がボーッとした。
「玲奈ちゃん、大丈夫?」
そこからのことは、覚えていなかった。
「ん、んー。あれっ?」
気づいたら、社長におんぶされて店を後にしていた。
「玲奈ちゃん、無理に呑んだらアカンで。」
「す、すいません…。」
秘書はあらゆることを管理するので、社長から今日の分の領収書を渡された。
「ん?1、10、100、1000、10000、ん?!20万?!めっちゃ金飛ぶやん!!」
「社長秘書として、これから頼むで。玲奈ちゃん。」
その日から、玲奈は社長秘書として精力的に仕事に励んだ。スケジュール管理・書類整理・交渉補佐など日々、神経を使った。
「御社にとって、互いにメリットがあると思います。」
「ほうほう。お若いのに、中々優秀だね…。」
ある時は、接待・異業種交流会などで、会社の顔として、多くの業界人・知識人らと関わった。
「こんなお若いのに、社長秘書とは。可愛いし、申し分ないね。」
「ありがとうございます。」
(可愛いって、言ってくれた~!!)
秘書として、日々、日経新聞やダウ平均株価も常にチェックしていた。
「ん?カタール?」
2022FIFAW杯開催国になったカタールは、豊富な資金力でサッカー界に多大な影響力を持っていた。
「エミレーツ航空といい、金持ちやな…。」
「玲奈ちゃん、これからのアジアは中国より中東が中心になると思うで。アラブ首長国連邦では、いつか空飛ぶタクシーなんかが出来ると言うし、金箔をまぶした1つ10万円はするアイスクリームもあるからね。」
「嘘やん…。中東、めっちゃ金あるやん…。」
玲奈の中では、それまで中東は未知の領域であった。複雑なイスラム世界、謎めいたアラビア語、イスラム原理主義によるテロリズムとある種の怪奇な世界という印象しかなかった。それが今や、豊富な資金力を持ち、高層ビル郡が建ち並び、1人辺りのGNIもかなり高く、金持ちの世界になっていることに衝撃を受けた。経済とは、自由な空気で発展すると考えている玲奈は、更に驚きを隠せなかった。
「外貨獲得も目指すで。」
「は、はい…。」
(壮大やな…。)
その年の6月に、外貨獲得を目指して、オンラインでアジアの企業と交渉した。香港上海銀行と中国銀行との交渉では、2020年に適用された香港国家安全維持法という法律のせいで、経済の自由も制約されてしまった関係で上手くいかなかった。
「習近平のヤツー!!玲奈は運転免許(普通自動車免許・大型二輪車免許)持ってるから、ジャッキー・チェンみたいにバイクで突進してやりたいわ~。」
香港は諦め、次は中国に乗り込む。広州にある恒大(中国語:ヘンダー 日本語:こうだい)集団という不動産会社に目をつけた。
「ここやったら、イケるやろ…。」
アイスコーヒーを飲みながら、のんびり構えていたが、緊張で手は震えていた。交渉を始めたが、恒大集団は2020年秋に債務不履行に陥り、そこから深刻な経営難に陥った。香港が取引を停止し、破産危機を迎えていた。
「嘘やろ?!中国バブル終わったん?!」
「バブルはいつか弾けるで…。」
最後の望みをかけて、アラブ首長国連邦のエミレーツ航空と交渉した。画面に映ったのは、髭を蓄えた風格ある男性。
「Take it easy.」(気楽に行こう)
緊張の面持ちで取引スタート。エミレーツ航空はヨーロッパのサッカー界に多大な影響力を持ち、アーセナルやレアルマドリーなどのスポンサーを務めた。交渉を進めていくうちに、彼らの資金力に圧倒されていった。
「めっちゃ、金あるやん…。アカン、敵わへん…。」
「大した知識もない小娘が、我々と取引?笑わせないでくれたまえ。君は、札束で尻でも拭きな。」
鼻で笑われ、軽くあしらわれた。結局、取引は失敗。外貨を獲得することは出来ず、逆に500万の損害を被った。
「私達の負けや…。」
「社長、ごめんなさい…。」
玲奈は膝から崩れ落ちた。
外貨獲得失敗により、玲奈は秘書として肩身の狭い思いをした。7月になったある日、玲奈は梅田にある女性限定のレディースバーに行った。店名は「金魚的楽園」。
「いらっしゃいませ。」
黒い服に身を包み、黒髪を結った30代後半の女性がいた。レディースバーということで店員も女性だった。
金魚的楽園
営業時間 昼 12:00~15:00
夜 18:00~22:00
地下1階 金魚鉢 昼 13:00~15:00
夜 19:00~22:00
入店条件 年齢 18~40歳
