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悩める次郎
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「ジロ?どうしたの?お昼行こ」
「うん……」
ジロの様子がおかしい。俺がトイレに行ってる間に何かあったのか。それとも慣れない会社で働く事に午前中で疲れてしまったのか。
俺とジロが同じ会社で働くと言えば、オフィスラブな展開が予想出来てたはずだ。給湯室にてお茶を溢すジロ、拭いてあげる俺、からの間違えて股間の辺り拭いてしまい危うく昂りそうになるジロの股間のもの…。
もしくは資料室に資料を取りに行く二人。うっかり停電で入り口にロックがかかり、出られなくなる。停電で暖房も効かず、寒いね総ちゃん…温めあおうかジロ…のラッキースケベ起こりやすい展開を読者も期待していただろうに、俺が給湯室に行く機会もなく、資料室に行く用事もなく午前が過ぎてしまった。
こんなはずではなかった…と読者に一言言いたい。ん?先ほどから俺の心の声だが、読者とはなんだ?などと悶々と考えながら社食の方に歩いているわけだが、隣のジロの表情は優れないまま。どうしたらジロを楽しくしてあげられるのか。
「次郎さん、次郎さーん。なかなかお昼に来ないからお迎えに来ましたよ~」
迎えとは言いつつも、目の前の社食から今出てきたばかりに見える誠と会った。
「あっ、誠ちゃん」
「なに?お前、今日一緒に昼食べる約束してないよな?」
「いつもの総一郎兄さんからの呼び出しはありませんが、せっかく今日から次郎さんがいるんですから、お昼くらい一緒させて頂こうかと」
俺よりほんの1、2㎝上からの目線でにこやかに笑いかけてくるのが今日はなんだか鼻につく。せっかくジロと二人きりで俺の社食でのオススメメニューを食べてもらったらジロも少しはテンションあがるかと思ったのに。
「誠ちゃんありがとう。じゃぁ、3人でたべようよ」
「ジロがそういうなら…」
俺はこんなに心が狭かっただろうか。
誠に対してはいつもニコニコ温和なジロでいるのが、ズルイ、気がする…。
俺のが一緒に住んでるんだし、誠は可愛い弟分だってのは分かってるはずなのに。
ジロに可愛い格好をさせてないから調子がでないのかもしれないな。ジロの可愛い姿は正義だ。
俺が見立てたスーツもスリムで、歩く度お尻がプリっとするのもまぁ、悪くはないが。
食堂まで来たものの、周りの声が耳に入らない。食事も、せっかく総ちゃんがオススメしてくれたオムライスなのに、美味しくは頂けなかった。ふわっふわの卵、ぼくも総ちゃんも子供と同じような味覚のまま成長してしまって、大好きなものなのに。
自覚してしまった、こんなにも総ちゃんが好きなんだ。
婚約者が羨ましい。
ぼくも総ちゃんと一緒に、このまま側にいたいんだ。
もしも、総ちゃんが婚約者と結婚してしまってからも執事の位置にいるって考えたら辛くて…側にいたいだけの気持ちじゃなくて、恋人のようになりたいんだ…と思う。ズルイよ総ちゃん。婚約者がいる癖にジロ、ジロってメイド服着せたり触ってきたり、勘違いするじゃないか。
ズルイよ。ぼくがもう少しだけ素直になれたら…なんて、とんでもない恥をかくところだった。この気持ちは閉じ込めて、徐々に、徐々に忘れた方がいいんだろうな…。
食べながら総ちゃんと誠ちゃんがしきりに話しかけてくれていたようだったけど、相づちをうったり、曖昧な返事しか出来なかった気がする。
忘れるって、どうしたら忘れられるんだろう。
午後も心ここにあらず。どうにか言われた事だけはこなしたと思う。お昼の様子を心配した誠ちゃんが様子を見に来て、帰り話そうと言ってくれた。
オレが聞くからいいと総ちゃんが言ってたけど、誠ちゃんが先に声をかけてくれたから、誠ちゃんと話す。総ちゃんは先に帰ってと、自分でも変な理由だと思ったけれど、誠ちゃんがどうにか言いくるめてくれた。
