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(番外編)エリコのお留守番3(完)
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あー良かった。間に合った。スッキリしたら早く何か飲みたい。喉がカラカラよ。
あっ、今の人、飲み物を持って入って来た。よし。こっちだな。
あれ?外へ出たのに自動販売機が無い。う~ん、無いなぁ。
ま、道沿いにはあるはず。
こっちへ行ってみよう。
あれ?無いなぁ。少なくとも角っこにあるんだけどなぁ?おかしいなぁ。
丁度、すれ違う人がいるから聞いてみよう。
「あの~自動販売機かカフェか、、」
「はぁ?声をかけるな!あっちに行け!」
思わず身をすくめた。ツバまで吐くとは最低ね。なんで?道を聞いただけなのに何故怒鳴るのよ。怖いじゃないの。こんな奴からはサッサと離れるのが1番。
痛っ。早歩きすると頭が痛むじゃないの。
あれ?どうしよう。ここは何処だろう?ゴミがあちこちに落ちていて不衛生だし道に座り込んでお酒を飲む人もいる。
どうしよう。それにあちこちに胸を強調した服に濃い化粧の女の人が立ってる。って事は、ここは、、、!
どおりでさっきから男の人にジロジロと見られていたのか。
これは、、、ヤバイ所に迷い込んだ。
ああ、金髪の薄汚れたヤバそうな奴が声をかけてきた。
「オイ、姉ちゃん幾らだ?黒髪が珍しいな。」
「ち、違います!」
「金なら出すぜ。楽しもうぜ。」
「嫌!離して!誰か助けて!」
なんて強引!ちょっと肩から手をどかしてよ!ヤバイ、建物に連れて行かれる~!
周りの女達は何でニタニタと笑うだけなの?どうして誰も助けてくれないの?
「おっと。兄ちゃん先約だ。悪りぃな。」
後ろから声をかけられた瞬間、腕を引っ張って抱き寄せられた。
見上げると茶色い髭だらけの背の高い男でこちらもヤバイ奴だわ。
「何だと!」
髭男がコインを投げ与えると金髪男は、舌打ちをして去っていった。
一難去ってまた一難。さっきの男とは比べ物にならない力でホールドされているわ。
「離して。私は、そんな女じゃないの。人違いよ。」
「黙れ。」
「嫌!離して!」
「静かにしろ。黙らせられたいか?」
ドスの聞いた声に何をされるかわからずゾッとして慌てて言葉を引っ込める。
周りを見ても相変わらずの無関心。
どうしよう。どうなるの?
幾つかの角を曲がり大通りが見えて来た。
その時、男はそっと耳元で囁いてきた。
「次は無いぞ。屋敷に帰れ。」
「えっ?屋敷?」
「シッ!」
その瞬間、男が私から離れ来た道を足早に戻っていった。
一体、何だったの?それよりここを離れたい。
大通りを知った場所がないか探しながら歩いていると声をかけられた。
「エリコ様!ご無事で!オーイ!エリコ様を見つけたぞ!」
「えっ?あなたは誰?」
「はい?付き人のマークですよ。どうされました?」
「マーク?付き人?何それ?」
こんな人知らない。何言ってるの?
「エリコ様~!ご無事で!本当に心配しましたよ。」
「えっと、誰?」
「侍女のマリーですよ。まさかお忘れに?」
「知らないわ。あの、、皆さん、なんでそんな顔をしてるの?」
「まさか、、記憶喪失、、、。」
*****
記憶が戻った頃、任務から帰って来た夫アルベルトに「俺が見つけなければどうなっていたかわかるか?」とコッテリのお小言とお仕置きを受けた記憶は新しい。
あっ、今の人、飲み物を持って入って来た。よし。こっちだな。
あれ?外へ出たのに自動販売機が無い。う~ん、無いなぁ。
ま、道沿いにはあるはず。
こっちへ行ってみよう。
あれ?無いなぁ。少なくとも角っこにあるんだけどなぁ?おかしいなぁ。
丁度、すれ違う人がいるから聞いてみよう。
「あの~自動販売機かカフェか、、」
「はぁ?声をかけるな!あっちに行け!」
思わず身をすくめた。ツバまで吐くとは最低ね。なんで?道を聞いただけなのに何故怒鳴るのよ。怖いじゃないの。こんな奴からはサッサと離れるのが1番。
痛っ。早歩きすると頭が痛むじゃないの。
あれ?どうしよう。ここは何処だろう?ゴミがあちこちに落ちていて不衛生だし道に座り込んでお酒を飲む人もいる。
どうしよう。それにあちこちに胸を強調した服に濃い化粧の女の人が立ってる。って事は、ここは、、、!
どおりでさっきから男の人にジロジロと見られていたのか。
これは、、、ヤバイ所に迷い込んだ。
ああ、金髪の薄汚れたヤバそうな奴が声をかけてきた。
「オイ、姉ちゃん幾らだ?黒髪が珍しいな。」
「ち、違います!」
「金なら出すぜ。楽しもうぜ。」
「嫌!離して!誰か助けて!」
なんて強引!ちょっと肩から手をどかしてよ!ヤバイ、建物に連れて行かれる~!
周りの女達は何でニタニタと笑うだけなの?どうして誰も助けてくれないの?
「おっと。兄ちゃん先約だ。悪りぃな。」
後ろから声をかけられた瞬間、腕を引っ張って抱き寄せられた。
見上げると茶色い髭だらけの背の高い男でこちらもヤバイ奴だわ。
「何だと!」
髭男がコインを投げ与えると金髪男は、舌打ちをして去っていった。
一難去ってまた一難。さっきの男とは比べ物にならない力でホールドされているわ。
「離して。私は、そんな女じゃないの。人違いよ。」
「黙れ。」
「嫌!離して!」
「静かにしろ。黙らせられたいか?」
ドスの聞いた声に何をされるかわからずゾッとして慌てて言葉を引っ込める。
周りを見ても相変わらずの無関心。
どうしよう。どうなるの?
幾つかの角を曲がり大通りが見えて来た。
その時、男はそっと耳元で囁いてきた。
「次は無いぞ。屋敷に帰れ。」
「えっ?屋敷?」
「シッ!」
その瞬間、男が私から離れ来た道を足早に戻っていった。
一体、何だったの?それよりここを離れたい。
大通りを知った場所がないか探しながら歩いていると声をかけられた。
「エリコ様!ご無事で!オーイ!エリコ様を見つけたぞ!」
「えっ?あなたは誰?」
「はい?付き人のマークですよ。どうされました?」
「マーク?付き人?何それ?」
こんな人知らない。何言ってるの?
「エリコ様~!ご無事で!本当に心配しましたよ。」
「えっと、誰?」
「侍女のマリーですよ。まさかお忘れに?」
「知らないわ。あの、、皆さん、なんでそんな顔をしてるの?」
「まさか、、記憶喪失、、、。」
*****
記憶が戻った頃、任務から帰って来た夫アルベルトに「俺が見つけなければどうなっていたかわかるか?」とコッテリのお小言とお仕置きを受けた記憶は新しい。
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