未婚・彼氏なし
高校生は昼のみ
金魚ということだけあって、カウンターの水槽には金魚が泳いでいた。昼は喫茶店、夜はバーとして経営している。玲奈が訪れた時は夜で、大人の世界になっていた。
「カシスオレンジ美味しい…。」
「貴女、何かお悩みでもあるの?」
「はい、外貨獲得しようとしたら、逆に大損しちゃって…。」
「まぁ。それなら地下に遊び場があるんやけど、そこに行く?」
「えっ…。」
カシスオレンジを飲み干し、玲奈は別料金1000円を支払い、地下に下りた。そこには、黒いボンテージに身を包んだ黒髪ロングの豊満な女性。
「こんばんは。SMクイーンの里香です。」
「こんばんは。音無玲奈です。」
個室に入って、左隣にシャワー室があり、専用の衣装を渡され、シャワーを浴びてから着替えるようにと言われた。
「何するんやろ?」
期待と不安が入り交じる中、身体を洗い、衣装に着替える。
「わぁ…。めっちゃセクシーやな…。」
黒とピンクのマイクロビキニで、豊満な胸と尻が露になる。恐る恐る部屋に入ると、赤い照明で薄暗く、ベッドと椅子が置かれていた。
「玲奈ちゃん、こっちへおいで。」
言われるまま、ベッドに寝そべる。すると、クイーンはそっとキスをし、玲奈の胸に手を伸ばす。
「やんっ…。」
「玲奈ちゃん、緊縛を選んだんやね?」
「はい、緊縛って何するん?」
クイーンはブラジャーとパンティを脱がし、玲奈は全裸になった。それから、うつ伏せにさせて、手足を縛り、海老反りの状態で吊るす。
「玲奈ちゃん、可愛いわ…。オッパイ大きいし、いいお尻してるわ…。」
「やんっ、恥ずかしいです…。」
クイーンはお尻めがけて、鞭で叩く。
「あぁん!!」
「お仕置きよ。」
「すいません!アラブ首長国連邦のエミレーツ航空の人にタメ口聞いたのと、習近平ブッ飛ばすって言っちゃいました~!」
「フフ、それ、金正恩にも言える?」
「ムリムリ!!拷問される!!」
お尻を叩かれた後は、緊縛をほどかれ、特殊な椅子に座らされる。
「何コレ?」
「フフフ、ダイレクトやから気持ちええよ。」
スイッチを押すと、高速回転するハケ水車が、剥き出しの秘部に直撃。
「あぁん!!何?!イヤァァァン!!」
「これは、伝説のハケ水車。」
(あぁ、お股にハケがめっちゃ当たってるぅ~!アカン、イッチャう~!!!)
「アカン、イク~!!!」
絶頂し、心地よい疲労感に包まれる。
「ハァハァ、気持ち良かった~。」
「玲奈ちゃん、可愛いわ…。」
内なる性欲がはじけ、玲奈の中で何かが出てきた。
「里香さん、玲奈を弟子にしてくれませんか?」
「弟子、まぁ、ちょっと店長に掛け合ってみるわ。」
8月に、玲奈は秘書の副業として、金魚的楽園で、SMクイーンを務めることになった。
「真奈は東京行ったんやな。玲奈は大阪で頑張るで。」
勉強では、卒業研究のテーマを決めて取り組んだ。中国の経済特区と香港との結びつき、をメインにした。6月に香港で、逃亡犯条例を巡る反政府抗議活動が起き、香港全土に広がった。当初は平和的な形でデモが行われていたが、次第に暴徒化し、店や駅を破壊したり、謎の白シャツ軍団がデモ隊を襲撃した。香港警察も力ずくで抑え込み、催涙弾や拳銃を乱発。警官は市民から罵声を浴びせられた。
「エライことになっとる…。」
ニュースでこの一件が連日報道され、玲奈は戦慄した。香港の行く末を案じ、就職活動でも葛藤が生じた。
(アジアのパラダイスや思うた香港が、今壊されようとしとる…。)
昨年、留学した中国・厦門で感じた気風、広州・香港で学んだビジネス事情、楽しい自由な空気、それらが経済の発展に欠かせないものだと感じている玲奈にとっては、あまりにも衝撃的で絶望的だった。大学最後の夏休みは、卒業研究と就職活動に勤しみ、8月に内定を獲得した。
「やったー!!!!内定貰ったー!!」
12月に卒業論文を完成させ、一人暮らしの物件を探し始めた。
「会社は中之島にあるんやな。ええところやで。」
「玲奈は、梅田の方に住もうかな、って思うてる。」
物件を探しつつ、卒業旅行も考えていた。
2020年1月に疫病が発生し、海外渡航が制限され、卒業旅行は頓挫。卒業式は無事に行われ、3月下旬に梅田に移り住み、外資系企業に入社。しかし、4月に緊急事態宣言が出され、仕事はテレワークとなった。普段は多くの人で賑わう梅田は、ゴーストタウンのように閑散とした。