こんな事、本人になんて話せないよ。
「うん……」
ジロの様子がおかしい。俺がトイレに行ってる間に何かあったのか。それとも慣れない会社で働く事に午前中で疲れてしまったのか。
俺とジロが同じ会社で働くと言えば、オフィスラブな展開が予想出来てたはずだ。給湯室にてお茶を溢すジロ、拭いてあげる俺、からの間違えて股間の辺り拭いてしまい危うく昂りそうになるジロの股間のもの…。
もしくは資料室に資料を取りに行く二人。うっかり停電で入り口にロックがかかり、出られなくなる。停電で暖房も効かず、寒いね総ちゃん…温めあおうかジロ…のラッキースケベ起こりやすい展開を読者も期待していただろうに、俺が給湯室に行く機会もなく、資料室に行く用事もなく午前が過ぎてしまった。
こんなはずではなかった…と読者に一言言いたい。ん?先ほどから俺の心の声だが、読者とはなんだ?などと悶々と考えながら社食の方に歩いているわけだが、隣のジロの表情は優れないまま。どうしたらジロを楽しくしてあげられるのか。
「次郎さん、次郎さーん。なかなかお昼に来ないからお迎えに来ましたよ~」
迎えとは言いつつも、目の前の社食から今出てきたばかりに見える誠と会った。
「あっ、誠ちゃん」
「なに?お前、今日一緒に昼食べる約束してないよな?」
「いつもの総一郎兄さんからの呼び出しはありませんが、せっかく今日から次郎さんがいるんですから、お昼くらい一緒させて頂こうかと」
俺よりほんの1、2㎝上からの目線でにこやかに笑いかけてくるのが今日はなんだか鼻につく。せっかくジロと二人きりで俺の社食でのオススメメニューを食べてもらったらジロも少しはテンションあがるかと思ったのに。
「誠ちゃんありがとう。じゃぁ、3人でたべようよ」
「ジロがそういうなら…」
俺はこんなに心が狭かっただろうか。
誠に対してはいつもニコニコ温和なジロでいるのが、ズルイ、気がする…。
俺のが一緒に住んでるんだし、誠は可愛い弟分だってのは分かってるはずなのに。
ジロに可愛い格好をさせてないから調子がでないのかもしれないな。ジロの可愛い姿は正義だ。
俺が見立てたスーツもスリムで、歩く度お尻がプリっとするのもまぁ、悪くはないが。
食堂まで来たものの、周りの声が耳に入らない。食事も、せっかく総ちゃんがオススメしてくれたオムライスなのに、美味しくは頂けなかった。ふわっふわの卵、ぼくも総ちゃんも子供と同じような味覚のまま成長してしまって、大好きなものなのに。
自覚してしまった、こんなにも総ちゃんが好きなんだ。
婚約者が羨ましい。
ぼくも総ちゃんと一緒に、このまま側にいたいんだ。
もしも、総ちゃんが婚約者と結婚してしまってからも執事の位置にいるって考えたら辛くて…側にいたいだけの気持ちじゃなくて、恋人のようになりたいんだ…と思う。ズルイよ総ちゃん。婚約者がいる癖にジロ、ジロってメイド服着せたり触ってきたり、勘違いするじゃないか。
ズルイよ。ぼくがもう少しだけ素直になれたら…なんて、とんでもない恥をかくところだった。この気持ちは閉じ込めて、徐々に、徐々に忘れた方がいいんだろうな…。
食べながら総ちゃんと誠ちゃんがしきりに話しかけてくれていたようだったけど、相づちをうったり、曖昧な返事しか出来なかった気がする。
忘れるって、どうしたら忘れられるんだろう。
午後も心ここにあらず。どうにか言われた事だけはこなしたと思う。お昼の様子を心配した誠ちゃんが様子を見に来て、帰り話そうと言ってくれた。
オレが聞くからいいと総ちゃんが言ってたけど、誠ちゃんが先に声をかけてくれたから、誠ちゃんと話す。総ちゃんは先に帰ってと、自分でも変な理由だと思ったけれど、誠ちゃんがどうにか言いくるめてくれた。
こんな事、本人になんて話せないよ。
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