近江一族物語1『融合』

七々虹海

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抱いてもいいのか?

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「貴峰、さん…助けて………自分じゃ上手くイケないんだ……。僕、僕、晴空の事をかんがえてるはずなのに最悪なんだ……」
 ねだられて無意識に飲み込まないと溢れでそうな唾液が出た。ゴクリ。凪にまで唾を飲み込む音が聞こえてたらどうしようと思った。
「貴峰さん……」
潤んでこちらだけを見る凪に、何かが頭の中でキレる音がして、凪に手伸ばした。


 凪が座ってる近くに腰かけたら軋んだソファーのせいで生々しさを感じた。夢の中じゃない。いいのかと自分に問いただしても、中の自分は凪が苦しんでるんだから助けてやればいいんだと、都合の良い声しか聴こえない。
 晴空を忘れる為にもいいんじゃないか? 
  
 俺はネコしかやった事ないけれど、この機会に…いや、そこまでは…そこまでした方が晴空から遠ざかる良い機会になるのか?
「凪、いいんだな?」
ズルイ俺は凪に委ねる。何がいいのか教えもせずに。
 
 何を訊かれてるのかも分からず頷く凪。当然だ、凪は今正常な思考能力なんてないに決まってる。
 アナルに入ったままの凪の指を抜き、自分の指で塞ぐ。どのくらい弄ってたのか分からないそこは熱く、早くどうにかしてくれとばかりに畝って俺の指を締め付けてきた。
「んっ……うぅん………はぁ…」
凪は意識してるわけないんだけど、腕で口元を隠して潤んだ目でこちらを見上げてる状態は扇情的だった。
 普段髪で隠れがちの表情が、仰向けだとよく見える。迎えに行った中1の時に比べて、大人と子供の狭間にいる色気が駄々漏れだった。幼い、まだ中1の凪のアナルを慣れさせるのは、必要に駆られての事で罪悪感があった。仕方ない行為だった。急に掘られて傷だらけになるのは俺だけで十分だった。



 あれから3年しかたっていないのに。子供の3年は大きいんだなと実感させられる。今は自分の理性を最大限発揮させとかないと、凪にもっていかれそうだった。

 乱れていく凪の腕をどけて口づけてしまいたくて堪らなかった。
 コンドームもローションも寝室にある。この部屋を用意してくれた議員秘書からの呼び出しがたまにあるからだ。この部屋を用意してもらった時の約束で、俺はずっとあの人の都合の良い愛人でネコなんだけど、凪の前ではどうしても…。
 凪の先走りが多くなり内腿のヒクつきが目に見え始め、達しそうなんだな、俺の指が好きなんだなと思い始め、理性は手放した。

「なんで…」
 なんでの後に続くだろうイケそうだったのにの言葉は口で塞いでやる。今までの我慢を忘れ、噛みつくように凪の唇と咥内を貪る。初めて触れるそこは甘かった。
 大人になりきってないガキは甘いんだな。舌を絡ませにいくと、逃げようとした舌が恐る恐る戻ってきたのが愛おしかった。
 凪、凪、初めてだな、俺たちがキスをするようになるなんてな。

 所謂お姫様抱っこというやつで抱き抱えて寝室に向かう。凪の目は真っ直ぐ俺を見ていた。これから俺にされる事の覚悟は出来たらしい。こいつは案外決めたらブレない。こっちは迷いながらも欲望に負けたってのに、やっぱりお前はスゴいよ、凪。
 家族守る為だとはいえ、あんな小さなお前は一晩もたたずに決心したもんな。

 
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