(あぁ、社長さんに会いたい。)
一人暮らしの部屋で、独りパソコンに向かっている。自分しか居ない部屋で、無機質なキーボードを叩く音だけが響く。
(秘書として、社長さんに付きたい…。)
5月下旬に緊急事態宣言が解除され、6月から会社に出勤することとなった。グレーのスカートスーツに身を包み、オフィス勤務を始まった。雑用から始まったが、玲奈は精力的にこなし、仕事を覚えようと必死で頑張った。その甲斐あって、2年後に社長秘書に付くことが出来た。その夜、社長がそれを記念して、北新地の夜のお店に連れていってくれた。
「ここや。」
ネオンサインが煌めき、雑多なオフィス街の中に、更に複雑な大人の世界が広がっていた。
(うわー。大人の世界やな。)
店内に入ると、シャンデリアが灯り、セクシーなドレスに身を包んだ、いわゆる'大人のお姉さん,が出迎えてくれた。
「お酒は呑めるか?」
「玲奈は、あんまり呑めないです…。」
「別に、無理に呑まんでええからね。ソフトドリンク置いてあるし、雰囲気だけでも楽しめるから。」
初めて来たキャバクラという大人の世界に、玲奈はたじろいでいた。
(スゴい…。金持ちの世界やん…。)
社長は、ドン・ペリニヨンやブランデーなどの高い酒を注文し、上機嫌にキャバ嬢と語らっていた。
「新しく、私の秘書になった音無玲奈ちゃん。」
「こんばんは、音無玲奈です。」
「へー、可愛い娘やな。」
可愛いと言われ、思わず照れる。試しにブランデーを一杯飲んだら、身体が熱くなって頭がボーッとした。
「玲奈ちゃん、大丈夫?」
そこからのことは、覚えていなかった。
「ん、んー。あれっ?」
気づいたら、社長におんぶされて店を後にしていた。
「玲奈ちゃん、無理に呑んだらアカンで。」
「す、すいません…。」
秘書はあらゆることを管理するので、社長から今日の分の領収書を渡された。
「ん?1、10、100、1000、10000、ん?!20万?!めっちゃ金飛ぶやん!!」
「社長秘書として、これから頼むで。玲奈ちゃん。」
その日から、玲奈は社長秘書として精力的に仕事に励んだ。スケジュール管理・書類整理・交渉補佐など日々、神経を使った。
「御社にとって、互いにメリットがあると思います。」
「ほうほう。お若いのに、中々優秀だね…。」
ある時は、接待・異業種交流会などで、会社の顔として、多くの業界人・知識人らと関わった。
「こんなお若いのに、社長秘書とは。可愛いし、申し分ないね。」
「ありがとうございます。」
(可愛いって、言ってくれた~!!)
秘書として、日々、日経新聞やダウ平均株価も常にチェックしていた。
「ん?カタール?」
2022FIFAW杯開催国になったカタールは、豊富な資金力でサッカー界に多大な影響力を持っていた。
「エミレーツ航空といい、金持ちやな…。」
「玲奈ちゃん、これからのアジアは中国より中東が中心になると思うで。アラブ首長国連邦では、いつか空飛ぶタクシーなんかが出来ると言うし、金箔をまぶした1つ10万円はするアイスクリームもあるからね。」
「嘘やん…。中東、めっちゃ金あるやん…。」
玲奈の中では、それまで中東は未知の領域であった。複雑なイスラム世界、謎めいたアラビア語、イスラム原理主義によるテロリズムとある種の怪奇な世界という印象しかなかった。それが今や、豊富な資金力を持ち、高層ビル郡が建ち並び、1人辺りのGNIもかなり高く、金持ちの世界になっていることに衝撃を受けた。経済とは、自由な空気で発展すると考えている玲奈は、更に驚きを隠せなかった。
「外貨獲得も目指すで。」
「は、はい…。」
(壮大やな…。)
その年の6月に、外貨獲得を目指して、オンラインでアジアの企業と交渉した。香港上海銀行と中国銀行との交渉では、2020年に適用された香港国家安全維持法という法律のせいで、経済の自由も制約されてしまった関係で上手くいかなかった。
「習近平のヤツー!!玲奈は運転免許(普通自動車免許・大型二輪車免許)持ってるから、ジャッキー・チェンみたいにバイクで突進してやりたいわ~。」
香港は諦め、次は中国に乗り込む。広州にある恒大(中国語:ヘンダー 日本語:こうだい)集団という不動産会社に目をつけた。
「ここやったら、イケるやろ…。」
アイスコーヒーを飲みながら、のんびり構えていたが、緊張で手は震えていた。交渉を始めたが、恒大集団は2020年秋に債務不履行に陥り、そこから深刻な経営難に陥った。香港が取引を停止し、破産危機を迎えていた。
「嘘やろ?!中国バブル終わったん?!」
「バブルはいつか弾けるで…。」
最後の望みをかけて、アラブ首長国連邦のエミレーツ航空と交渉した。画面に映ったのは、髭を蓄えた風格ある男性。
「Take it easy.」(気楽に行こう)
緊張の面持ちで取引スタート。エミレーツ航空はヨーロッパのサッカー界に多大な影響力を持ち、アーセナルやレアルマドリーなどのスポンサーを務めた。交渉を進めていくうちに、彼らの資金力に圧倒されていった。
「めっちゃ、金あるやん…。アカン、敵わへん…。」
「大した知識もない小娘が、我々と取引?笑わせないでくれたまえ。君は、札束で尻でも拭きな。」
鼻で笑われ、軽くあしらわれた。結局、取引は失敗。外貨を獲得することは出来ず、逆に500万の損害を被った。
「私達の負けや…。」
「社長、ごめんなさい…。」
玲奈は膝から崩れ落ちた。
外貨獲得失敗により、玲奈は秘書として肩身の狭い思いをした。7月になったある日、玲奈は梅田にある女性限定のレディースバーに行った。店名は「金魚的楽園」。
「いらっしゃいませ。」
黒い服に身を包み、黒髪を結った30代後半の女性がいた。レディースバーということで店員も女性だった。
金魚的楽園
営業時間 昼 12:00~15:00
夜 18:00~22:00
地下1階 金魚鉢 昼 13:00~15:00
夜 19:00~22:00
入店条件 年齢 18~40歳
未婚・彼氏なし
高校生は昼のみ
金魚ということだけあって、カウンターの水槽には金魚が泳いでいた。昼は喫茶店、夜はバーとして経営している。玲奈が訪れた時は夜で、大人の世界になっていた。
「カシスオレンジ美味しい…。」
「貴女、何かお悩みでもあるの?」
「はい、外貨獲得しようとしたら、逆に大損しちゃって…。」
「まぁ。それなら地下に遊び場があるんやけど、そこに行く?」
「えっ…。」
カシスオレンジを飲み干し、玲奈は別料金1000円を支払い、地下に下りた。そこには、黒いボンテージに身を包んだ黒髪ロングの豊満な女性。
「こんばんは。SMクイーンの里香です。」
「こんばんは。音無玲奈です。」
個室に入って、左隣にシャワー室があり、専用の衣装を渡され、シャワーを浴びてから着替えるようにと言われた。
「何するんやろ?」
期待と不安が入り交じる中、身体を洗い、衣装に着替える。
「わぁ…。めっちゃセクシーやな…。」
黒とピンクのマイクロビキニで、豊満な胸と尻が露になる。恐る恐る部屋に入ると、赤い照明で薄暗く、ベッドと椅子が置かれていた。
「玲奈ちゃん、こっちへおいで。」
言われるまま、ベッドに寝そべる。すると、クイーンはそっとキスをし、玲奈の胸に手を伸ばす。
「やんっ…。」
「玲奈ちゃん、緊縛を選んだんやね?」
「はい、緊縛って何するん?」
クイーンはブラジャーとパンティを脱がし、玲奈は全裸になった。それから、うつ伏せにさせて、手足を縛り、海老反りの状態で吊るす。
「玲奈ちゃん、可愛いわ…。オッパイ大きいし、いいお尻してるわ…。」
「やんっ、恥ずかしいです…。」
クイーンはお尻めがけて、鞭で叩く。
「あぁん!!」
「お仕置きよ。」
「すいません!アラブ首長国連邦のエミレーツ航空の人にタメ口聞いたのと、習近平ブッ飛ばすって言っちゃいました~!」
「フフ、それ、金正恩にも言える?」
「ムリムリ!!拷問される!!」
お尻を叩かれた後は、緊縛をほどかれ、特殊な椅子に座らされる。
「何コレ?」
「フフフ、ダイレクトやから気持ちええよ。」
スイッチを押すと、高速回転するハケ水車が、剥き出しの秘部に直撃。
「あぁん!!何?!イヤァァァン!!」
「これは、伝説のハケ水車。」
(あぁ、お股にハケがめっちゃ当たってるぅ~!アカン、イッチャう~!!!)
「アカン、イク~!!!」
絶頂し、心地よい疲労感に包まれる。
「ハァハァ、気持ち良かった~。」
「玲奈ちゃん、可愛いわ…。」
内なる性欲がはじけ、玲奈の中で何かが出てきた。
「里香さん、玲奈を弟子にしてくれませんか?」
「弟子、まぁ、ちょっと店長に掛け合ってみるわ。」
8月に、玲奈は秘書の副業として、金魚的楽園で、SMクイーンを務めることになった。
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